3連単の最高額は1460万40円 2022年中央競馬の高額配当ランキング
緒方きしん
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2022年の高配当レースを振り返る
2022年12月12日に日本漢字能力検定協会が毎年発表している「今年の漢字」が「戦」に決まった。様々な意味が込められているだろうが、競馬ファンの「戦」は来年も続く。そんな次なる戦いに挑む前に、2022年の高配当ランキングを振り返っていこうと思う。今年の馬券検討のヒントになることが潜んでいれば幸いだ。
単勝&複勝ランキング!最高配当は単勝「5万4940円」、複勝「1万2840円」
2022年の単勝払戻金ランキングは下記の通り。
1位 2月12日 5万4940円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
2位 3月12日 2万5220円(中山・1勝クラス牝・ダ1200m)
3位 3月19日 2万4950円(中京・1勝クラス・ダ1200m)
単勝ランキング上位はダート戦が占める結果となった。さらに勝ち馬は3頭とも牝馬、斤量も52、52、53kgと軽量。ランク外にも永島まなみ騎手が騎乗した斤量50kgの牝馬・ガレットジョーカー(単勝173.7倍)が入るなど、大穴は軽斤量から狙うセオリーに沿った結果となった。
単勝配当ランキングでトップとなった東京2勝クラスは、JRA歴代3番目の単勝配当額となる歴史的な一戦となった。勝ち馬のヤマメを勝利に導いた小林脩斗騎手は、他にもダート戦で12番人気のプランセスカグヤで勝利するなど、穴を開ける騎手として活躍。今年あげた15勝の全てはダート戦、ダートのプロフェッショナルとしても注目したい。
続いて複勝払戻金ランキング。
1位 12月25日 1万2840円(阪神・未勝利・ダ1800m)
2位 12月25日 1万2290円(中山・1勝クラス・ダ1800m)
3位 2月12日 8960円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
先日、訃報が舞い込んだサクセスブロッケンの姪っ子にあたるリコルドが、阪神で複勝万馬券を演出。この日はクリスマスだったが、なんと1日に2度も複勝万馬券が出て、年の暮れに大いに盛り上がった。サクセスブロッケンは早いうちから活躍した実績馬であり、レースでも人気を集めることが多かったが、現役時代の最低人気である6番人気だったフェブラリーSではカネヒキリ、ヴァーミリアン、エスポワールシチーらを相手に勝利した。
枠連&ワイドランキング!最高配当は枠連「5万970円」、ワイド「16万620円」
次は枠連払戻金ランキング。
1位 8月14日 5万970円(新潟・1勝クラス・ダ1800m)
2位 5月14日 4万1200円(東京・未勝利・芝1600m)
3位 5月21日 4万600円(新潟・1勝クラス・ダ1200m)
枠連配当のランキングTOP3には新潟1勝クラスのレースが2つランクイン。新潟開催では枠連の万馬券が7つ飛び出した。また、TOP3にはランクインしていないものの、小倉開催では枠連配当4位5位があり、全体で9つの枠連万馬券が出た。枠連はローカルで狙うのも面白いだろう。
配当1位は6枠同士の決着、配当3位は5枠同士の決着だったなか、配当2位は13頭立ての3枠ステラナビゲーター(5番人気)と2枠ナムラロロ(11番人気)での決着。ただし、3枠3番と2枠2番の組み合わせだったため、枠連としての意味合いは薄いにもかかわらず、馬連7万1960円、枠連4万1200円と配当で差がついてしまった。
続いてワイド払戻金ランキング。
1位 12月25日 16万620円(中山・1勝クラス・ダ1800m)
2位 4月24日 8万9990円(東京・未勝利・芝1400m)
3位 12月25日 8万7500円(中山・1勝クラス・ダ1800m)
ワイドは歴代最高配当が飛び出した。12月25日の中山1勝クラスで1着12番人気トロワシャルム、3着16番人気ヴォーグマチネ。同馬騎乗の原田和真騎手は8月にも12番人気ヴィクトリオンを2着に導き万馬券を演出するなど、ダート中距離で存在感を高めている。
馬連&馬単ランキング!最高配当は馬連「26万7610円」、馬単「63万8710円」
このあたりから桁が一つ変わってくる。まずは馬連ランキング。
1位 1月29日 26万7610円(東京・1勝クラス・ダ1600m)
2位 2月12日 22万3470円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
3位 7月23日 14万4600円(福島・未勝利・ダ1700m)
馬連の高配当ランキングは上位3レース全てがダート戦となった。ランキング1位のレースは3歳戦。1番人気ジュタロウが9着と大敗し、12番人気リッキーマジックと13番人気ビヨンドザファザーによる決着。リッキーマジックはコパノリッキー産駒だが、同父の産駒には穴をあける馬が多い。今年はガレットジョーカーが単勝173.7倍で勝利、グッドロマンスも単勝99.3倍で勝利するなど、今後もダート短距離・マイル戦では注目したい。
東京競馬場では今年59もの馬連万馬券が飛び出した。中には重賞レースもあり、ペイシャエスのユニコーンSやテーオーロイヤルのダイヤモンドSなどが挙げられる。京王杯2歳Sでは6万5910円の万馬券を演出したオオバンブルマイが記憶に新しいファンも多いだろう。オオバンブルマイはその名のインパクトとは裏腹に、祖母がファルコンS3着の快速馬ルシュクル、おじおばにブランボヌールとビアンフェなどがいる良血馬。朝日杯FSでは7着に敗れたものの、2023年の活躍も期待される。
続いて馬単ランキング。
1位 2月12日 63万8710円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
2位 1月29日 57万4380円(東京・1勝クラス・ダ1600m)
3位 7月23日 31万1350円(福島・未勝利・ダ1700m)
馬単も順位の入れ替わりはあれど、馬連の高配当ランキングと同様の顔ぶれ。12、13番人気による決着で馬連では最高配当に輝いたレースも、単勝549.4倍のヤマメが1着の馬単では相手が悪かった。また、惜しくも4位だったのが重賞の中山牝馬S。15番人気クリノプレミアム→12番人気アブレイズの決着で、2540.5倍の払い戻しだった。
3連複&3連単ランキング!最高配当は3連複「214万1740円」、3連単「1460万40円」
いよいよ100万馬券の登場だ。まずは3連複ランキング。
1位 2月12日 214万1740円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
2位 12月25日 162万3870円(中山・1勝クラス・ダ1800m)
3位 10月2日 95万6120円(中京・3勝クラス・ダ1900m)
3位の白川郷Sは勝ち馬ヴィアメントが4番人気だったものの、2着リリーミニスターが13番人気、3着ランスオブアースが14着と配当を跳ね上げた。
またTOP10に2つ新馬戦が入っており、その1着の鞍上がどちらも石川裕紀人騎手であることにも注目したい。今年はジュンライトボルトでチャンピオンズCを制するなど飛躍の一年となった石川騎手だが、新馬戦での活躍も目立った。7番人気のハヤブサジェットを2着に導き、11番人気ヒメカミノメガミを3着に食い込ませるなどの活躍を見せた。
最後は3連単ランキング、今年も1000万超えの配当も飛び出した。
1位 2月12日 1460万40円(東京・2勝クラス・ダ1600m)
2位 12月25日 864万8760円(中山・1勝クラス・ダ1800m)
3位 6月12日 783万2540円(中京・1勝クラス牝・ダ1400m)
3連複などと同様にダート戦が上位に並んだ。芝レースでの最高配当は全体7位の中山・2勝クラスの328万9870円の払い戻し。さらに3連単の配当ランキング14位はGⅠ高松宮記念。こちらは1着ナランフレグ(8番人気)、2着ロータスランド(5番人気)、3着キルロード(17番人気)の決着で278万4560円という高配当だった。3着キルロードは7歳で重賞に初挑戦した遅咲きの馬。11月にも京阪杯で10番人気2着になるなど波乱の立役者として輝いた。
3連単の配当ランキングで堂々の1位は、1460万40円が飛び出した東京2勝クラス。なんと、枠連とワイド以外全てのランキングに登場した無双っぷり。上述の通り、勝ち馬の単勝オッズ549.4倍は2014年福島の569.4倍、1955年阪神での558.7倍に次ぐJRA歴代3位の高額配当なのだから、この結果も頷ける。
昨年も3連単配当1000万超えが出るなど、夢のある馬券が飛び出した。2023年の中央競馬は1月5日の中山、中京開催から幕を開ける。早速1月の中山、中京開催でビッグなお年玉を狙ってみてはどうか。
《ライタープロフィール》
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
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