【皐月賞】無敗王者クロワデュノールは消し!エリキング、サトノシャイニングも枠次第 ハイブリッド式消去法

八木遊

皐月賞の消去法データ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

今回は日曜に中山競馬場で行われる皐月賞を予想する。いつも通り過去10年のデータを使って複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。

特別登録馬のうち、若葉S2着で優先出走権を持っていたローランドバローズが挫石で出走回避を表明。これにより、抽選対象の予定が出走可能となったジュタとジーティーアダマンまでの18頭を対象に進めていきたい。


『前走上がり2位以下』×『前走3角6番手以下』★0.0%★

まずは、前走レースでの上がり3ハロン順位に注目した。

前走上がり最速だった馬は過去10年で【5-5-3-46】(複勝率22.0%)と好成績を残している一方、上がり2位以下だった馬も【5-5-7-96】(同15.0%)と悪くはない。

ただし、前走で上がり2位以下だった馬は、ある程度先行できていたことが皐月賞での好走条件となる。その前走で3角を6番手以下で迎えていた馬は【0-0-0-23】(同0.0%)となり、3着以内がなかった。

今年は以下の6頭がこの条件に当てはまった。マジックサンズとミュージアムマイルはどちらもGⅠで2番人気に推されたことのある実力馬だが、今回は消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・カラマティアノス
・ジュタ
・ドラゴンブースト
・ニシノエージェント
・マジックサンズ
・ミュージアムマイル


『4月以降生まれ』×『前走2着以下』★3.6%★

続いては誕生月データから、4月以降に生まれた馬を取り上げる。

過去10年の成績は【4-0-1-41】(複勝率10.9%)と、勝ち馬こそ出ているが全体的には苦戦気味。特に前走で勝てなかった馬は【0-0-1-27】(同3.6%)で、唯一の好走例は2022年の3着馬ドウデュースだった。

今年このデータに当てはまったのはフクノブルーレイクだけ。前走スプリングSではタイム差なしの2着に健闘したが、さすがにメンバーレベルがグッと上がる今回は厳しいか。

【今年の該当馬】
・フクノブルーレイク


『社台系生産』×『前走時馬体重4kg以上減』★4.2%★

続いては生産者別データから、過去10年で【7-7-5-74】(複勝率20.4%)の社台系生産馬を取り上げたい。

2021年以降は毎年2頭が馬券に絡み、2022年に関しては馬券内を独占しているが、前走時に馬体重を4kg以上減らしていた馬に限ると【0-1-0-23】(同4.2%)。3つ目はこの組み合わせを採用する。

今年は断然人気が濃厚のクロワデュノールと、共同通信杯を制したマスカレードボールの2頭がこのデータに当てはまった。前者は無傷の3連勝でホープフルSを完勝、世代最強の呼び声が高いが、前走は8kg減での出走だった。勝利に最も近い存在であることは間違いないが、休み明けの今回はあえて疑ってみたい。

【今年の該当馬】
・クロワデュノール
・マスカレードボール


『非社台系生産』×『母父SS系』★5.3%★

続いても同じ生産者のデータから、社台系以外の生産馬に注目。過去10年の成績は【3-3-5-68】(複勝率13.9%)と、社台系生産馬に比べてやや苦戦している印象だ。

なかでも母の父がサンデーサイレンス系の馬は【0-1-0-18】(同5.3%)となっており、好走したのは2018年に人気薄で2着に食い込んだサンリヴァルが唯一だった。

今年は以下の3頭がこの条件に当てはまる。スプリングS勝ち馬ピコチャンブラックは母父ネオユニヴァース、弥生賞勝ち馬でホープフルSでも3着と好走したファウストラーゼンは母父スペシャルウィークで、トライアルを制した2頭も消去対象となった。

【今年の該当馬】
・ジーティーアダマン
・ピコチャンブラック
・ファウストラーゼン


『前走出走頭数11頭以下』×『今回1~3枠』★5.1%★

ここまで4つのデータを終え、18頭中12頭を消去した。最後は前走レースの出走頭数と枠順を掛け合わせて絞り込みを図りたい。

取り上げるのは、前走の出走頭数が11頭以下のレースを走っていた馬だ。過去10年の成績は【5-5-5-91】(複勝率14.2%)。フルゲート必至の皐月賞において、直前に多頭数のレースを経験しているか否かは重要な要素といえる。

これに掛け合わせるのが、「今回1~3枠」という条件。該当馬39頭の成績は【1-0-1-37】(同5.1%)。ごちゃつくリスクが高くなる内枠はマイナス材料となる。

残っている6頭のうち、前走が11頭立て以下だったのはエリキング、サトノシャイニング、ジョバンニといった有力どころ。いずれも1~3枠に入れば消去とする。

【今年の該当候補】
・エリキング
・サトノシャイニング
・ジョバンニ

すべての条件を終えて、確実に残るのはアロヒアリイ、キングスコール、ヴィンセンシオの3頭となった。

3頭の中で最注目は、弥生賞3着のアロヒアリイだ。前走のようにファウストラーゼンのマクリに乗じて前が崩れる展開になれば、上位争いも十分可能とみる。

馬券はアロヒアリイから残った馬へのワイド。そしてキングスコールとヴィンセンシオのワイドも押さえておく。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<桜花賞>
◎リンクスティップ(4番人気、3着)
○アルマヴェローチェ(2番人気、2着)

◎単勝(不的中)
◎複勝(的中)
◎-○馬連(不的中)
◎-○ワイド(的中)

《関連記事》
【皐月賞】不動の主役はクロワデュノール 逆転候補筆頭はエリキング、直近のトレンド「共同通信杯組」の取捨は?
【皐月賞】芝未勝利で戴冠した2004年ダイワメジャー 牡馬クラシック初戦の「記録」を振り返る
【皐月賞】過去10年のレースデータ