アグネスタキオン、スペシャルウィークなど 国内のGIを勝ったサンデーサイレンス産駒の種牡馬たち(1995~1998年産)

門田光生

サンデーサイレンス産駒のアグネスタキオンⒸ明石智子

Ⓒ明石智子

1995年生まれの代表、スペシャルウィーク

サンデーサイレンス産駒の種牡馬たち(1995~1998年生)

GI勝ちしたサンデーサイレンス産駒の種牡馬の軌跡を追うこの企画。今回は1995~1998年度産駒について見ていこう。

母系にNijinsky、Hyperionという必勝パターンの配合。スタミナ豊富な血統で、種牡馬としても菊花賞馬トーホウジャッカル、また牝馬ではシーザリオやブエナビスタという名牝を輩出。ステイヤー種牡馬としてその地位を確立させた。ダートでもゴルトブリッツやローマンレジェンドというGI級を輩出。

また、産駒のリーチザクラウンはGI勝ちこそなかったが、種牡馬として期待以上の活躍を見せて社台スタリオンへ栄転。移籍初年度は前年の3倍以上の種付けをこなした。同時にこれまでより繁殖牝馬に恵まれるのも間違いなく、さらなる活躍が見込めそうだ。

1996年はマイラー、1997年はクラシック馬3頭

1996年生まれからもダービー馬が誕生。そのアドマイヤベガは産駒が芝向きに偏っており、牡馬は中・長距離、牝馬はキストゥヘヴン(桜花賞)やブルーメンブラット(マイルCS)に代表されるようにマイラーが多かった。

また、同世代の牝馬はスティンガー、トゥザヴィクトリーがGI勝ち。トゥザヴィクトリーは産駒のGI勝利こそないが、トゥザグローリー、トゥザワールドの兄弟が種牡馬として産駒をターフに送り込んでいる。

1997年生まれからは3頭のクラシック馬が誕生。まずは皐月賞と菊花賞の二冠を制したエアシャカール。母系がスピードのBold Ruler×スタミナのHerbagerで、どんなタイプの産駒を出すのか楽しみにしていたが、種付け初年度に死亡。4頭しか産駒を残すことができなかったのは残念。

そしてダービーを勝ったのはアグネスフライト。アグネスタキオンの全兄にあたるが、そのタキオンが早々に引退して種牡馬となってしまったのは、血統が全く同じこの馬にとっては不運。繁殖牝馬に恵まれなかったこともあり、産駒は総じて切れ味不足だった。

なお、同世代の牝馬ではチアズグレイスが桜花賞を勝っている。

1998年に登場したアグネスタキオン

1998年生まれからアグネスタキオンが登場。皐月賞を勝って4戦4勝とした後に故障を発生、底を見せぬまま引退を余儀なくされた。種牡馬としても活躍し、ダービーを勝ったディープスカイや、有馬記念を勝った名牝ダイワスカーレットらを輩出。産駒は切れるというよりしぶとく足を伸ばすタイプが多い。

同年の菊花賞馬マンハッタンカフェも種牡馬として大成功。自身と同じステイヤーのヒルノダムール(天皇賞・春)、短距離馬のジョーカプチーノ(NHKマイルC)、さらにダート馬のグレープブランデー(フェブラリーS)など、様々なタイプを輩出。父サンデーサイレンスの万能性を受け継いだ1頭といえる。なお、2008年はアグネスタキオン、2009年はマンハッタンカフェがリーディングサイアーを獲得している。

メジロベイリーは朝日杯3歳Sを勝った後に長期休養を余儀なくされ、以後は結果を出せず。母の父がスペシャルウィークと同じマルゼンスキー、そしてメジロ牧場の母系ということで、順調に育っていればステイヤーとして大成したかもしれない。

牝馬ではビリーヴが短距離GIを2勝。サンデー産駒初のトップスプリンターとして活躍した。産駒に安田記念3着のファリダット、デイリー杯2歳S勝ちのジャンダルムがいて、母としても成功を収めている。

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