【京都牝馬S】大混戦は5歳馬が断つ! 3勝クラス勝ちタンタラス、スカイグルーヴ良血覚醒だ

SPAIA編集部

2022年京都牝馬Sに関するデータ,ⒸSPAIA

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今年も阪神開催

2022年2月19日に阪神競馬場で行われる京都牝馬ステークス。先週の京都記念に続き、「京都」と名の付くレースながらやはり代替の阪神開催となる。

2015年までは1600mで施行されていたが、ヴィクトリアマイルの前哨戦にあたる阪神牝馬Sが1600mに変更されるのと入れ替わりの形で現行の1400mに短縮された。

このような経緯から、データ分析するにはなかなか難儀な条件だ。しかし、ひとまずは距離変更後の6年間について、阪神開催で変わる傾向、変わらずに使えそうな傾向の両面を探っていきたい。

1番人気4勝も

京都牝馬Sの人気別成績,ⒸSPAIA



さっそく人気別成績から。1番人気は6年で4勝。昨年のリリーバレロは11着大敗を喫してしまったが、9頭立ての3勝クラスを勝って中1週。単勝オッズは4.3倍と押し出された印象があった。今年は関屋記念勝ちの実績があるロータスランドが1番人気に推されそうで、ここの単勝1本という手は考えられる。

問題は2着以下。2着馬6頭は4~7番人気で、3着には13番人気が2度顔を出す。一筋縄ではいかない重賞で、これは阪神に替わった昨年も3・5・9番人気決着、3連単593.4倍と傾向を踏襲する形になった。

京都牝馬Sの年齢別成績,ⒸSPAIA



続いて年齢別。牝馬限定戦だと高齢馬の出走自体少ないことが常だが、このレースは2月中旬という時期ゆえ、クラブ所属、規定引退目前の6歳牝馬がこぞって出てくる。そんな6歳は【0-0-3-23】と連対なし。7歳以上【0-0-0-5】とあわせて、高齢馬は苦戦傾向にある。実績を重視していくとどうしても6歳馬を抑えたくなるが、ここは疑ってかかった方がいい。今年も信越S勝ちドナウデルタ、フィリーズレビュー勝ち馬のプールヴィルといった「千四巧者」がいるものの、過信は禁物だ。

4歳、5歳の比較では5歳がやや優勢。桜花賞ののち、長い不振に陥っていたレッツゴードンキが久々の勝利を挙げたレースであり、昨年のイベリスも3歳アーリントンC以来の勝利だった。似たようなプロフィールなら、シンザン記念を最後に2年間勝ち星のないサンクテュエールが出走予定。送り出すのは今月定年の藤沢和雄師だ。劇的な復活というシナリオはあるか。

京都牝馬Sの前走クラス別成績,ⒸSPAIA

京都牝馬Sの前走着順別成績,ⒸSPAIA



続いて、前走のクラスと着順に注目。まずクラスだが、勝ち馬6頭は全て前走で重賞を走っていた。ただ、複勝率ベースで見るとOP特別・リステッドの10.3%がやや減点という程度で、3勝クラス、GⅡ、GⅠなど互角。ここはさほど気にしなくていいだろう。

着順では「牝馬は格より勢い」の格言通り、前走で連対した馬【3-4-3-13】複勝率43.5%がまず目を引く。もちろん、重賞で連対してきた馬がいればベストだが、どうも今年の想定にはいなさそう。この項目からはスカイグルーヴやタンタラスをピックアップ。前述のように、3勝クラスからの昇級は1着こそないが、大きなマイナス材料ではない。

中途半端に好走した3・4着【0-0-0-8】、および大敗の10着以下【0-1-0-26】は不振。マイルCS12着のロータスランドも引っかかるのだが、そもそも前走がGⅠで10着以下という例は18年ヴゼットジョリー(8番人気6着)しかなく、これだけでは判断できない。保留。

巻き返しのあるパターンとしては、前走5着【0-0-2-10】や前走6~9着【3-1-1-22】といった、「程よく」負けてきた馬。オールアットワンス、シゲルピンクルビー、ジュランビル、クリノプレミアムあたりが候補となる。

京都牝馬Sの前走距離別成績,ⒸSPAIA



臨戦過程について補足すると、距離延長馬が【0-1-0-31】ととにかく苦戦している。これは京都連続開催の最終週というタフなコンディションが作用していた可能性もあるが、一応、昨年も6頭いた延長組は馬券に絡めなかった。先述の4頭から京阪杯組のオールアットワンス、シゲルピンクルビーを減点、マイルからの短縮となるターコイズS5着ジュランビル、京都金杯5着クリノプレミアムは残したい。もっとも、ジュランビルは6歳という点がどうか。

京都牝馬Sの脚質別成績,ⒸSPAIA



ここまで紹介したものとは逆に、開催場の変更で傾向が変化しそうなのは脚質。京都では逃げが全く残らなかったのに対し、昨年はイベリスが逃げ切り。開催2週目の阪神、しかも内回りに替わるのだから、やはり逃げは侮れないだろう。

まとめ

ここまでの内容をまとめると、「1番人気が6年で4勝」「5歳ベスト、6歳以上は連対なし」「前走連対馬が◎」「前走10着以下は減点」「距離延長不振」「逃げ警戒」となる。

例年の好走パターンにばっちりとハマる馬がおらず難しいところだが、「5歳」「前走1着」からスカイグルーヴに注目したい。ダイナカール牝系の良血馬、新馬戦を圧巻の内容で勝ったあとは折り合いに難しさが出て短距離に転向。新境地で重賞勝利を挙げられるか。

次点にも3勝クラス勝ちのタンタラス。こちらも母ブエナビスタという良血だ。6歳という点がマイナスだが、前走を勝っていることと、こちらは逃げの手もありそうな脚質が好材料。以下、相手は消去法の要領で距離延長馬と6歳以上馬を削っていき、残るロータスランド、クリノプレミアムあたりが候補。もう少し広げるなら、前走着順はよくないがサンクテュエール、ダートでの大敗から芝に戻してくるクリスティもオッズ次第で面白い。

2022年京都牝馬Sに関するデータ,ⒸSPAIA



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