143勝の川田将雅騎手が初のリーディング獲得 今村聖奈騎手は1年目を51勝で終える【2022年騎手リーディング】

三木俊幸

2022年騎手リーディング,ⒸSPAIA

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最高勝率、最多賞金のタイトルも

2022年騎手リーディング,ⒸSPAIA



1月5日から始まった2022年JRA競馬開催の終了とともに、騎手の年間成績が確定した。143勝でリーディングを獲得したのは川田将雅騎手。2019年から3年連続で2位という結果が続いていたが、デビュー19年目にして初のタイトル獲得となった。さらに勝率25.9%で最高勝率、総賞金3,157,091,000円で最多賞金となり、騎手大賞のタイトルも手にした。

12月は月間9勝ながら、リバティアイランドとのコンビで阪神JFを勝利。朝日杯FSでもダノンタッチダウンで2着となるなど、勝率20.5%、複勝率50.0%と際立つ成績を残している。

2位は136勝の戸崎圭太騎手。12月の日別勝利数は1→2→1→1→0→2→4→1→2で月間14勝。12月24日には1日4勝の大活躍を見せた。年間での重賞勝利は2勝と少ないものの、2022年は夏場以降に1日4勝以上の固め打ちが多かった点が強く印象に残った。

3位は横山武史騎手。2021年のGⅠ・5勝という大活躍と比較すると地味な印象だが、重賞3勝を含むキャリアハイの127勝をあげた。今秋は月間勝利数もひと桁にとどまっていたが、12月は11勝と上昇ムードで締めくくった。

4位は118勝で松山弘平騎手。12月の日別勝利数は2→1→4→2→3→2→1→0→0と前半から好調で、12月4日の中京9RではJRA通算1000勝という節目の記録を達成。さらに月間最多勝もマークした。年間の成績ではGⅠ勝利こそなかったものの、途中怪我による離脱もあった中で最多の重賞9勝という活躍が光った。

5位はルメール騎手。2022年序盤は海外遠征が多く、夏には母国フランスへ一時帰国もあったため騎乗日数が例年よりかなり少なく、5年連続で君臨していた騎手リーディングの座を明け渡すことになった。

12月は8勝とルメール騎手らしい大勝ちはなかったが、終わってみれば年間109勝。5月のオークスまで重賞勝利がないということでも話題になっていたが、年間では3つのGⅠ勝ちを果たしている。総賞金でも2,881,336,000円で2位という成績だった。

調教師転身の福永騎手も年間100勝に到達

リーディングトップ5以外で年間100勝をクリアしたのは2人。来年2月いっぱいで騎手を引退して調教師に転身する福永祐一騎手は12月18日の阪神9Rで13年連続となる年間100勝を達成。岩田望来騎手は24日の阪神4Rで自身初の年間100勝を達成。その前週にはJRA通算300勝をマークした。

年間100勝を達成した福永祐一騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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その他、横山典弘騎手が4日の中京2Rで現役2人目のJRA通算2900勝を達成した。短期免許で来日している騎手では10日の中京5Rでイーガン騎手が、ムルザバエフ騎手が18日の中京2RでそれぞれJRA初勝利をあげている。

ホープフルSでGⅠ初騎乗

2022年の話題として欠かすことのできない、インパクトある活躍をみせたのは今村聖奈騎手だ。3月にデビューすると順調に勝ち星を積み重ね、7月にはCBC賞で重賞初騎乗初勝利。10月にはJRA女性騎手の年間最多勝記録を更新し、最終的に51勝まで勝ち星を伸ばした。そして開催最終日に行われたホープフルSではGⅠレース初騎乗を果たした。

ホープフルSに騎乗の今村聖奈騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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その今村騎手の1年先輩にあたる永島まなみ騎手も年間21勝と躍進。10月から11月にかけては6週連続勝利をあげた。12月25日の阪神1Rでの勝利はJRAと地方を含めた通算31勝目、GⅠレースに騎乗できる資格を手にした。

GⅠジョッキーが続々誕生

そして秋は20代の騎手によるGⅠ初制覇の瞬間も多く見られた。デビュー7年目の荻野極騎手がジャンダルムとのコンビでスプリンターズSを勝利。荻野騎手と同期の坂井瑠星騎手もスタニングローズで秋華賞を制し、チャンピオンズCではデビュー9年目の石川裕紀人騎手がジュンライトボルトでGⅠジョッキーとなった。

坂井騎手はその後、ドルチェモアに騎乗して朝日杯FSを制するなど年間98勝でリーディング8位と躍進。3月にドバイでGⅡ・ゴドルフィンマイルを制するところから始まり、国内外で存在感を示した1年だったと言っていいだろう。

秋華賞でGⅠ初勝利を挙げた坂井瑠星騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ドルチェモアで朝日杯FSを制した坂井瑠星騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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2023年は女性騎手がGⅠでも当たり前のように騎乗して活躍する姿、次世代を担う若手騎手たちが更なる活躍をみせてくれることを期待したい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。


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