【毎日王冠】エエヤン、エルトンバローズは消し シュネルマイスター、ソングラインらは消去データ見当たらず
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週のスプリンターズSではメイケイエールを推奨したが、5着と馬券圏内に一歩及ばず。同じく凡走条件に該当しなかったキミワクイーンも展開が向かず10着惨敗と、悔しい結果になった。
今週は10月8日に東京競馬場で行われる毎日王冠(GⅡ)を予想する。今回は特別登録のあった13頭を対象に、過去10年(2013~2022年)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走非重賞』×『前走上がり2位以下』 ★0.0%★
当レースはGⅠを見据えた一線級が集うレースであり、前走で重賞レース以外を使っていた馬の成績は【0-0-1-11】(複勝率8.3%)と低調だ。さらにこれを前走上がり2位以下に限定すると【0-0-0-7】(同0.0%)と全く好走できておらず、今回はこのデータを絞り込みに用いる。
今年は、残念ながら非重賞からの転戦馬に、前走で上がり最速をマークした馬は1頭もいない。該当した3頭はいずれも前走で敗れていることもあり、当レースへの挑戦は荷が重いとみて消去する。
【今年の該当馬】
・アドマイヤハダル
・キングストンボーイ
・ノースザワールド
『前走GⅢ』×『前走右回り』 ★0.0%★
前走でGⅢを使った馬は【2-4-5-33】(複勝率25.0%)と良好だが、この好走例は全てエプソムCや関屋記念などの左回りコースからの転戦馬が占めている。
前走で右回りコースを走っていた馬は【0-0-0-12】(同0.0%)と1頭も好走できておらず、この組にはグランデッツァ(14年2番人気5着)、アンビシャス(15年2番人気6着)といった人気馬も含まれていた。
このデータには3連勝で3歳限定重賞のラジオNIKKEI賞を制したエルトンバローズら3頭が該当。同じくラジオNIKKEI賞をトップハンデながら3馬身半差で快勝したアンビシャスも敗れていることを考えると、古馬の壁をはねのけることは簡単ではない。ここでは通用しないと判断して消去リストに加える。
【今年の該当馬】
・エルトンバローズ
・デュガ
・フェーングロッテン
『前走GⅠ』×『6歳以上』 ★6.7%★
当レースは天皇賞(秋)やマイルCSへと繋がる一戦であり、春のGⅠを戦った馬が秋の始動戦として出走してくるケースも多い。当然ながらGⅠからの転戦組には能力の高い馬が多く、前哨戦でありながら【5-5-3-32】(複勝率28.9%)と好成績を収めている。
しかし、これを年齢別に区切ると、3~5歳が【5-4-3-18】(同40.0%)と高水準であるのに対して、6歳以上の馬は【0-1-0-14】(同6.7%)と極端に成績が落ち込んでいる。ピークアウトしていても不思議はない6歳以上の馬は、前走GⅠ組であっても過度な期待はできない。
【今年の該当馬】
・ウインカーネリアン
『前走8着以下』×『前走初角7番手以下』 ★8.7%★
前走で1~3着に好走していた馬の成績が【8-6-6-28】(複勝率41.7%)と抜群。一方で前走8着以下に凡走していた馬は【1-2-1-36】(同10.0%)と苦戦傾向にある。この「前走8着以下」の馬のうち「前走初角7番手以下」で絞り込むと、成績は【0-1-1-21】(同8.7%)とさらに落ち込む。
このデータには新たにエエヤンが該当。スピードの持続力が持ち味の馬であり、直線での瞬発力が要求される府中1800mに適性があるとは思えない。データに従い消去しても問題ないと判断する。
【今年の該当馬】
・エエヤン
・(デュガ)
・(フェーングロッテン)
『前走2000~2200m』×『父が日本ダービー馬以外』 ★9.5%★
最後は前走の距離と血統の2つのデータを掛け合わせる。前走で2000~2200mを使っていた馬は【2-2-3-36】(複勝率16.3%)となっており、1600、1800、2400mを使っていた馬と比べて低調だ。
この組の好走馬7頭のうち5頭は父がジャングルポケット、ディープインパクトといった日本ダービーを制した馬であり、日本ダービー馬以外の産駒に限ると成績は【1-0-1-19】(同9.5%)と落ち込む。
ここまでに残っている5頭のなかなら、バラジとバビットの2頭がこのデータに該当している。バラジは距離、バビットは長期休養明けとそれぞれ不安要素を抱えているだけに、新たに消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・バビット
・バラジ
・(フェーングロッテン)
全ての条件を終えて凡走データに該当しなかったのはジャスティンカフェ、シュネルマイスター、ソングラインの3頭。上位人気濃厚の馬だけが残ったが、当レースは1番人気馬が5年連続で勝利しているように堅い決着が多い。エプソムCや安田記念といった府中開催の重賞からの転戦馬と相性が良く、そこで好走を果たしている3頭を順当に評価したい。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、より「予想」にフォーカスした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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