【皐月賞】トレンドは「7~9番人気」の中穴狙い 激走条件から浮上する注目2頭

逆瀬川龍之介

皐月賞-過去10年の7~9番人気の激走条件,ⒸSPAIA

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基本は前走で重賞を勝った馬から

皐月賞は大波乱が少ないレースだ。直近10年に限ると、1番人気で勝ったのは19年のサートゥルナーリアと20年のコントレイルの2頭のみ。一方、2桁人気に反発して馬券に絡んだのも17年3着のダンビュライト(12番人気)の1頭のみだから、“ほどほどの人気の馬”で決まることが多い。

さらに、直近5年に絞ると4回が3連単2~3万円台の決着。したがって中穴ゾーンを狙うのが効率的なレースといえるだろう。

では、どういった馬が中穴となるのだろうか。馬券的中の突破口としたいのは、馬柱の前走欄だ。直近10年の前走クラス別成績を見ると、重賞組が【10-9-10-102】、非重賞組が【0-1-0-40】だから、どちらを狙うべきかは明白。そして重賞組の中でも、前走1着馬が【7-7-6-31】の勝率13.7%、複勝率39.2%、単勝回収率140%、複勝回収率118%と素晴らしい成績を残している。

ここで“前走重賞1着馬を買えばいいのか!”と早合点して、1番人気必至のクロワデュノールに飛び付いているようでは好配当にありつけない(当たるかもしれないが…)。面白いのは前走1着馬の「当日の人気別成績」だ。

1番人気が【2-0-2-3】、2番人気が【3-0-0-4】、3番人気が【0-3-1-2】だから、いずれも全幅の信頼を置けるほどではない。一方で、7~9番人気が【2-2-2-4】と素晴らしい成績を残しているのは注目に値する。

「前走重賞勝利」かつ「当日7~9番人気」の馬,ⒸSPAIA


さらに馬券圏内に好走した6頭に注目すると、ある共通項が見えてくる。前走での4角の位置取りを確認すると、16年のディーマジェスティを除いた5頭は「4番手以内」。つまり先行策、あるいは早め進出で勝ち切っていた馬が、皐月賞で中穴を演出しているのだ。

条件を満たしたのは5頭

それでは今年の登録馬を見てみよう。前走4角4番手以内で重賞を勝っているのは以下の5頭だった。

<前走4角4番手以内で重賞を勝利した登録馬>
・エリキング
・クロワデュノール
・ピコチャンブラック
・ファウストラーゼン
・マスカレードボール

そのうち7~9番人気に収まりそうなのはピコチャンブラックとファウストラーゼンだろう。前者はスプリングSの勝ち馬。好位から3角で先頭に立つと、そのまま力強く押し切ってみせた。仮に前走同様の道悪となれば、チャンスは拡大するはずだ。

一方、後者は弥生賞の覇者。序盤は後方だったが、向正面で捲って先頭へ。そのまままんまと粘り込んで重賞初制覇を果たした。近年稀に見る“向正面捲りキャラ”なので、自分の形に持ち込めるかどうかがカギだが、一発の魅力は秘めている。

馬券は2頭の単勝と、2頭から他の重賞勝ち馬への馬連流しが本線だ。3連複はフォーメーション。1列目と2列目にピコチャンブラックとファウストラーゼンとクロワデュノール、3列目に他の重賞勝ち馬を配した13点で勝負したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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