【京都記念】主役は前走ハイレベルのベラジオオペラ 対するは近10年で5勝の前走GⅠ組プラダリア

勝木淳

2024年京都記念に関するデータ,ⒸSPAIA

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6番人気までチャンスあり

1942年、京都芝3500mで行われた第1回から82年、伝統のGⅡは時代とともに様々な顔をみせてきた。グレード制導入前は年2回春と秋に行われ、距離も3500、3000、2400、2200、2000mと時代ごとに変わってきた。

21~23年は京都改修のため阪神に移され、今年、4年ぶりに京都芝2200mに戻る。最近はドバイの壮行レースの側面をもち、近年ではラヴズオンリーユー、ドウデュースなど大物登場の年もある。今年は大物の名こそないが、GⅠ戦線に食い込みたい馬たちによる実力拮抗戦だ。この春に向け、一歩前へ抜け出すのはどの馬か注目しよう。データは阪神3年を含む過去10年分を使用する。

京都記念の人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【3-1-2-4】勝率30.0%、複勝率60.0%とまずまずだが、勝利は1倍~2倍台まで。3倍台突入だと信頼度が下がる。2番人気【0-2-2-6】複勝率40.0%、3番人気【2-3-1-4】勝率20.0%、複勝率60.0%、4番人気【1-1-3-5】勝率10.0%、複勝率50.0%。実績的には1、2番人気に及ばないが勢いならある、といった上がり馬も面白い。

また、6番人気【3-1-2-4】勝率30.0%、複勝率60.0%と伏兵にもチャンスがある。やはり実績馬が休み明けで、目標はその先といった仕上げも関係しているようだ。今年は混戦模様で、穴馬の出番もあるかもしれない。

京都記念の年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢の傾向は、4歳【4-6-3-18】勝率12.9%、複勝率41.9%、5歳【4-0-4-17】勝率16.0%、複勝率32.0%の2世代が中心。ただ、4歳は2着が多く、やや勝ち切れない点には注意したい。まだまだ2月だと経験値を積んだ5歳が強い。6歳【1-3-1-23】勝率3.6%、複勝率17.9%などベテランは一列下げてもいい。

ハイレベルだったチャレンジC

4歳ベラジオオペラはダービー4着以来だったチャレンジCを勝ち、重賞2勝目をあげた。京都記念をGⅠ再挑戦に踏み出すきっかけにしたい。プラダリアは京都大賞典を勝ち、2200、2400mに実績が集まっている。距離適性を考えれば、京都記念は得意条件のひとつ。落としたくないだろう。ここからは前走成績を参考に好走候補を探していく。

京都記念の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走(国内)GⅠ【5-4-6-21】勝率13.9%、複勝率41.7%は有馬記念【2-0-2-6】勝率20.0%、複勝率40.0%に注目。14着だったプラダリアが該当する。ルージュエヴァイユのエリザベス女王杯は【1-1-0-4】勝率16.7%、複勝率33.3%。5歳勢では実績的にこの2頭だろう。

京都記念の前走国内GⅠ、着順別成績,ⒸSPAIA


レース個別にみるとサンプルが少なく、傾向をつかみにくいので、あえて大きく前走(国内)GⅠでくくって着順の傾向を調べた。前走GⅠ・2着は【1-1-1-2】勝率20.0%、複勝率60.0%で有力だ。3、4着も3着以内率100%なので、GⅠ好走はアドバンテージになる。ただ、エリザベス女王杯に限ると前走2着でも【0-0-0-2】。14年ラキシスが3番人気4着、18年クロコスミアが5番人気8着に敗れた。

プラダリアが該当する前走10着以下は【2-0-1-10】勝率15.4%、複勝率23.1%で、数字的には6~9着【1-1-2-5】勝率11.1%、複勝率44.4%と比べると少し安定感を欠く。掲示板以下に敗れた馬の復活もあるが、確率は下がる。難しいところだ。

ただし、前走10着以下でも有馬記念に限ると【1-0-1-2】勝率25.0%、複勝率50.0%で悪くない。好走2頭はマカヒキとラヴズオンリーユーのGⅠ馬2頭で、中山芝2500mに適性がなかった。凡走2頭はパフォーマプロミスとラストドラフト。プラダリアも舞台が替わるとはいえ、GⅠ馬ではない点がどうでるか。

ほか重賞組では、アフリカンゴールドの前走ステイヤーズS【0-1-0-1】。好走した馬は前走4着だった。マテンロウレオは中山金杯7着からの参戦。前走中山金杯は【1-3-0-7】。5着以内【1-3-0-4】、6着以下【0-0-0-3】。昨年2着時は中山金杯5着からで、好走データに当てはまっていた。今年7着は気になる。

最後にベラジオオペラのチャレンジCは【0-0-0-3】。ただし勝ち馬の出走はなく、ベラジオオペラに当てはめるのは危険だろう。昨年のチャレンジCは13頭中重賞ウイナー9頭のハイレベルな組み合わせで、前後半1000m59.9-58.9、1:58.8と締まった競馬だった。ハナ差2着ボッケリーニは次走AJCC2着。ベラジオオペラも実力的にはすでにGⅡ突破レベルにあるといえる。

京都記念に関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。


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