【2歳馬ジャッジ】プロトポロスは同日の中京競馬場での上がり3Fタイム最速を記録 順調なら今後に期待大
山崎エリカ
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スピード能力高い馬が登場 6月2週目の2歳戦
このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は東京で11番人気の低評価を覆し勝利したオンザブロッサム、中京では同日の全レース中で最速の上がり3Fタイムを記録したプロトポロスなどが出た6月11日、12日の2歳戦について、指数と評価を掲載する。
※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで
6月11日(土) 東京5R 優勝馬 ロッソランパンテ 指数-1 評価B
8番枠からまずまずのスタート、そこから位置を上げて2列目の中目で折り合ったロッソランパンテ。最後の直線で馬場の良い外に出そうとしたが、外からエクソソームに蓋をされ出せず。しかし、馬場の悪い内目から抜け出し、最後は後続馬の追撃を振り切って勝利した。
走破タイムは芝1400mで1分23秒1。前週のクラックオブドーンが勝利した新馬戦よりも走破タイムは0,1秒遅いが、道中のペースはこちらの方が緩んでいた。今回のラスト2Fは11秒5-11秒6とほぼ減速していない。
よってクラックオブドーンの新馬戦よりも評価、指数ともに高くなった。今回の上位3頭は前週の新馬戦なら勝っていたという計算になる。ただこの一戦を持って大物と評価できるレベルかと言えばまだ微妙だ。
しかし、新馬戦ではかなり低評価な勝ち方でも、デビュー2戦目で世代屈指のレベルまで激変した昨年のラブリイユアアイズのような例もある。次走以降の成長に期待したい。
6月12日(日) 東京5R 優勝馬 オンザブロッサム 指数-2 評価A
8番枠から好発を切り一旦先頭に立ったものの、外からハナを主張してきたトーセンノヴァを行かせ2番手で折り合う競馬となったオンザブロッサム。道中はスローペースなのにトーセンノヴァが大逃げという特殊な隊列。最後の直線入り口では逃げ切りが決まるかと思わせるほどの差があった。しかし、オンザブロッサムは2番手から最後までグイグイ伸び、ラスト1F手前で抜け出し勝利した。
ラスト2Fは12秒0-11秒9と加速。2番手から最後までしっかり伸びた点は高く評価できる。11番人気での勝利でフロック視されそうだが、内容はしっかりしており今後も楽しみだ。
このレースで注目を集め圧倒的な1番人気だったダノンザタイガーは出遅れたこともあり、追い込み届かずの2着。最後の直線ではフラフラしながらも上がり3Fタイムは最速を記録、能力の片鱗は見せた。
ただ最後にフラついていたのは余裕がなかった証拠。今回はスタートを決めていたとしても勝てなかったかもしれない。しかし、新馬戦で出遅れ、能力を出し切れないくらいのほうが後に順調に上昇しやすい。将来を考えた場合、その点は良かったように思う。
6月11日(土) 中京5R 優勝馬 マラキナイア 指数-3 評価A
2番枠からスタートを決め好位の中目で折り合ったマラキナイア。前2頭が後続を離して先行したため、同馬はやや離れた3番手を追走。3~4角で前2頭との差を詰め、4角ではその2頭の外を回り早め先頭に立った。そこからジワジワと脚を伸ばし、最後は2馬身差をつけての勝利だった。
早め先頭から勝利したレース内容は強く、高く評価できる。ただラスト2Fは11秒4-12秒1と急失速の形。この週の中京は古馬のレースでも上がりが掛かっており、見た目よりもタフな馬場状態だった。よって最後に急失速したのは仕方がないところもある。
走破タイムの1分34秒7はこの日の馬場を考えれば新馬戦としては悪くなく、指数評価は前週のダイヤモンドハンズと同等くらいだろう。多少疲れが残りやすいレース内容ではあったが、勝ち負けを繰り返しながら上を目指す馬になりそうだ。
6月12日(日) 中京5R 優勝馬 プロトポロス 指数-7 評価AA
1番枠から好発を決め、行きたい馬を行かせて好位の最内で折り合ったプロトポロス。4角出口で外に出し、直線では徐々に後続を引き離して、2着に3馬身半差、3着に7馬身差、それ以下もバラバラにしての圧勝だった。記録した指数はかなり優秀。上がり3Fタイム33秒8はこの日の中京では古馬を含めて最速だった点はかなり高く評価できる。
ただラスト2Fは11秒1-11秒7と減速。この週の中京馬場は実質ハイペースになりやすい状態だったので、仕方ない面はある。今走の疲れが気になるが、次走で高く評価できるかは調教等で判断したい。
ただ、新馬戦で上がり3Fタイムが同日の古馬を含めNO.1になるような馬は、とにかく強いことが多い。将来的にもかなり楽しみな馬と言える。
6月11日(土) 函館5R 優勝馬 ニーナブランド 指数-2 評価A
1番枠からスタートを決め押して逃げたニーナブランド。逃げながらもしっかりと折り合い、直線でもスピードは衰えず2着に1馬身半差をつけての快勝。ラスト2Fは11秒2-11秒3とほぼ減速せずの逃げ切りは高く評価ができる。
同馬は昨年の札幌開幕日の芝1000m新馬戦で2着だったリトスの半妹にあたる。その新馬戦を勝利したカイカノキセキもラスト2Fが11秒2-11秒3だった。昨年の札幌開幕日と今年の函館開幕日はほぼ馬場差がないことから、走破タイムは昨年のカイカノキセキよりも劣るが、最後の2Fはニーナブランドも劣らない。重賞でも面白い存在になりそうだ。
6月12日(日) 函館5R 優勝馬 クリダーム 指数-2 評価B
8番枠から好発を決め緩みないペースの2番手で流れに乗ったクリダーム。3~4角の外から逃げ馬に並びかけ、4角出口で早々と先頭に立ち、そのまま押し切る強い内容で勝利した。ラスト2Fは11秒7-11秒9。ペースを考えれば悪くない。
ただ昨年の札幌開幕2日目の新馬戦でレコード勝ちしたトーセンサンダーはその後伸び悩み、それと同等の指数を記録し勝利したキングエルメスは次走で凡退。その2頭よりはるかに高い指数で新馬戦を勝利したポメランチェもその後、1勝クラスで伸び悩んでいる。
クリダームは前記3頭よりも低い指数での勝利。そこまで疲労は残らないかもしれないが、この時期の2歳新馬戦を強い内容で勝利した馬は、大事に使っていきたい。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)プロトポロスの指数「-7」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.7秒速い
ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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