【2歳馬ジャッジ】ダリア賞はベルウッドブラボーが勝利 今年の2歳戦線はキャリアを積んだ馬が優勢な流れ
山崎エリカ
ⒸSPAIA
目指せ「2歳戦で大儲け」
このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は新潟でフォラブリューテが4馬身差勝ち、函館ではダークエクリプスが好内容で勝利した8月7日、8月8日の2歳戦について指数と評価を掲載する。
※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで
8月7日(土) 新潟1R 優勝馬 ロードリライアブル 指数-3 評価B
芝中距離の新馬戦で2着だった馬が3頭出走し、なかなか出走馬の質は高かった未勝利戦。その中で新馬戦の内容が一番強いと思われたミヤコプレジールは出遅れて最後方から。ところが向正面から一気に脚を使って先頭に立つ競馬。この選択が完全に裏目に出て、最後に失速して2着。いくらペースが遅かったとはいえ、まだスタミナがしっかりとついていない、キャリア2戦目の馬には厳しすぎる競馬。これはデムーロ騎手の判断ミスだろう。
一方、勝利したロードリライアブルは初戦では逃げて2着だった馬だが、今回はしっかり折り合って勝利した。この時期の2歳馬はしっかりキャリアを積むことが、その後に有利となることが多い。3着のウロボンも含む上位3頭には、良い経験となった一戦だった。
8月7日(土) 新潟2R 優勝馬 ルージュラテール 指数-5 評価B
ルージュラテールは評判馬ダノンスコーピオンが勝利した新馬戦で2着だった馬。2番手から直線で早め先頭に立って2着の内容は、勝ち馬よりも明確に強かっただけに、メンバー弱化のここではどんな勝ち方をするかが注目点だった。
レースはやや出遅れたが、スムーズに加速して好位に取りつき、直線では前を行く馬を目標に抜け出して快勝。指数もこの時期の未勝利戦としては良い部類のものを記録。今回は期待ほど強い勝ち方だったとは言えないが、キャリアを積みながらもう一段階強くなることに期待したい。
8月7日(土) 新潟5R 優勝馬 フォラブリューテ 指数-4 評価A
中団で脚をタメ直線で外に出して前が開くと、そこからしっかりと伸びて2着馬に4馬身差をつけての圧勝だったフォラブリューテ。上がり3Fタイムも33秒0と悪くない。ラスト2Fは11秒1秒-11秒4。最後の減速は少ない部類だが、直線でややヨレていたあたり、そこまで余裕はなかったのかもしれない。今後の成長次第では楽しみな馬と言える。
8月7日(土) 新潟6R 優勝馬 ビヨンドザファザー 指数-6(ダート) 評価B
道中は中団、あまり良い手応えの追走ではなかったビヨンドザファザーだが、少しずつポジションを上げ、4角ではムチを連打。そこからジワジワ伸びて、2着馬に5馬身差をつけて圧勝した。かなり直線ではフラフラしていたが、ラスト2Fは13秒3-13秒2と最後までしっかり加速しながら勝利したことは高く評価できる。
ダート新馬戦で最後まで加速して勝利することは、芝でのそれと比較した場合、後の活躍度合いの確率は下がり、価値は下がる。しかしそれでも優秀であることは間違いない。今後の活躍に期待したい。
8月7日(土) 新潟9R 優勝馬 ベルウッドブラボー 指数-9 評価B
新馬戦ではあの白毛馬ハイアムズビーチの3着で、前走は福島未勝利戦をかなり強い内容で勝利していたベルウッドブラボーがキャリアの豊富さを生かして勝利した。指数は現2歳世代では先に行われた、函館2歳Sのナムラリコリスと並びトップタイ。ただそれでも例年と比較した場合には、優秀とは言えない。
2着もこれがキャリア3戦目だったコムストックロード。新馬戦の内容が優秀だったタガノフィナーレは3着。最後にキャリアの差が出て負けた感があるだけに、次走折り合う競馬で上昇が期待される。
ここまで行われた今年の2歳新馬戦を例年の同時期と比較した場合、超優秀と評価できるレースは少なめだった。よってキャリアを順調に積んでいるタイプが、優位に立ちやすい流れになっている。ここから先の2歳重賞でも前走未勝利戦勝ち馬、キャリア豊富な馬には警戒したほうがいいだろう。
8月8日(日) 新潟5R 優勝馬 リブースト 指数-1 評価B
行きっぷりが悪く、最後方からの競馬になったリブースト。道中で少しずつポジションを上げ、直線では中目から進路を探しながら、狭いスペースをこじ開けて抜け出し、最後までよく伸びて勝利した。ラスト2Fは11秒5-11秒6。大型馬らしくビュンとしたキレは感じないが、最後までほぼ減速せずに伸びた点は評価できる。スタミナはかなりありそうだ。活躍する舞台を選びそうな感があるが、ここからの成長に期待したい。
8月8日(日) 新潟6R 優勝馬 ステルナティーア 指数-3 評価A
外枠から好スタートを切ったが、内の行きたい馬を行かせて中団外目を追走。直線でさらに外に出すとしっかり伸びて、2着馬に3馬身差をつけての快勝だったステルナティーア。上がり3Fタイムは32秒7。ラスト2Fは10秒5-11秒3。
全兄ステルヴィオの新馬戦と比較すると劣る感があるが、今回は走破タイムが平凡な一戦となったので消耗度は少なそう。よって順当に今後の上昇が期待できそうだ。また良血馬だけに、しっかりと成長していくだろう。なかなか将来が期待できる馬と見る。
8月7日(土) 函館1R 優勝馬 アスクワイルドモア 指数-3 評価B
新馬戦ではエクラノーブルに5馬身離されての2着だったアスクワイルドモア。前走未勝利戦でも2着し、キャリア3戦目となったここで初勝利となった。今回は前2走よりも前で戦えており、着実な進歩を感じるレースぶりだった。これならば次走オープンでも面白い存在になりそうだ。
この未勝利戦で意外だったのはリューベックが勝利した新馬戦で2着だったヒルノロワールが6着と大凡退したこと。外枠から勝ちに行く苦しい展開になったとは言え、負けすぎの感がある。ただリューベックの新馬戦で6着だったレディベルは、キャリア3戦目となった今回で3着に好走している。やはり今年の2歳戦線は、順調にキャリアを積んでいる馬が優勢の流れになっていくのだろうか。
8月7日(土) 函館5R 優勝馬 ヴィアドロローサ 指数-3 評価B
逃げ馬の外を並走する形でレースを進めたヴィアドロローサ。馬場状態を考慮するとハイペースの逃げ争いだったが、押し切って勝利した。走破タイムはなかなか優秀。4着以下は大きく離れており、指数もまずまず良い結果となった。今回は前から押し切った上位3頭が強かったという競馬。ただし、今回はかなりタフな競馬だっただけに、余力が残せたかというと微妙なところもある。
8月8日(日) 函館5R 優勝馬 ダークエクリプス 指数-2 評価AA
ダークエクリプスは好スタートを決めて一旦先頭に立ったが、外から前を主張してくる2頭に行かせて3番手の内。すぐに折り合ったあたり、レースセンスの高さを感じさせた。同馬はそのままロスなくレースを進め、直線を向くと前を行く馬の狭い間を割って、抜け出し勝利。
ラスト2Fは11秒8-11秒8と減速せず。11秒8という数字はそこまで高く評価できない面もあるが、やはり最後まで減速しなかったことは評価して良いだろう。兄のダノンパッションもなかなかの素質を秘めていた馬だったが、兄を追い越すことができるかが楽しみだ。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ベルウッドブラボーの指数「-9」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.9秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
《関連記事》
【2歳馬ジャッジ】一見地味だが光った内容 指数・評価ともにコマンドラインを超えてトップの馬は?
【2歳馬ジャッジ】怪物級の指数をマークしたポメランチェ 今後に向けての懸念点とは?
【2歳馬ジャッジ】6月は新馬一発でGⅠ級の馬は出現せず レッドベルアーム、ジオグリフの評価は?
おすすめ記事