【京成杯】「7番人気以内の1戦1勝馬」が鉄板 ソールオリエンスと同ローテ、バードウォッチャーが最有力
勝木淳
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7番人気までチャンスあり
ホープフルSを牝馬レガレイラが勝ち、さらに春は皐月賞をターゲットに進めることになった。牡馬の中心軸が極めて少ない図式は昨年のクラシック戦線と似たものを感じる。
昨年、第一冠皐月賞を奪取したソールオリエンスは京成杯から皐月賞を勝った。このローテーションでの勝利は、現在の1月中山芝2000mになった1999年以降、初のこととなる。クラシック開幕前、早い段階で出走に必要な賞金を加算し、ゆとりをもって本番を迎えるという組み立てが主流になった影響だろう。今年以降も前走京成杯は内容次第だが、皐月賞で軽視できない。データは過去10年分を使用する。
2歳時に実績を積んだ馬たちが春に備えるタイミングとあって、京成杯はまだ勢力図に入っていないメンバー同士が競う。そのため人気が非常に割れる。1番人気【3-3-1-3】勝率30.0%、複勝率70.0%が少し抜けてはいるが、7番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%まではどこからでも買える。上位7頭までチャンスがあり、決めつけてかかれない。一方8番人気以下は苦戦傾向で、10番人気以下【0-0-0-49】。大穴は期待できない。
混戦模様の象徴がキャリア別成績だ。キャリアが必要になりがちな中距離重賞ながら、1戦【4-1-3-11】勝率21.1%、複勝率42.1%と1戦1勝馬の活躍が目立つ。
新馬勝ちたての馬を横比較で序列に組み込むのは難しく、この辺が2~7番人気で好走するケースが目立つ。1番人気のキャリア1戦1勝も【1-1-0-0】といいが、2~7番人気は【3-0-3-4】、8番人気以下【0-0-0-7】。7番人気以内の1戦1勝に本命を打つ。これがセオリーだ。
前走距離でしっかり整理
昨年のソールオリエンスは2番人気の1戦1勝馬だった。今年、同週同条件の新馬(東京芝1800m)を勝ったバードウォッチャーは当然、有力候補だろう。前走新馬組は前走1800m【3-0-1-6】勝率30.0%、複勝率40.0%、2000m【1-1-2-4】勝率12.5%、複勝率50.0%。勝ち切るのは1800m組、軸馬としてなら2000m組でもいい。
では、キャリア2戦以上はどんな傾向があるだろうか。前走GⅠ【2-0-1-7】勝率20.0%、複勝率30.0%はホープフルS【1-0-1-2】、朝日杯FS【1-0-0-5】と距離経験がアドバンテージになる。
ただ、GⅠ以外のJRA重賞組は【0-2-1-28】と案外、好走できない。GⅡ時代のホープフルS【0-1-1-9】が含まれているので実際はもっと低く、買えるのは前走京都2歳S【0-1-0-3】ぐらい。2着好走は16年ケルフロイデ。同馬は京都2歳S5着だった。4着ダノンデサイルはどうだろうか。
格下から挑む前走1勝クラス【3-2-3-30】勝率7.9%、複勝率21.1%はどんな傾向だろう。こちらも前走同距離【3-2-3-20】勝率10.7%、複勝率28.6%、距離延長【0-0-0-10】。ややこしいが、1800m経由で買えるのは新馬のみで、重賞、1勝クラスは2000mを経験している馬を上位にとろう。京都芝1800mの紫菊賞を勝ったジュンゴールドはデータ上、苦しいといえる。
前走未勝利【0-4-2-24】複勝率20.0%は勝ち馬こそ出ていないが、3着以内であれば検討すべきだ。未勝利組も同距離【0-3-2-19】複勝率20.8%、距離延長【0-1-0-5】複勝率16.7%と、延長もないわけではないが、2000m経験があれば心強い。ハヤテノフクノスケなどは連下候補にしっかり入れておきたい。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
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