芝1800mで“買える”種牡馬、騎手、調教師を調査 堀宣行調教師は「外国人騎手」起用がポイント

東大ホースメンクラブ

芝1800mに強い種牡馬、騎手、調教師(過去3年、JRAのみ),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

中山記念には今年も豪華メンバーが集結!

今週末は中山芝1800mで中山記念(GⅡ)が開催される。昨年の毎日王冠を制覇し、今回と同舞台のスプリングSでも勝利を挙げているシックスペンスや、昨秋に悲願のGⅠ制覇を果たし、続く香港マイルでも2着に入ったソウルラッシュなど、豪華メンバーがそろった。

芝1800mといえば、毎日王冠を二度制したサリオスや、1800m重賞・3勝のダノンキングリー(共同通信杯、毎日王冠、中山記念)など、「マイルはやや短いが、中距離は少し長い」といった馬が多く活躍する舞台だ。

そこで、今回は「芝1800mで“買える”種牡馬、騎手、調教師」をテーマにデータ分析を行う。データは2022年2月26日~2025年2月23日の過去3年分を使用する。


距離延長がハマる!リアルスティール産駒

まずは種牡馬から。今回は以下の3頭を取りあげる。

芝1800mの種牡馬別成績(過去3年),ⒸSPAIA


<芝1800m 種牡馬別成績>
ドゥラメンテ【63-52-58-339】
勝率12.3%/連対率22.5%/複勝率33.8%/単回収率116%/複回収率82%
キズナ【63-48-52-311】
勝率13.3%/連対率23.4%/複勝率34.4%/単回収率118%/複回収率94%
リアルスティール【30-25-15-139】
勝率14.4%/連対率26.3%/複勝率33.5%/単回収率105%/複回収率79%
※集計期間:2022年2月26日~2025年2月23日

1頭目はドゥラメンテで、単回収率は116%とプラス域を記録。先日の共同通信杯でも産駒のマスカレードボールが勝利をあげている。特に2歳戦の成績が【20-12-10-52】勝率21.3%に複勝率44.7%、単回収率126%と抜群だ。ほか、競馬場別では中山【11-9-7-49】(勝率14.5%、単回収率307%)や札幌【10-1-5-14】(勝率33.3%、単回収率216%)が狙い目となる。

次はキズナを取りあげる。こちらも回収率は118%と黒字で、先日は産駒のサトノシャイニングが1800mのきさらぎ賞(GⅢ)を制した。競馬場別では札幌、函館、福島、新潟、中山、阪神の6場で単回収率100%オーバー。キズナの種牡馬としてのオールマイティーさが光る。また、前走で芝1800mを走っていた馬が【28-17-19-89】勝率18.3%、複勝率41.8%で単回収率212%とオススメだ。

3頭目は単回収率105%を記録するリアルスティール。競馬場では小倉が【5-3-2-18】勝率17.9%、複勝率35.7%、単回収率147%と良好だ。距離延長がハマる産駒が多く、前走から距離延長の馬は【9-3-4-30】で勝率19.6%、単回収率178%と上昇する。なかでも前走がマイルだと【8-2-3-16】で勝率27.6%、単回収率269%と優秀。該当馬がいれば注目したい。

中山記念が開催される中山芝1800mでは、ドゥラメンテが単回収率307%(勝率14.5%)、ロードカナロアが単回収率112%(勝率14.9%)、キズナが単回収率102%(勝率12.2%)、ハービンジャーが単回収率126%(勝率12.8%)で狙い目となっている。

中山記念の出走馬では、シックスペンスとパラレルヴィジョンがキズナ産駒、タイムトゥヘヴンとメイショウチタンがロードカナロア産駒、グランディアがハービンジャー産駒に該当する。


重賞で狙いたい西村淳也騎手

この章では騎手別成績を取りあげる。注目騎手は以下3名となる。

芝1800mの騎手別成績(過去3年),ⒸSPAIA


<芝1800m 騎手別成績>
西村淳也【34-27-25-131】
勝率15.7%/連対率28.1%/複勝率39.6%/単回収率127%/複回収率96%
鮫島克駿【23-23-27-151】
勝率10.3%/連対率20.5%/複勝率32.6%/単回収率103%/複回収率76%
藤岡佑介【19-11-16-101】
勝率12.9%/連対率20.4%/複勝率31.3%/単回収率133%/複回収率91%
※集計期間:2022年2月26日~2025年2月23日

まずは西村淳也騎手。単回収率は127%で、なかでも小倉や福島、函館といった小回りコースでの信頼度が高い。小倉は【11-9-8-33】勝率18.0%、複勝率45.9%と特に良い成績で、回収率も単:154%、複:107%とプラス域。ほかにも重賞で【4-2-3-10】勝率21.1%、単回収率211%と素晴らしく、見かけたら必ず買い目に入れておきたい。

次に単回収率103%の鮫島克駿騎手を取りあげる。競馬場別では函館(単回収率144%)と阪神(単回収率252%)で単回収率100%を超えている。こちらは下級条件での信頼度が高く、新馬戦【3-4-6-17】(勝率10.0%、単回収率179%)や未勝利戦【10-8-8-50】(勝率13.2%、単回収率177%)が狙い目だ。

3人目は藤岡佑介騎手で、単回収率は133%となっている。競馬場別では小倉での信頼度が非常に高く、その成績は【8-0-4-19】勝率25.8%、単回収率358%と妙味もたっぷりだ。ほか、前走で逃げた馬に騎乗した際は【4-0-1-6】で勝率36.4%、単回収率399%とオススメだ。

中山記念が開催される中山芝1800mでは、横山武史騎手が【12-11-11-28】単回収率105%、横山和生騎手が【4-5-1-27】単回収率124%、横山典弘騎手が【2-0-1-5】単回収率238%と横山一家3人は全員プラス域。ほか、川田将雅騎手が【2-1-0-3】単回収率113%、浜中俊騎手が【2-1-0-1】単回収率172%、松岡正海騎手が【2-1-3-27】単回収率300%を記録している。

中山記念では藤岡佑介騎手がアルナシーム、横山典弘騎手がマテンロウスカイ、浜中俊騎手はボッケリーニに騎乗予定だ。


堀調教師は外国人騎手を狙え

最後は調教師別の成績をピックアップ。注目は以下の3名となる。

芝1800mの調教師別成績(過去3年),ⒸSPAIA


<芝1800m 調教師別成績>
中内田充正【26-18-18-62】
勝率21.0%/連対率35.5%/複勝率50.0%/単回収率78%/複回収率87%
堀宣行【24-7-13-60】
勝率23.1%/連対率29.8%/複勝率42.3%/単回収率119%/複回収率86%
上村洋行【20-10-8-40】
勝率25.6%/連対率38.5%/複勝率48.7%/単回収率146%/複回収率90%
※集計期間:2022年2月26日~2025年2月23日

まず取りあげるのは中内田充正調教師。単複回収率が100%に届いてこそいないが、複勝率は50.0%と驚異的な成績を残している。2歳戦に限定すると、【6-4-3-3】で複勝率は81.3%まで上昇する。3連系の馬券を買う上では外せない。ただ年齢別で見ると、3歳の複勝率は52.9%、4歳は同48.5%、5歳は同35.3%……と年齢を重ねるにつれて複勝率が下がっていく点は注意。基本的には若い馬を狙うのがベターだ。

次は堀宣行調教師で、単回収率は119%とプラス域。狙い目は東京コースで、成績は【15-2-5-22】勝率34.1%、複勝率50.0%と圧倒的。単回収率も142%と妙味十分だ。ほか、短期免許の外国人騎手を起用した際は【14-2-4-13】で勝率42.4%、単回収率175%とかなり優秀。外国人騎手を起用した際は“勝負”と考えて良いだろう。

ラストは単回収率146%を記録する上村洋行調教師。競馬場別では阪神【5-2-2-8】(勝率29.4%、単回収率187%)や、函館【5-2-0-3】(勝率50.0%、単回収率428%)は要注目だ。また、横山武史騎手とのコンビが【7-3-2-4】勝率43.8%、複勝率75.0%かつ単回収率133%、複回収率117%の好相性で見逃せない。

中山記念が開催される中山芝1800mでは、鹿戸雄一調教師が【9-2-5-26】単回収率195%、堀宣行調教師が【3-1-3-12】単回収率186%、斉藤誠調教師が【3-2-3-21】単回収率132%、高柳瑞樹調教師が【3-2-1-17】単回収率144%をマーク。

今回の中山記念には堀厩舎がサイルーン、中内田厩舎はグランディアを送り出す予定となっている。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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