【京都大賞典】前走が宝塚記念組は着順不問 4歳上がり馬のサクセスシュートは面白い存在

勝木淳

2023年京都大賞典に関するデータ,ⒸSPAIA

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人気は6歳、データは4、5歳優勢

毎日王冠と同週3日間競馬、最終日の京都大賞典は2400mという距離もあって、以前のような天皇賞(秋)とのつながりは薄い。近年はGⅠ好走馬を出せず、やや寂しさを感じていた。しかし、昨年は2022年最大の上がり馬ヴェラアズールここを勝ち、ジャパンCも制した。今年も連覇をかけてここから始動する。3年ぶり秋の京都開催開幕にふさわしい好カードになりそうだ。データは21、22年阪神を含む過去10年分を使用し、京都8年間の特徴もみていこう。

京都大賞典の人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【2-3-2-3】勝率20.0%、複勝率70.0%、2番人気【2-1-3-4】勝率20.0%、複勝率60.0%と、古馬中距離のGⅡらしく上位人気は信用できる。

3番人気【2-0-2-6】勝率20.0%、複勝率40.0%以下、徐々に率は落ちていくが、6番人気【0-4-0-6】複勝率40.0%、10番人気以下【2-0-0-41】勝率、複勝率4.7%など、穴馬の激走もある。京都大賞典は以前ほどGⅠ馬が複数顔を揃えるようなレースではなくなり、混戦になる年も多くなったからだろう。ヴェラアズール、ディープボンド、ヒートオンビートといったメンバーが出走する今年は、ある程度堅く収まりそうな予感もする。

京都大賞典の年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では、勝率は5歳【5-3-3-30】勝率12.2%、複勝率26.8%、複勝率は4歳【2-5-2-18】勝率7.4%、複勝率33.3%が上位になる。基本は5歳から4歳へという形だが、今年の上位人気候補は6歳ばかり。ここは【1-2-2-27】勝率3.1%、複勝率15.6%で明らかに確率が下がる。秋になり、4、5歳と比べて実力が落ちていると判断するなら、波乱も視野に入れていい。

宝塚記念組は着順不問

4歳プラダリア、ブローザホーン、5歳ビッグリボンと6歳の上位人気馬の力関係を見定める上でも、前走成績にヒントがあるのか、探っていこう。

京都大賞典の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別では、前走(国内)GⅠ【6-5-7-26】勝率13.6%、複勝率40.9%に注目しよう。ここはヴェラアズール、ディープボンド、ボッケリーニなど実績馬がそろって当てはまる。

京都大賞典の前走GⅠ、レース別成績,ⒸSPAIA


この3頭が該当する前走宝塚記念が【5-2-6-14】勝率18.5%、複勝率48.1%と目立つ。その着順内訳は5着以内【2-1-3-3】、6着以下【3-1-3-11】なので、基本は掲示板内でもそれ以下であっても好走できる。宝塚記念と同じ阪神で行われた2回を除外し、京都8回に絞ると、5着以内【2-1-2-2】、6着以下【3-0-3-8】で、掲示板外からの好走確率が高まる点には気をつけよう。5着ディープボンドに7着ボッケリーニ、8着ヴェラアズールと3頭とも好走ゾーンにいる。

ヒートオンビートの前走GⅡは【0-2-1-26】複勝率10.3%と案外。さらに目黒記念は【0-1-1-10】複勝率16.7%と微妙だ。しかし、1着馬に限ると【0-1-1-2】、ヒートオンビートが好走する可能性は残る。久々の京都出走だが、京都は条件戦時代とはいえ【2-0-0-2】で相性は悪くない。

京都大賞典の前走GⅢ、レース別成績,ⒸSPAIA


前走GⅢ【2-1-1-26】勝率6.7%、複勝率13.3%についてレース内訳をみると、新潟記念【1-1-0-9】勝率9.1%、複勝率18.2%から登録がある。ここは3着【1-0-0-0】、6着以下【0-1-0-7】、3着インプレスがいる。4着プラダリアは正確には好走パターンではないが、自身の成績は2000m【0-2-0-1】に対して2400m【2-0-0-1】で、明らかに舞台が好転するのは事実だ。

ビッグリボンのマーメイドSは【0-0-1-1】。昨年のウインマイティーがマーメイドS1着から3着に好走した。これに続きたいところだが、昨年は阪神で今年は京都。関西馬だが、京都改修中の21年2月デビューのため、京都は未出走。マーメイドSのレースぶりから、最後に時計を要する競馬がよさそうではある。

前走3勝クラスは京都8年だと【0-1-1-1】。2400m【0-0-1-0】なので、サクセスシュートが面白い。4歳上がり馬とプラダリアがデータに一致する6歳実績馬に迫れるか。さらに越えられるか、そこが見どころだ。

京都大賞典に関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。


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