【青葉賞】上位人気、前走1着が堅実　ゲルチュタールが複勝率40％データに該当

2025/04/20 17:30

勝木淳

ⒸSPAIA

この記事のレース

テレビ東京杯青葉賞

GⅡ

4月26日(土)　東京11R

中4週になった青葉賞

青葉賞がダービーとつながらないのはなぜか。競馬界七不思議のひとつには様々な分析がなされてきた。中3週、同舞台でも展開などペースの違い、単純に出走馬のレベル差。どれも明確な決め手というわけではなく、複合的なものだが、今年から青葉賞が東京開幕週に繰り上がり、本番までの間隔が中4週に変わる。

されど1週なのか、たかが1週なのか。とにかく中3週は好走できない要素から消える。これがダービーに直結するきっかけになるか楽しみだ。

一方で、今年は各前哨戦の日程が繰り上げられ、トライアルと本番の関係に変化が生じた。しかし、高松宮記念は年明け初戦のサトノレーヴ、桜花賞はクイーンC経由のエンブロイダリーが勝利。特に桜花賞は2着アルマヴェローチェが年明け初戦、3着リンクスティップがきさらぎ賞経由で、日程が変わった主要トライアル組ではフィリーズレビュー2着チェルビアットの6着が最高だった。

1週間の繰り上げがもたらす変化は限定的かもしれないが、それでも動かさないよりはいい。青葉賞の中4週もいつかダービーにつながると信じたい。ここからは過去10年分のデータを使用して今年の青葉賞を展望する。

人気別成績,ⒸSPAIA

1番人気【3-2-3-2】勝率30.0%、複勝率80.0%をはじめ、6番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%までは大差なく、上位6頭による激戦が多い。抜けた馬は当然、皐月賞へ出走するので、青葉賞は最上ランクの下に位置する上を狙うライバルたちがひしめく。力量接近の一戦であり、人気だけでは買えない。

ところが、7番人気以下は確率がガクンと下がる。さすがに舞台はチャンピオンコース東京芝2400mであり、展開を味方につけた人気薄の一発はさほど期待できない。

良血ゲルチュタールの一発

人気の中心は昇級戦のエネルジコ、アマキヒあたりか。重賞通用のガルダイアも実力的にはそん色ない。

前走着順別成績,ⒸSPAIA

単純に着順別成績をみても、傾向は割とくっきり出る。前走1着が【8-5-8-49】勝率11.4%、複勝率30.0%と一歩リード。負けた場合でも2～4着【1-5-2-39】、5着以下【1-0-0-40】。前走クラスに関係なく、5着以下に敗れた場合、青葉賞でのダービー出走権獲得は極めて難しい。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA
前走重賞・着順別成績,ⒸSPAIA

データ全体の着順傾向を頭に入れたうえで、前走クラスをみる。前走重賞は【3-3-1-30】。その着順傾向も当然、4着以内【2-3-1-9】と重賞好走は素直に信用していい。

毎日杯2着ガルダイア、スプリングS4着マテンロウバローズが圏内で、スプリングS5着スワローシチーはデータ上、少々厳しいか。

前走1勝クラス・距離別成績,ⒸSPAIA

前走1勝クラス【6-6-7-66】勝率7.1%、複勝率22.4%は重賞よりシビアで、1着【6-5-7-29】勝率12.8%、複勝率38.3%、2着【0-1-0-11】、3着以下【0-0-0-26】。前走2勝目をあげたことが条件になる。

これを距離別でみると、同距離【4-3-3-15】勝率16.0%、複勝率40.0%に対し、2400m未満から今回延長【2-3-4-51】勝率3.3%、複勝率15.0%と同距離にアドバンテージがある。

前走2400m・1着は【4-2-3-8】勝率23.5%、複勝率52.9%と好走確率がグンとあがる。該当するのがゆきやなぎ賞1着ゲルチュタール。母の母キラーグレイシスなので、近親にGⅠ勝ち馬キラーアビリティがいる良血だ。

距離延長では2200m・1着【2-3-2-9】勝率12.5%、複勝率43.8%だけは買えるが、今年は該当馬なし。

これ以外は1800m【0-0-0-10】、2000m【0-0-1-12】とふるわない。セントポーリア賞1着エネルジコ、2000mの平場を勝ったアマキヒは人気サイドであっても、評価しづらい。

《ライタープロフィール》
勝木淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』（中央競馬ピーアール・センター）にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『オルフェーヴル伝説　世界を驚かせた金色の暴君』（星海社新書）に寄稿。