【ヴィクトリアマイル】今週も波乱を呼ぶのはオルフェーヴル産駒?Bコース替わりも内外関係なし!

三木俊幸

ヴィクトリアマイル馬場適性分布図ⒸSPAIA

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先週末は先行馬が7勝

春のマイル女王決定戦、ヴィクトリアマイル(GⅠ・芝1600m)は毎年のように波乱のレースとなることが多い。今年はドバイワールドカップデーが中止になったことで、絶対的な存在であるアーモンドアイが参戦することとなったが、順当な決着となるのか東京競馬場の馬場傾向と各馬の馬場適性の観点から分析していく。

まずはいつものように、5月9日(土)と10日(日)に行われた芝のレース結果を振り返ってみよう。

5/9・10 東京芝コースの上がりⒸSPAIA



全体的な勝ちタイムを見ると、驚くほど速いタイムのレースは見られなかったものの、GⅠのNHKマイルCは1:32.5で決着するなど、引き続き速いタイムが出る馬場状態だったと言える。

上がりタイムも全11レース中6レースの勝ち馬が上がり33秒台をマークしており、日曜日に行われた1400m戦の3歳1勝クラスでは、フランジヴェントが32.9という速い上がりを使って勝利。レース展開によって違いはあるものの、全体的には速い上がりが求められる傾向にあった。

5/9・10 東京芝コースの通過順位ⒸSPAIA



先々週は差しが決まっていたこともあり、先週も同様の傾向になると予想していたが、蓋をあけてみれば、逃げ2勝、先行7勝、差し1勝、追込1勝という内訳で先行馬有利の馬場傾向にあった。

NHKマイルCは、開幕週と同様に直線で砂塵が舞うほどの強風が吹いていたことで先行馬有利に傾向が傾いたのかもしれないが、その他のレースでは2着、3着には後方からの差しも届いていたということも頭に入れておきたいところ。

5/9・10 東京芝コースの直線で通ったコースⒸSPAIA



最後に3着以内に入った馬が直線で内から何頭目を通っていたのかについても見ておこう。内から1頭目と2頭目が6頭、内から3頭目が7頭と内目を通った馬の活躍が目立っていたかと思いきや、内から5頭目も5頭、内から6頭目は6頭とやや外目を通っても馬券に絡んでいることがわかった。

今週からBコースに変わることで、先週伸びていた内から6頭分のスペースが若干狭くなるので、内を通る馬が有利に働くかもしれない。もちろんロスのない競馬をすることがベストではあるが、レースに影響があるほどの強風が吹かない限り、「内と外で有利不利はない馬場」になると考える。

天気予報を見ると、土曜日が雨、レース当日の日曜日は曇り予報となっているが、東京競馬場は水捌けがいいので馬場は回復して、良馬場でのレースになると予想。昨年の1:30.5というような超高速馬場にはならないだろうが、速い時計の決着になるだろう。

牝馬同士ならアーモンドアイ

ここからは馬場適性分布図をもとに、注目馬の馬場適性について詳しく見ていく。なお分布図の縦軸はスピード型かパワー型かを示す指標、横軸は瞬発力勝負と持続力勝負のどちらに適性があるかを示している。

ヴィクトリアマイル馬場適性分布図ⒸSPAIA



【アーモンドアイ】
熱発で香港遠征を回避したのち、前走は有馬記念に出走して9着に終わっているが、体調面と中山コースが合わなかったのが敗因。今回もドバイに輸送後にドバイワールドカップデーの中止が決まって帰国するという不運に見舞われたが、東京コースの高速馬場は最も得意とするコースなので、前走のようなことはないと考える。

昨年の安田記念では3着に敗れたが、伸び上がった感じのスタートとなった後、不利を受けた影響があった。競馬に絶対は無いが、今回は牝馬同士でもあるので、普通に走れば結果はついてくるだろう。

【サウンドキアラ】
今年に入り重賞3連勝と勢いに乗って、1年ぶりにGⅠの舞台へと帰ってきた。高速馬場での瞬発力勝負の適性という点においては、ノームコアやプリモシーンには劣るが、好位からレースを進められるのはプラスに働くので、ここでも好勝負になるはずだ。

【ラヴズオンリーユー】
アーモンドアイと同様にドバイ遠征が中止となり、昨年のエリザベス女王杯以来のレースとなる。距離適性は2000m以上にあると考えており、加えて上がり最速は前走3着時の33.8が最も速いタイムなので、速い時計と瞬発力が要求されるマイル戦では厳しい戦いになるのではないだろうか。今回は危険な人気馬として無印にする。

【ノームコア】
昨年のヴィクトリアマイル優勝馬なので、適性については言うまでもない。リピーターが活躍するレースでもあり、前走の高松宮記念は距離、馬場ともに合わなかったので、得意の舞台で改めて期待したい。

【プリモシーン】
昨年のヴィクトリアマイルではノームコアのクビ差2着。昨秋は不振に陥ったが、2走前の東京新聞杯では6番手追走から抜け出して勝利しており、やはり東京コースなら信頼度は高い。

【ダノンファンタジー】
昨年の3歳牝馬クラシックでは桜花賞と秋華賞で1番人気に支持されるなど、期待を集めたが結果を残せず。しかし3走前のローズS(1800m)では1:44.4、上がり33.1という速い時計に対応して勝利したことは評価できる。前走の阪神牝馬Sでは5着に敗れているが、+22kgという余裕残しの仕上げだった。人気が下がる今回は狙い目なので、押さえておきたい。

【セラピア】
3勝クラスを勝利したばかりで実績は乏しいが、2走前の摂津特別(1400m)を1:20.3で逃げ切り、前走の難波S(1800m)を1:45.3というタイムで勝利しており、高速馬場への適性は高い。上位人気の馬の多くが差し脚質なので、前に行ける穴馬という視点で魅力を感じる一頭だ。

【ヴィクトリアマイル予想】
◎アーモンドアイ
○ノームコア
▲プリモシーン
△サウンドキアラ
×ダノンファンタジー
☆セラピア

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