【マイラーズC】好走率は東京新聞杯組が優位 高速決着適性あり、実績上位ジュンブロッサムに注目

三木俊幸

ジュンブロッサム,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

参考レース振り返り

4月27日(日)に京都競馬場で安田記念に向けた前哨戦・マイラーズC(GⅡ・芝1600m)が行われる。今回は阪神開催も含めた過去10年のデータとともに主な参考レースを振り返る。

今年の出走予定馬の前走レースを見ると、中山記念や阪神Cといった過去10年で優勝馬を輩出しているレースからの参戦なしという珍しい傾向が見られる。なお、データランクは好走率や勝利数をもとに、レースレベルはレーティングや出走馬の成績などを考慮してランク付けしている。


東京新聞杯【データ:B レースレベル:B】

過去10年の成績【0-2-2-12】勝率0.0%、連対率12.5%、複勝率25.0%
・勝利はないが3着内への好走は4頭
・直近では2022年ホウオウアマゾンが2着

【2025年レース回顧】
好スタートからメイショウチタンが逃げ、セオが2番手を追走。前2頭が3番手以下をやや離す展開で800m通過は46.1。縦長の隊列となった。

ゴール前は内から伸びたボンドガールが差し切ったかと思われたところ、4角では12番手だったウォーターリヒトが大外から上がり33.2の末脚で豪快に差し切り。勝ちタイム1:32.6で重賞初制覇を飾った。

ジュンブロッサムは中団を追走するも、直線で自慢の末脚が不発に終わり10着。重賞初制覇を飾った富士Sは中盤でペースが緩んでの瞬発力勝負で鮮やかに差し切ったが、このレースは平均ペースで流れたうえで瞬発力も求められる展開。加えて斤量59kgを背負い、終始外を回る形となったことも多少なりとも影響したのかもしれない。

昨年の富士S2着馬で、もともと高速決着への適性はある。このメンバーに入ると上位の存在だ。


六甲S【データ:C レースレベル:C】

過去10年の成績【0-0-1-24】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率4.0%
・2022年ファルコニアが3着

【2025年レース回顧】
レースはフルメタルボディーが単騎で逃げる展開で800m通過は46.1。ゴール前は4頭が横に広がる混戦となったが、中団よりやや後ろから伸びた9番人気ダディーズビビッドがハナ差制した。勝ちタイムは1:32.2だった。

4着だったセオは先着を許した3頭から半馬身遅れたが、2番手追走から早め先頭に立って粘った。差しが届く流れだったことを考えると、内容は悪くない。年明け初戦の京都金杯は0.3秒差の4着で、重賞でも戦えるだけの力はつけてきている。

5着ホウオウリアリティは初めてのマイル戦出走で、後方3番手追走から4角でムチが入るなど反応は良くなかったが、直線は内をロスなく立ち回ってジリジリと伸びた。グラティアスは3番手からレースを進めたが、こちらも差し勢に交わされて0.3秒差の6着。この2頭は現状で出せる能力は発揮しての結果だと言える。

1番人気に推されたニホンピロキーフは4、5番手の追走。しかし、直線では追われてからの反応がイマイチでなだれ込む形となり、勝ち馬から0.4秒差の7着だった。近2走は馬体を絞り切れずの出走が続いているが、昨年のマイラーズCで3着という実績があるだけに、状態面の良化があれば上位争いできる力は秘める。


小倉大賞典【データ:C レースレベル:C】

過去10年の成績【0-0-0-3】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
・最高着順は2022年サトノアーサーの9着

【2025年レース回顧】
スタートしてすんなりハナを奪い切ったセルバーグが後続に5〜6馬身ほどのリードをつけ、2番手ヤマニンウルス、そこから3番手以下もさらに5〜6馬身差がついて縦長の隊列で1000mを58.6で通過した。

後方4番手の内からスルスルとポジションを押し上げたロングランは、4角で外へと持ち出されると直線で力強く伸び、勝ちタイム1:46.1で重賞初制覇を飾った。

今回がキャリアで初めてのマイル戦。機動力がある点は歓迎できるが、後方からレースを進めるタイプなだけにペースは流れてほしい。

エアファンディタは後方追走でそのままポジションを押し上げることができず、11着という結果だった。展開に注文がつくタイプで、開幕週の馬場のマイル戦は歓迎材料とは言えない。


ニューイヤーS【データ:なし レースレベル:C】

※過去10年で出走なし

【2025年レース回顧】
レースの主導権を握ったのはレイベリング。それをマークするようにビーアストニッシドが2番手につけて12.4-10.9-11.2-11.4(45.9)と淀みなく流れた。

4番手から運んだ1番人気トロヴァトーレが残り200mで外から先頭に躍り出ると、最後まで力強い脚で突き抜けた。勝ちタイムは1:32.3だった。

レイベリングは0.7秒差の7着。マイル戦では最後に脚が上がってしまうレースが多く、ベストは1400mと言えるだろう。


《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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