【札幌記念】スピードの持続力を武器に連覇へ 東大HCの本命はジャックドール

東大ホースメンクラブ

札幌記念脚質別成績(過去9年),ⒸSPAIA

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真夏の大一番

今週日曜日、札幌競馬場でGⅡ・札幌記念が行われる。昨年の覇者ジャックドール、ダービー馬シャフリヤール、香港ヴァーズを制したウインマリリンと3頭のGⅠホースを含む13頭の重賞馬が集結。今年も「スーパーGⅡ」と呼ばれるにふさわしいレースになりそうだ。

果たしてどの馬が勝利を掴み取り秋シーズンへと繋げるか、楽しみに見届けたい。なお、13年は函館で開催だったため、今週は過去9年分のデータを用いて検討する。


カギは持続力

札幌記念の脚質別成績(過去9年),ⒸSPAIA


<過去9年の札幌記念・脚質別成績>
逃げ【2-1-0-8】勝率18.2%/連対率27.3%/複勝率27.3%
先行【2-1-4-25】勝率6.3%/連対率9.4%/複勝率21.9%
差し【4-4-3-33】勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率25.0%
追込【0-2-2-34】勝率0.0%/連対率5.3%/複勝率10.5%
※マクリ【1-1-0-1】

札幌芝コースはペースが緩みにくく、スピードの持続力が求められる舞台である。そのため、底力に欠ける逃げ先行馬は脱落していく。直線の短い札幌コースにもかかわらず、データで見ても差し馬の好走率が逃げ先行馬に比肩する。

その点、ジャックドールの昨年の内容は価値が高い。前半5Fが59秒5、後半5Fが61秒7と2秒以上の差があり、勝ちタイム(2分1秒2)も9年で2番目の遅さだった。完全な消耗戦を番手から進め、パンサラッサとの競り合いに打ち勝った内容は、かなりの底力を示したと言っていい。今回も信頼したい。

中団から進めた馬は、上がり3Fが3位以内なら【3-4-3-5】で勝率20.0%、複勝率66.7%と素晴らしい成績。末脚を引き出せればしっかり上位まで届いている。

ただし追込馬になると複勝率が10%まで落ち込む。4角10番手以下から馬券に絡んだ馬は、18年の2着マカヒキ、3着モズカッチャン以来出ていない。道中のポジションが後ろ過ぎれば厳しい戦いを強いられることは頭に入れておきたい。


連覇に期待大

◎ジャックドール
スピードの持続力の高さを信頼して本命視する。前走の安田記念は5着も、勝ち馬ソングラインからは0秒3差。初のマイルかつ差し決着だったことも考慮すれば、むしろ高い地力を示したレースだったと言える。

デビューから大阪杯まで一貫して走ってきた芝2000m、かつ昨年勝った舞台に戻ってきたのはプラス。また、前走安田記念組は【2-2-1-4】複勝率55.6%と、データも後押しする。引き続き騎乗する武豊騎手は、大阪杯で絶妙なペースを作り出してこの馬に初GⅠ制覇をもたらした立役者。札幌記念も通算【8-1-1-2】と好相性の重賞であり、是非とも連覇に導いてほしいところだ。

◯ウインマリリン
昨年の札幌記念は道中3番手を進み、2着パンサラッサからは1馬身半離されたが3着を死守。持続力の高さを示した。香港ヴァーズでは大外から末脚を爆発させ、グローリーヴェイズらを一気に差し切りGⅠ初制覇。自在性も身につけた。さらに成長した今年、再度の好走に期待したい。

▲シャフリヤール
昨年のジャパンCでは終始外を回されながらも、4角12番手から上がり最速の脚を使い、鋭く追い込んで3/4馬身差の2着に入った。これまで掲示板外に敗れたことがなく、実績上位であることは間違いない。差し馬から選ぶとすればまずこの馬だろう。ただし2000m以下のレースで馬券に絡んだのは3歳時の毎日杯が最後で、初の札幌コースへの適応力も未知数。ここは▲印にとどめる。

以下、ヒシイグアス、ダノンベルーガ、プログノーシスまで印を回す。プログノーシスは末脚こそ超一級品だが、後方一辺倒の脚質を考慮して押さえまで。馬券は◎の単勝1点で勝負する。

▽札幌記念予想▽
◎ジャックドール
◯ウインマリリン
▲シャフリヤール
△ヒシイグアス
×ダノンベルーガ
×プログノーシス

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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