【京都牝馬S】ナムラクレアとメイケイエールに死角アリ 好データ揃うプレサージュリフトが2年ぶりVへ

SPAIA編集部

2024年京都牝馬ステークスに関するデータ,ⒸSPAIA

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ナムラクレア参戦

2024年2月17日(土)に京都競馬場で行われる京都牝馬S(GⅢ・芝1400m)。ヴィクトリアマイルから微妙に遠い時期の牝馬限定GⅢの1400mという条件が相まって、例年さほど豪華なメンバーとは言い難い。

ところが今年は毛色が異なる。昨年高松宮記念2着、スプリンターズS3着のナムラクレア、重賞6勝メイケイエールの2頭を中心に、ロータスランド、プレサージュリフト、シングザットソング、モズメイメイといった重賞実績馬が大挙登録。好カードが予想される。この一戦を制するのは果たしてどの馬か。京都牝馬Sが現行距離になった過去8年のデータ(※21~23年は阪神代替)をもとに展望する。

距離延長組が大不振で

人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績。1番人気【4-2-0-2】勝率50.0%、複勝率75.0%はほぼ盤石。単勝が3.0倍を切った馬はおらず、毎年割れたオッズになるものの、1番人気はなんだかんだ連対することが多い。

その反面、2番人気【1-0-1-6】、3番人気【1-0-2-5】、4番人気【0-1-0-7】はどうにも頼りない。5~7番人気が各2連対、9番人気【1-0-1-6】。典型的なヒモ荒れ傾向にある。

年齢別成績,ⒸSPAIA


続いて年齢別成績。4歳【2-4-1-33】勝率5.0%、複勝率17.5%と5歳【6-4-2-36】勝率12.5%、複勝率25.0%の比較では後者に軍配が上がる。牝馬の世代トップ層は3歳秋に一度2000mを目指し、そして4歳春の大目標を1600mのヴィクトリアマイルに据える。2月に1400mを使うメリットはあまりない。したがって、必然的に4歳馬は手薄になりやすい。

また6歳【0-0-5-35】、7歳以上【0-0-0-6】で、高齢馬は「あって3着」という傾向。一般論として、牝馬の6歳ともなると能力的にピークを過ぎていることが多い。

前走距離別成績,ⒸSPAIA


このレースでもっとも決定的なデータは前走距離別成績。同距離【2-2-5-22】勝率6.5%、複勝率29.0%、距離短縮【6-5-3-48】勝率9.7%、複勝率22.6%に対し、距離延長組は【0-1-0-40】複勝率2.4%。短距離馬はたった200mの延長で大きくパフォーマンスを落とすことが珍しくない。今年はスプリンターズS3着から臨むナムラクレアがいる。ここは丁寧に考える必要がある。

ひと口に延長といっても、GⅠからの参戦は【0-0-0-1】と例が少ない。中身は16年ウキヨノカゼ、同じスプリンターズS3着から直行して15着。無視はできないが、ダメと決めつけるほどのサンプル数もない。ちなみに唯一2着に入った1頭は17年ワンスインナムーンで、その後スプリンターズSで3着に好走した。「GⅠ好走レベルなら話は別」と片付けることもできる。悩ましいが、ナムラクレアの考察は一旦あとに回すとして、それ以外の距離延長組は大減点だ。

前走着順別成績(距離延長組除く),ⒸSPAIA


延長組を除いて前走着順別成績を出す。前走2着以内なら【4-5-4-13】勝率15.4%、複勝率50.0%。あるいは「前走GⅡかGⅠで3着以下」が【4-0-1-10】勝率26.7%、複勝率33.3%で、勝ち馬8頭は全てこのどちらかに属していた。直近で連対した馬が理想で、そうでない場合はGⅡ、GⅠ組だけ見直す余地がある。

京都開催時の枠番別成績,ⒸSPAIA


最後に枠番別成績を紹介する。京都開催だった16~20年で1~4枠は【0-0-2-33】と連対すらなく、5~8枠が【5-5-3-34】。明らかに外枠が有利だ。年初から続く開催の最終週だけあって内が傷んでいることが多く、そして今年も例外ではない。枠順次第で大きく評価を入れ替える必要がある。

2年ぶりの白星へ

「1番人気が好成績でヒモ荒れ傾向」「6歳以上は連対なし」「距離延長組が苦戦」「前走2着以内が理想、3着以下ならGⅡかGⅠ組」「外枠有利」などのポイントを押さえたところで、登録馬について具体的に考えていこう。

ナムラクレアは距離延長が最大の不安要素。3歳春までは1400m重賞で2連対、桜花賞3着があり、全く対応できないわけではない。が、当然ポジティブな条件でもない。そもそもここはあくまで「高松宮記念で勝つため」の一戦。1400m仕様にしてしまっては本末転倒だし、反動が出るような仕上げも避けたいのが陣営の本心ではないか。

メイケイエールは6歳という点がネック。折り合いを欠きながらも豪快に重賞をさらっていった22年シーズンに比べ、昨年はあまり目立つパフォーマンスがなかった。正直なところ、やや年齢的な陰りが見えつつある。左回りの方が得意な馬で、こちらも本番は高松宮記念。コース適性でも勝負度の面でも見送りが妥当だ。

プレサージュリフトは5歳、距離短縮、前走2着と好データがそろう。3走前の東京新聞杯は相手がウインカーネリアン、ナミュールという強敵であり、2走前は離して逃げたディヴィーナ以外スローの展開を後方に構えて差し届かず。前走もスローペースで逃げ馬を捕まえきれなかったもの。能力が否定される負け方はしていない。他の人気馬に不安が大きいここは大チャンスだろう。クイーンC以来、およそ2年ぶりの白星に期待がかかる。

穴で面白いのはモズゴールドバレル。3走前の仲秋S(3着)は1:31.9の好時計決着で、勝ち馬セッションが京都金杯2着、5着馬コレペティトールが同1着などハイレベルな一戦だった。

ほか、年齢だけが引っかかるロータスランドやテンハッピーローズ、前走着順がもう一声のターコイズS4着ソーダズリングあたりがヒモ候補。あとは前述の通り、枠順による上げ下げを加えたい。

2024年京都牝馬ステークスに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


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