【札幌記念】ダノンベルーガは消し トップナイフなど横山一家騎乗馬がハイブリッド式消去法を全回避

八木遊

過去10年の札幌記念『前走GⅡ以下』かつ『前走4角3番手以内』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週は夏コクの名物ハンデ重賞『小倉記念』を予想した。大穴候補としてレヴェッツァの名前を挙げたが、斤量に恵まれたとはいえ、さすがに重賞では荷が重かったのか7着に敗れた。

今週は20日に札幌競馬場で行われる「スーパーGⅡ」の札幌記念を予想する。今回は函館で開催された2013年を除く過去10回(12年&14~22年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。


『前走GⅡ以下』×『前走4角3番手以内』★0.0%★

札幌記念では前走GⅠ組(海外のレースを含める)が【5-8-8-32】(複勝率39.6%)と圧倒的な成績を残している。一方で前走GⅡ以下だと【5-2-2-81】(同10.0%)。中でも前走で4角を3番手以内で通過していた馬は33頭すべてが4着以下に沈んでいた。まずはこの組み合わせを取り上げたい。

以下の3頭がこの条件に当てはまった。ソーヴァリアントはC.ルメール騎手が引き続き手綱を取るが、近2走の惨敗ぶりを見る限り、GⅠレベルのメンバーがそろった今回は巻き返しは厳しいとみる。

【今年の該当馬】
・ソーヴァリアント
・ヤマニンサルバム
・ユニコーンライオン


『前走右回り』×『キャリア26戦以上』★2.7%★

続いては前走コースに注目。ここでは札幌と同じ右回りコースを走っていた馬を取り上げたい。過去10回の成績は【4-5-6-87】(複勝率14.7%)で、複勝率は前走左回り(【6-5-4-26】複勝率36.6%)の半分以下。特に苦戦していたのはキャリアを重ねた馬で、キャリア26戦以上は【0-1-0-36】(同2.7%)という成績が残っている。

この条件に当てはまったのは、以下の3頭。ユニコーンライオンは1つ目のデータですでに消去済みのため、新たにアフリカンゴールドとイズジョーノキセキの2頭を消去リストに追加する。

【今年の該当馬】
・アフリカンゴールド
・イズジョーノキセキ
・(ユニコーンライオン)


『前走ハンデ戦』×『前走と斤量の増減1kg以内』★4.9%★

続いては前走でハンデ戦のレースを走っていた馬をピックアップ。過去10回の成績は【3-2-1-50】(複勝率10.7%)とかなり苦戦していた。特に前走との斤量比が増減1kg以内の馬は【1-1-0-39】(同4.9%)と凡走する確率が高かった。3つ目の条件としてこの組み合わせを採用する。

この条件に当てはまったのはウインマイティーとユニコーンライオンの2頭。父がゴールドシップのウインマイティーはいかにも洋芝適性がありそうだが、今回はメンバーレベルも鑑みて消去する。

【今年の該当馬】
・ウインマイティー
・(ユニコーンライオン)


『関東馬』×『サンデーサイレンス系(ディープインパクト系を除く)』★8.7%★

4つ目は東西別データから過去10回で【5-2-4-47】(複勝率19.0%)の関東馬を取り上げたい。これに掛け合わせるのは血統データだ。今回は父ディープインパクト系を除くサンデーサイレンス系を抽出した。この組み合わせは、過去10回で23頭が出走し、【1-1-0-21】(同8.7%)。連対した馬は2頭いるものの、複勝率が10%を割り込んでいるため、このデータを採用したい。

以下の3頭がこの条件に当てはまった。すでに消去済みのソーヴァリアントの他、どちらもハーツクライ産駒の関東馬ダノンベルーガとヒシイグアスを消去する。

【今年の該当馬】
・(ソーヴァリアント)
・ダノンベルーガ
・ヒシイグアス


『前走と同距離』×『今回馬番8番から外』★2.9%★

4つの条件を終えて15頭中8頭を消去した。残る7頭を、前走距離と今回の枠順を掛け合わせた条件で絞り込む。取り上げるのは「前走で今回と同じ2000mを走り、かつ札幌記念で馬番が8番から外に入った馬」。この組み合わせは過去10回で34頭いたが、16年に5番人気で優勝したネオリアリズム以外の33頭は4着以下に敗れていた。【1-0-0-33】(複勝率2.9%)

残っている7頭のうち、前走で2000mの距離を走っていたのはプログノーシスとラーグルフの2頭。8番から外の馬番を引いた場合、消去対象となる。

【今年の該当候補】
・プログノーシス
・ラーグルフ

全ての条件を終えて残ったのは、ウインマリリン、シャフリヤール、ジャックドール、トップナイフ、マテンロウレオの5頭となった。注目は唯一の3歳馬トップナイフ。同コースでの勝利経験もあり、横山和生騎手との再コンビもプラスに出るとみる。また、弟の武史騎手(シャフリヤール)と父・典弘騎手(マテンロウレオ)も消去を免れており、横山一家の上位独占を密かに期待したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は27.2%(8月13日現在)。

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