【CBC賞】4歳不振で中心は5、6歳馬 本命は前走からの巻き返しを狙うヨシノイースター
高橋楓
ⒸSPAIA
5、6歳馬が好成績
仕事柄、全国のホテルをまわることが多いのだが、楽しみにしているのがホテルの朝食。先日は名古屋にて赤だしを食したのだが、愛知県に長く住んでいた人間にとっては妙に安心する味だった。日本において味噌は千差万別。全く違った味を楽しめる。
今回はそんな私にとって馴染み深い愛知県にある中京競馬場で開催される、CBC賞を予想していく。過去10年で中京、小倉、阪神と全く違うコースで施行された難解なレースを過去10年データをもとに予想してみたい。
かつて冬に開催されていた時期はリキアイタイカン、サニングデール、シーイズトウショウ、シンボリグランなどの3歳馬が好走していた。しかし、2006年に夏開催になってからは古馬がさすがに力の差を見せ、特に2012年以降は5、6歳馬が活躍している。
昨年、久々に3歳馬テイエムスパーダが3勝クラスの身ながら48kgの軽ハンデを活かし勝利したが、それ以外は5歳馬が7勝、6歳馬が2勝と圧倒的な成績を残している。
3歳[1-1-1-12]
4歳[0-1-1-17]
5歳[7-5-4-32]
6歳[2-2-4-41]
7歳以上[0-1-0-23]
意外なのが過去10年で4歳馬が不調な点。単勝一桁人気の上位馬や、1番人気に支持された年もあるが、2020年クリノガウディー(1番人気12着)、2018年ダイメイフジ(1番人気11着)と結果がでていない。最後に馬券に絡んだのが2013年の2着ハクサンムーン、3着サドンストームまで遡る。上位人気が予想されるマッドクール、エイシンスポッター、連覇を狙うテイエムスパーダなどにとっては嫌なデータだ。
また7歳以上は上位人気に支持されるケースが少なく、馬券に絡んだのは2019年の7番人気アレスバローズの2着のみ。勢いのあるスプリンターに押され気味だ。となると、出走予定馬14頭のうち、5、6歳馬から妙味のある馬を見つけたい。
【出走予定の5、6歳馬】
・アビエルト
・サンライズオネスト
・ストーンリッジ
・スマートクラージュ
・ディヴィナシオン
・ヨシノイースター
前走クラスは不問 GⅠ組ですら勝ち馬ゼロ
次に前走クラス別成績を見てみたい。
GⅠ[0-3-3-19]
GⅡ[2-2-1-8]
GⅢ[0-1-0-5]
重賞[0-0-0-4]
OP・L[5-2-3-72]
条件戦[3-2-2-12]
※海外[0-0-1-0]、地方[0-0-0-3](障害戦除く)
過去10年で前走GⅠ組は0勝。高松宮記念から転戦してきた馬ですら[0-2-3-12]と勝ち馬がでていない。
前走GⅡ組からは昨年スプリントの上位クラスで健闘してきたトゥラヴェスーラが出走予定だが、すでに8歳。GⅢ組は2020年の阪急杯16着から巻き返したアンヴァルしか馬券に絡んでいない。函館スプリントS組は人気馬の出走歴がないとはいえ[0-0-0-3]と苦戦傾向。また、条件戦組から馬券圏内にきたのは、前走1着か1番人気だった馬で、今回は該当馬がいない。
となると狙いはOP・L組となる。同クラスの主なレース成績を詳しくみていく。
安土城S[2-1-1-20]
鞍馬S[1-0-2-15]
韋駄天S[1-0-0-10]
欅S[1-0-0-0]
春雷S[0-1-0-5]
安土城S組で前走馬券圏外から巻き返したのは、2017年セカンドテーブル10着→CBC賞2着のみ。逆に鞍馬S組から馬券に絡んだのは、前走馬券圏外だった馬のみと両極端な傾向になっている。
ここまでみると、鞍馬Sで4着だったヨシノイースターが浮上してくる。
中京巧者を探せ!
最後にリニューアル後の2012年3月以降の中京芝1200mの騎手と種牡馬成績をみて、予想のヒント探っていく。
幸英明[14-9-11-86]
藤岡康太[13-12-14-80]
川田将雅[12-7-5-29]
武豊[10-3-3-62]
今年騎乗予定の中で特筆すべきはディヴィナシオンに騎乗予定の川田将雅騎手。勝率22.6%、連対率35.8%、複勝率45.3%とハイアベレージを記録している。特にディヴィナシオンはこれまで[4-8-3-27]の成績だが、川田騎手とコンビを組んだときは[3-1-1-2]と好走しているだけに軽視できない。
種牡馬成績は以下の様になる。
ロードカナロア[21-9-11-105]
ディープインパクト[16-20-7-110]
サクラバクシンオー[13-7-8-87]
ダイワメジャー[12-19-13-162]
やはりロードカナロア、ダイワメジャーのスピード力ある産駒の活躍が目立つ。今年はダイワメジャー産駒のサンライズオネストが出走予定。昨年の阪急杯とセントウルSで3着の実績馬だ。前走は1400mで崩れたが、1200m戦の今回は巻き返してくるだろう。
勝ち切れないレースも目立つが、ディープインパクト産駒も2位と健闘している。こちらも今回はストーンリッジとスマートクラージュの2頭が出走予定。スマートクラージュは同コースでの勝ち鞍もあり注目だ。
前走鞍馬S組を上位評価
本命はヨシノイースターとする。近7走全て1番人気に支持されている実力馬だ。いつもは先団にとりつくようなレースが多いが、前走はスタートで後手を踏み最後方からのレースとなり、不完全燃焼の4着だった。
しかし、前述したように鞍馬S組は馬券圏外からの逆襲が多く、また近年好成績の5歳馬。富田暁騎手とは[2-1-0-1]と好成績も残しているだけに期待したい。唯一の不安はルーラーシップ産駒がリニューアル後の当該コースで[1-4-1-19]とわずか1勝にとどまっている点か。
対抗はスマートクラージュ。昨年のオーシャンSではナランフレグ、ジャンダルムをおさえて1番人気に支持された馬。また当該コースで好成績を残すディープインパクト産駒で、今回は京阪杯3着時に騎乗していた岩田望来騎手が騎乗予定。実力はここに入っても見劣りしない。
3番手は函館スプリントS組の不振には目をつむり、川田将雅騎手と好相性のディヴィナシオンとする。
以下、連下に不調の4歳勢とは言え、ここまで複勝率100%のマッドクールを押さえておく。
◎ヨシノイースター
〇スマートクラージュ
▲ディヴィナシオン
△マッドクール
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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