【AJCC】参考レース振り返り 連対率トップは前走菊花賞組、ガイアフォースに注目
三木俊幸

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)
AJCC出走予定馬の参考レース
1月22日(日)に中山競馬場を舞台に争われるAJCC(GⅡ・芝2200m)。今年は登録の時点で14頭が名を連ねている。今回も参考レースと過去10年のデータを振り返っていこう。
有馬記念【データ:A レースレベル:S】
過去10年の成績【2-0-0-10】勝率16.7%、連対率16.7%、複勝率16.7%
有馬記念組は率こそ目立つ数字ではないものの、前走レース別の成績では最多タイの2勝と相性がいい。2014年ヴェルデグリーンと2019年のシャケトラ(※2017年有馬記念から)が勝利を収めている。
レースはタイトルホルダーがハナを奪い、スローペースで流れた。勝負所の3角では馬群が密集する展開、4角でじわっと外から進出したイクイノックスが一気に突き抜ける圧巻の走りで勝利。勝ちタイムは2:32.4だった。
2馬身半差の2着にはボルドグフーシュ、3着にはジェラルディーナが入り、差し馬が上位を占める形となった。
今回出走を予定しているのは14着のアリストテレス。前半は掛かる場面も見られながら11番手を追走し、4角では最後方まで後退して勝ち馬から2.5秒差。2021年のAJCC優勝馬ではあるが、近走内容から見ても厳しいだろう。
菊花賞【データ:A レースレベル:A】
過去10年の成績【1-3-0-5】勝率11.1%、連対率44.4%、複勝率44.4%
勝率では有馬記念組に劣るが、複数の出走例があった中では連対率トップの成績。勝ちきれないケースも多いが、相性はいいと言える。
先週も取り上げたが、セイウンハーデスが淀みのないペースで引っ張り、2番手追走のアスクビクターモアがボルドグフーシュの追い上げをハナ差凌ぎ切ったという内容。勝ちタイムはレコードの3:02.4だった。
AJCCには8着だったガイアフォースが出走予定。道中6番手のインで運ぶも伸びを欠いたが、距離適性に加え、体調面でもセントライト記念当時には及ばなかった感もある。実績ある中山芝2200mに戻ることは歓迎だ。
天皇賞(秋)【データ:B レースレベル:S】
過去10年の成績【0-1-0-2】勝率0.0%、連対率33.3%、複勝率33.3%
サンプル数が少なく、好走したのは2013年2着のトランスワープのみ。今年は過去10年で初めて複数の出走がある見通しだ。
レースはパンサラッサが1000m通過57.4というハイペースで逃げ、2番手以下は大きく離れる展開。1:57.5という勝ちタイムで差し切ったイクイノックスは上がり32.7をマークしたように、パンサラッサ以外は決め手が求められた。
11着ノースブリッジ、15着バビットはいずれも好位からレースを進めたが、瞬発力勝負では分が悪いタイプで上位馬との力差を踏まえても仕方ない結果だった。
ノースブリッジは器用さがあるタイプではなく、3勝を東京コースであげているように広いコース向きのように感じる。2200mという距離は対応できそうだが、中山コースへの対応力がポイントとなるだろう。
バビットは中山芝2200mでセントライト記念を勝利、2走前のオールカマーでも4着に粘るなどコース替わりは歓迎。マイペースなら粘り込みがあっていい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ノベンバーS【データ:なし レースレベル:C】
過去10年で出走なし
11月の東京開催に行われた芝1800mの3勝クラス・ノベンバーS。レースはノースザワールドが1000mを1:00.1で通過する流れとなった中、2番手からレースを進めたエピファニーがゴール前で半馬身差捉えて勝利。未勝利から4連勝でオープン入りを果たした。勝ちタイムは1:45.4、使った上がりはメンバー中最速の33.3だった。
クラブでの募集時から注目されていた素質馬。体質の弱さもあって大事に使われ今回が初の重賞挑戦となるが、中山コースは2度経験していずれも勝利するなど不安な点はない。ポテンシャルは重賞でも通用するものがあるだけに、ここもすんなり突破するようなら先が楽しみだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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