【マイラーズC】前走GⅡ以上不在の大混戦…連対率42.9%データ持つセオが本命

門田光生

マイラーズCの前走着順別成績(過去10回),ⒸSPAIA

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今年は“前代未聞”の事態

27日に京都競馬場で行われる第56回マイラーズカップ。2012年に開催場所が阪神から京都へ移動した当時は「秋に同場所、同距離のマイルCSがあるので、阪神のままでいいのでは…」と思ったりしたのだが、さすがに10年以上経過すると、それが当たり前のように感じてきた。

京都競馬場の改装のため2021年と2022年は阪神競馬場で施行されたが、今となっては阪神で行われることに違和感があるのだから不思議なものである。

そんなマイラーズCにはどのような傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦2勝(2連対)、栗東8勝(18連対)。連対馬のほとんどが栗東所属馬だが、勝率では美浦所属馬の方が上となっている。


出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬の参戦はこれまで2頭だけ。2015年ディアデラマドレが7着、2019年メイショウオワラが8着に終わっている。


出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
勝ち馬が出ているのは4~6歳のゾーン。勝率では5歳馬だが、連対数最多かつ連対率と複勝率の高さを買って4歳馬をプラスデータとしたい。なお、7歳以上から勝ち馬は出ていない。


出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
まんべんなく勝ち馬が出ているが、抜けているのは前走GⅡ組。勝率35%以上、連対率は約50%もある。サンプル数も十分で、信頼できそうだ。

ちなみに、海外帰りも好走率が高く、5頭中3頭が馬券に絡んでいる。逆に国内GⅠ組が不振で、連対馬が1頭も出ていない。


出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
GⅡ組と海外帰りの好走率が高く、国内GⅠ組から連対馬がないと書いたが、何と今回の登録馬はすべて前走がGⅢ以下。しかも過去10年では勝ち馬が出ていない前哨戦ばかりで、連対馬が出たレースも東京新聞杯しかない。これは前代未聞だ。

仕方がないので、上述した前走クラスのデータは無視する。4頭の登録がある前走・六甲S組はリステッド格付け前を含めて【0-0-1-24】と壊滅的だが、ついに連対馬が出るのだろうか。


出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
連対率がいいのは、前走2~4着のゾーン。特に前走4着馬は勝率、連対率ともに4割を超えている。

一方、前走5着以下だと勝率が1%台になってしまう。


出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着差
秒差なしで勝った馬はすべて着外。対して秒差なしで負けた馬は連対率が50%、複勝率も66.7%と高確率で馬券に絡んでいる。

なお、前走で0.5秒以上負けた馬からは勝ち馬が出ていない。


出走馬の前走着差,ⒸSPAIA


☆前走人気
勝率、連対率が最も高い前走4番人気がプラスデータ。前走6番人気以下だと勝ち馬がいなくなり、10番人気以下だと連対馬もいなくなる。


出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走距離(芝)
マイル重賞ということで、様々な距離を走っていた馬が集まってくる。最も多いのは前走マイル組だが、実はほかの路線から来た組の方が好走率は良い。

ちなみに、勝率では前走1800m組がリード、連対率では前走1400m組が優秀だ。


出走馬の主な前走距離(芝),ⒸSPAIA


☆前走脚質
勝ち負けにかかわらず、前走で逃げた馬はすべて馬券外に沈んでいる。参考までに、このレースで逃げた馬の成績は過去10年で【0-2-0-8】だ。


出走馬の前走脚質,ⒸSPAIA


データの最有力はミスタージーティーも…

マイラーズCのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「4歳」
B「前走3着か4着」
C「前走4番人気」
D「前走芝1800m」

【勝率ダウン】
E「前走5着以下」

【勝ち馬なし】
F「7歳以上」
G「前走0.5秒差以上の負け」
H「前走6~9番人気」

【連対馬なし】
I「前走秒差なしの勝ち」
J「前走10番人気以下」
K「前走逃げ」

まず、プラスデータを勝率順に並べてみよう。結果は以下の通り。


プラスデータ(勝率順),ⒸSPAIA


登録が10頭と少なく、前走で掲示板に載った馬は4頭だけ。しかも前走で重賞を使ってきた馬も3頭しかおらず、GⅢばかり。GⅡ格付けのレースを思えば、かなりさみしいメンバー構成といえる。

予想通りマイナスデータを持つ馬がほとんどだが、唯一マイナスデータがなく、プラスデータを最多タイの2つ持つのがミスタージーティーだ。

前走は3勝クラスの美浦Sだが、2022年のソウルラッシュも3勝クラスを経てマイラーズCを勝っている。ソウルラッシュはその後マイルCSを勝ってGⅠ馬にまで上り詰めたが、ミスタージーティーも続けるかどうか。データ通りにここを勝てれば、未来は明るい、かもしれない。

しかし、ミスタージーティーはマイラーズC当日の京都10Rセンテニアル・パークS(3勝クラス)にも登録があり、現時点ではどちらに出走してくるかは不透明。出走してくれば最有力だが、今回は「注」印とする。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると以下の通りとなる。


プラスデータ(連対率),ⒸSPAIA


連対馬が出ていない「I」「J」「K」に該当しない馬は7頭。このうち、ミスタージーティーを除いた6頭を精査していく。

プラスデータを持っているのはエアファンディタ(D)、セオ(B)の2頭。セオはマイナスデータがなく、しかも連対率が一番高いB「前走4着」馬でもある。セオを本命に据え、2番手エアファンディタでいいだろう。

3番手は難しい。プラスデータを2つ持つロングランだが、連対馬が出ていないI「前走秒差なしの勝ち」に引っかかっているのが痛い。そこで今回は、登録馬で唯一連対馬を出している東京新聞杯組からジュンブロッサムを指名したい。

◎セオ
○エアファンディタ
▲ジュンブロッサム
注ミスタージーティー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
何だかんだいわれている大阪万博ですが、実際に行った人の評価は高いです。私もその1人。行きたいところを回るには通期パスが必要と考えて、後先考えず購入しました。家族分のパス代を回収するため、馬券モードに入ります。傷口が広がらなければいいんですがね。

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