【シンザン記念】血統から距離延長に不安なし アーリントンロウの初重賞制覇に期待大
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は1月13日(月)に中京競馬場で行われるシンザン記念について、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
ここでは特別登録のあった24頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
重要データ:前走上がりタイムに注目
シンザン記念は明け3歳馬たちのクラシックへの登竜門に位置づけられているレース。キャリアの浅い出走馬が多いシンザン記念において、重要視したいデータは前走の上がり3Fタイムの順位だ。
1~3位だった馬は【8-7-5-54】で単勝回収率97%、複勝回収率112%となっている。対して4位以下だった馬は【2-3-5-48】で単勝回収率47%、複勝回収率60%と低調だ。レース全体の単勝回収率が75%、複勝回収率が88%となっていることからも有効なデータと言えるだろう。
また、上がり3位以内に「前走1~4着」と「前走新馬、未勝利戦以外」という二つの条件を加えれば、単勝回収率195%、複勝回収率132%に跳ね上がるので要注目だ。
【前走が新馬、未勝利戦以外で1~4着かつ上がり1~3位だった出走予定馬】
・アーリントンロウ
・ホウオウガイア
・メイショウツヨキ
・レーヴブリリアント
前走の内容:アーリントンロウの小倉2歳S
アーリントンロウの前走は小倉2歳Sで3着。昨年の小倉2歳Sは小倉競馬場ではなく中京競馬場での開催だったため、距離は異なるが既に中京コースを経験しているというのは強みになるだろう。
レース内容は前半3F34.5秒、後半3F34.5秒でフラットなペース。雨の影響で重馬場も内ラチ沿いの馬場状態は悪くなく、勝ったエイシンワンドも番手から内にモタれながら抜け出した形だった。アーリントンロウも好位で競馬をしていたが、大外を回った分エイシンワンドより距離ロスは大きくなった。
2着のクラスペディアはやや前有利の展開のなか、エイシンワンドとアーリントンロウよりも後ろから上がり最速で突っ込んできて、差し届かずの2着。そのため同馬が最上位の評価となるが、こちらは後に朝日杯FSで6着と結果を残している。
クラスペディアをものさしにすれば、今回出走を予定しているサウジアラビアRCの1着馬アルテヴェローチェが朝日杯FS5着で、2着タイセイカレントは同15着。アルテヴェローチェとも展開ひとつで勝負になりそうだ。
血統解説:アーリントンロウ
・アーリントンロウ
日本での牝祖は3代母メイクミーレインボーズ。ただ、4代母Fantastic Reviewを根幹として日本で広がりを見せているので、こちらを牝祖としてもよいだろう。
Fantastic Reviewの分岐からは春雷S勝ち馬で京阪杯3着のサカジロロイヤルが出ている。母ユメノトキメキは芝とダートの中距離でJRA3勝の実績馬。この2頭を見てもわかる通り、瞬発力を生かすタイプではなく前々で競馬をして押し切るのが得意なファミリーだ。
本馬は父がタワーオブロンドンで、芝適性とスピード性能の高さを受け継いでいる。ここまで1200、1400mを使われて今回が初のマイル戦となるが、距離に関しては馬体と血統の組み合わせを考えれば問題なくこなせるとみる。
前走の小倉2歳Sでは、前に馬を置くことができないなかでしっかり折り合いがついていた。「父タワーオブロンドン」で距離延長が不安視されるのであれば、むしろ積極的に狙ってみたい血統構成だ。
Cアナライズではアーリントンロウを推奨
今回のCアナライズではアーリントンロウを推奨する。
今年のシンザン記念はサウジアラビアRCの1~3着馬が出走予定であることからも、本馬は穴馬の一頭か、やや人気サイドくらいの当日人気に落ち着きそう。少なくとも1番人気ということはなさそうだ。それであれば、上述したように1番人気候補筆頭のアルテヴェローチェを逆転できそうな本馬を本命にしたい。
ただし抽選対象となるため、もう1頭推奨馬を挙げるとすればベゴニア賞4着のレーヴブリリアント。こちらはGⅠ4勝馬リスグラシューの近親で、素質の高さは間違いない。前走までは馬体に緩さがあり、完成度は高くなかった。それだけに、明け3歳となってどれだけ変わってくるのか注目だ。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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