【シンザン記念】ライトクオンタムら「新馬逃げ切り」に厳しいデータ 強敵に揉まれたトーホウガレオンを重視

SPAIA編集部

2022年シンザン記念に関するデータ,ⒸSPAIA

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三冠馬に縁のあるレース

2023年1月8日に中京競馬場で行われるシンザン記念。京都競馬場の改修に伴う代替開催も今年で3年目。そして、来年からはまた京都に戻る予定となっている。

シンザンといえば1964年のクラシック三冠馬。それと関係があるかは分からないが、シンザン記念の連対馬からは、2011年2着オルフェーヴル、2012年1着ジェンティルドンナ、2018年1着アーモンドアイといった三冠(牝)馬が出ている。正月競馬を象徴する、ゲンのいいレースと言える。今年は7頭の少数精鋭。京都開催を含めた過去10年のデータから傾向を探っていこう。

1番人気受難?

シンザン記念の人気別成績,ⒸSPAIA



まず人気別成績だが、1番人気は【3-0-1-6】。直近4年はいずれも4着以下に敗れており、最後の勝利はアーモンドアイ。そもそも馬券に絡んだ4頭は、ほかにエーシントップ、ミッキーアイル、ペルシアンナイトという面々。3頭はのちのGⅠ馬というラインナップであり、前評判に応えるハードルは意外に高い。

2番人気【2-3-2-3】は好調、3番人気【0-0-3-7】は連対がなく、4番人気【3-1-1-5】はこれまた好成績。6番人気【0-0-0-10】だが、7~9番人気【2-4-1-23】は単複ともに回収率100%超。中穴まではいいが、10番人気以下【0-1-1-45】までいくと、さすがに苦戦傾向。もっとも、今年は頭数的にここは関係なし。

シンザン記念の性別成績,ⒸSPAIA



続いて性別。同週に同じくマイルの3歳牝馬重賞・フェアリーSがあるにもかかわらず、年に2~3頭ぐらいの割合で牝馬が出走してくるのがこのレースの特徴。単にフェアリーSを除外でこちら、というケースもあるが、厩舎や牧場の期待馬がなるべく紛れのないコースを求めて出走してくるパターンもある。

牡馬【8-8-10-89】に対し、牝馬【2-2-0-17】は率で言うとほぼ互角。ただ、前記のような事情もあってか牝馬は評判馬が多い(=平均人気が高い)ため、回収率は単33%、複41%と振るわない。近3年で敗れた1番人気はいずれも牝馬だった。

シンザン記念の前走距離別成績,ⒸSPAIA



前走の距離に注目すると、1600m【7-9-5-51】複勝率29.2%、1800m【1-1-2-5】同44.4%がホットゾーン。それ以外は【2-0-3-51】で回収率も低調。距離が変動するのは望ましくない、ただし層の厚い1800mを戦ってきた馬は強い、と頭に入れておきたい。阪神芝1800mの未勝利戦を制したトーホウガレオンは、ここまで2着、2着、2着、1着という成績。負けた相手もアリスヴェリテやチャンスザローザスなど粒ぞろい。こちらも重賞で即通用の力はありそうだ。

シンザン記念の前走クラス別成績,ⒸSPAIA



クラス別では、前走OP・L(グレードなしの「重賞」含む)は【0-0-0-5】だが、それを除けば上級のレースに出ていた馬が順当に好成績。しかし穴をよく開けているのは1勝クラス組で、その1勝クラスを勝っての参戦なら【2-3-3-9】複勝率43.8%。ただ今年は該当馬なし。2~5着は【3-1-0-15】と及第点。6着以下だと【0-0-0-8】。

前走GⅠ組の出走例はいずれも朝日杯FSから。18頭で1勝、勝率5.6%だから物足りない気もするが、賞金加算に成功していればわざわざここには出てこないわけで、必然的にこの組はGⅠの壁に跳ね返された勢力となる。そう考えれば仕方ないことだろう。

実際、18例は全て朝日杯3着以下。3~8着なら【1-2-2-5】複勝率50.0%と反撃可能だが、こちらも該当馬なし。9着以下なら【0-0-1-7】と難しい。今年は13着馬スズカダブルが唯一の朝日杯組。データ通りなら厳しいが、1勝クラス勝ち馬も朝日杯FSの中~上位馬もいないやや手薄なメンバーなら、完全にナシとも言えないか。

上位人気勢に不安?

ここからは上位人気になりそうな馬の戦績を眺めていこう。

まずは新馬戦を快勝したディープインパクト産駒ライトクオンタム。スローペースで押し出されるようにハナに立ち、直線もラスト200mまでほぼ持ったまま。軽く追われただけで2着に2馬身半、3着以下に6馬身の差をつける内容だった。

懸念点としては、前に馬を置いて我慢する経験を積めなかったこと。前走逃げだった馬は【1-0-1-17】、特に新馬・未勝利戦を逃げ切ってきた馬は【0-0-0-10】と全滅している。武豊騎手ということで差す形をとってきそうな予感もするが、一発で対応できるかは未知数だ。クファシルについても同様のデータに引っかかる。

ペースセッティングは万両賞2着からの距離延長。前走が1勝クラス1400m戦で3着以内に入っていた馬は【2-0-1-3】で悪くはない。中京で代替された近2年の優勝馬ピクシーナイト、マテンロウオリオンはどちらもこのパターンだった。ペースセッティング自身はあまり距離が延びていいタイプには見えないが、中京芝1600mは内目の好位を争う“イス取りゲーム”的な側面も強いコースで、スプリント適性を先行力に転化させれば通用してもいい。

同じく万両賞組からは5着サンライズピースも登録がある。前走1勝クラスで上がり最速をマークした馬は【4-1-1-5】連対率45.5%、単回収率474%。新馬戦は1800mで勝利、1400mでは後手に回って差し届かず。マイルの重賞で一発あっても不思議ない。穴ならこの馬ではないか。

2023年シンザン記念のデータインフォグラフィック,ⒸSPAIA



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