【シンザン記念】少頭数なら前めからの上がり勝負 京大競馬研の本命はライトクオンタム

京都大学競馬研究会

シンザン記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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39年ぶり、7頭立てのシンザン記念

1月8日(日)に中京競馬場でシンザン記念(GⅢ)が行われる。ディープインパクトのラストクロップであるライトクオンタムや、芝1800mで勝ち上がったトーホウガレオンなど7頭で競う。1週前には16頭の登録があったが、1勝クラスやジュニアCにかなりの頭数が流れた。

シンザン記念が7頭立てになるのは1983年以来のこと。当時の勝ち馬はミスターシービー世代、皐月賞・ダービーともに2着に好走したメジロモンスニーだ。今年の出走馬からメジロモンスニー並の活躍馬は出てくるだろうか。少頭数のレースに共通するデータを用いて好走馬をあぶり出す。


少頭数ならほとんどがスローの上がり勝負 先行力必須で末脚鋭ければGⅠでも

過去10年の9頭立て以下かつ2000m以下の3歳重賞(良馬場)						
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少頭数では枠順やローテーション別の成績といったデータは使いづらい。今回は過去10年の9頭立て以下、なおかつ2000m以下の3歳重賞の共通点を調べた。また、今週の中京は晴れ予報であるため、良馬場のレースに絞って調査し、対象は全部で9レースあった。

驚くことに9レースの勝ち馬の内5頭が後にGⅠ馬になっており、4着以下からGⅠ馬は現れていない。またGⅠ馬になった5頭中4頭は2番人気以内、残りの1頭も僅差の3番人気で前評判が高いことも今後の活躍のためには重要になってくる。

レース内容に共通していることは、勝ち馬9頭中8頭が4角4番手以内と先行力のある馬だったことだ。逃げ馬は一頭もおらず、ここまでのレースで勉強したことを発揮し、折り合いをつけないと重賞では通用しない。また9レース全てで前半3ハロンより後半3ハロンのラップタイムの方が速く、最後に速い上がりを使えることも必要になっている。今回と同じ7頭立てでの施行となった2019年共同通信杯は前半37.1、後半33.3とその差3.8もある超スローペース。9レース中唯一マイル重賞の2019年クイーンCは前半36.6、後半33.8とこちらも純然たる上がり勝負になっていた。

中京芝1600mは東京芝1600m、1800mと同じワンターン左回りのコースであることから、今取り上げた2レースの傾向に近いレースになると予想される。前で競馬を運ぶことを前提に、速い上がりの使える馬を選んでいきたい。


例年なら消し、少頭数が追い風

◎ライトクオンタム
新馬戦は自らペースを握って、後ろも突き放しての完勝。横から揉まれるでもなく楽に走っており、今後につながる新馬戦とは思えなかったものの、手応えには余裕があった。今回のような少頭数の上がり勝負は血統からも歓迎だろう。例年通り多頭数のシンザン記念であれば間違いなく消していた馬だが、ライバルが自ら勝負を降りたこの状況をものにしたい。控える競馬自体は特に問題なさそうだ。ここで味のある競馬が出来ればGⅠ制覇を見据えることが出来るが、真価は次走以降、多頭数の重賞で問われる。

◯トーホウガレオン
1800m、2000mといった中距離を使っての勝ち上がり。2着が多かったが、勝ち馬はオープンでも活躍しており相手が強かった。逃げることなく前に馬を置いて折り合いに専念、4戦かけて教育を積んでおり、筆者としては陣営が今後の大成のため競馬の幅を広げている点に大変好感が持てる。しかし負けた3走は全て完敗、この馬も◎同様、多頭数の重賞であればいきなり走るイメージは湧かなかった。距離短縮で良さが出ることに期待だが、詰めの甘さはいきなり抜けることはなく、2番手まで。また、福永騎手が今年のクラシックに乗れないため今後も気になる。

▲サンライズピース
万両賞は届かない位置から内を伸びて0.2秒差の5着、末脚の鋭さはメンバー中上位であるため、今回いつもより前で頑張ることができれば上位進出が十分あり得る穴馬。マイルも合っており、スローの上がり勝負でこそ輝く。ただ、後ろ過ぎるのはご勘弁だ。

消ペースセッティング
万両賞は前で伸びたが2着まで。未勝利戦では1200mで3連勝を決めたビッグシーザーを軽く破っており、適正距離は1200mだろう。スローの末脚だけ使うレース内容であれば誤魔化せるかもしれないが、1400mの展開利をものに出来なかった前走を見る限り、距離延長は大幅マイナス。この馬が好走すると全く配当が期待できなくなるため、切って点数を絞った方が良い。

馬券はライトクオンタム1着固定から印2頭の三連単2点を推奨する。(文:福山)

シンザン記念 予想印
◎ライトクオンタム
◯トーホウガレオン
▲サンライズピース

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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