【シリウスS】レモンポップ中心もハンデ次第 穴候補はトウセツら前走3勝クラス勝ち上がり組

勝木淳

2023年シリウスステークスに関するデータ,ⒸSPAIA

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データ上は3、4歳中心

秋はダート競馬も熱い。10月マイルチャンピオンシップ南部杯、11月JBC、12月チャンピオンズC、東京大賞典とビッグレースが中央地方で待っている。シリウスSは11月以降の中距離戦線に挑戦状を叩きつけたい馬たちが集う。賞金水準が非常に高いダート戦線では、勝たないことには先へ進めない。それだけに、熱い戦いがこのレースにもある。

データは中京での3年も含め、過去10年分を使用し、ローテーションを中心に探っていく。

シリウスSの人気別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦でもあり、上位人気が割れる年も多いが、それでも1番人気【3-1-0-6】勝率30.0%、複勝率40.0%。参考に、同じダート中距離のハンデ戦・マーチSは1番人気【1-2-2-5】で、それよりはアタマで計算できる。とはいえ勝ち馬は2~6番人気6頭、10番人気以下1頭で、7番人気【0-3-2-5】複勝率50.0%までは十分馬券圏内に入るチャンスがある。

シリウスSの年齢別成績,ⒸSPAIA


3歳【3-2-0-8】勝率23.1%、複勝率38.5%、4歳【3-0-3-18】勝率12.5%、複勝率25.0%と賞金をまだまだ上乗せしたい若い組が優勢だ。一方でダート戦らしく5歳【3-4-2-35】勝率6.8%、複勝率20.5%、6歳【1-2-5-23】勝率3.2%、複勝率25.8%などベテラン勢も結果を残す。この辺はうまく馬券に組み入れよう。

昇級初戦トウセツらに期待

3歳キリンジ、4歳カフジオクタゴンなど若い組がどこまで上位に食い込めるか。また5歳ヴァンヤール、クリノドラゴン、フルヴォートらも賞金加算は必須な状況。勝ち切るのは果たしてどの馬だろうか。

シリウスSの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


まず前走地方【3-0-1-11】勝率20.0%、複勝率26.7%からみよう。レース別ではキリンジのJDDは【2-0-0-3】勝率、複勝率40.0%で、2着は【1-0-0-2】。18年オメガパフュームがここを勝ち、JBCクラシック、チャンピオンズCへ進んだ。キリンジはあとに続きたい。

シリウスSの前走レース別成績(GⅢ),ⒸSPAIA


次に中央組は前走GⅢ【3-4-4-28】勝率7.7%、複勝率28.2%から確認する。夏のエルムSは【1-1-2-8】勝率8.3%、複勝率33.3%。5着以内【1-1-1-1】、6着以下【0-0-1-7】なので、6着カフジオクタゴン以下はちょっと厳しそうだ。

シリウスSの前走レース別成績(OP・L),ⒸSPAIA


前走オープン・L【3-4-5-67】勝率3.8%、複勝率15.2%は確率的に厳しいが、GⅢ組の状況を考えると、しっかり確認しておきたい。

夏の新潟BSN賞【1-2-2-12】勝率5.9%、複勝率29.4%は1着【1-2-1-1】、2~5着【0-0-1-3】、6着以下【0-0-0-8】なので、ヴァンヤール、ゲンパチルシファーがギリギリだろう。付け加えると、中京ダ1900mだった3年間【1-0-2-2】、阪神ダ2000mの7年【0-2-0-10】で、今年は機能しない可能性が高い。ここも強気にはなれない。

ならば前走3勝クラス【1-2-0-6】勝率11.1%、複勝率33.3%も可能性はある。ここは中京3年【0-0-0-4】、阪神7年【1-2-0-2】で、むしろ今年は期待できる。阪神の5例はすべて距離延長で、前走1700m【0-1-0-0】、1800m【1-1-0-2】。トウセツらにもチャンスはある。

距離でいえば、阪神7年間は前走クラス問わず前走2000m【2-0-0-5】勝率、複勝率28.6%、2000m未満【5-6-6-67】勝率6.0%、複勝率20.2%、2000m超【0-1-1-6】複勝率25.0%。ちなみにレモンポップの前走1200mは当然というべきか出走ゼロだった。

レモンポップについては血統面からアプローチしておこう。レモンドロップキッド産駒の距離別成績(ダート)は1700m【1-0-2-19】勝率4.5%、複勝率13.6%、1800m【6-1-5-32】勝率13.6%、複勝率27.3%と中距離は悪くない。2000m【0-0-0-1】は参考外としても、コーナー4つの中距離戦をこなして不思議はない。

レモンドロップキッドはキングマンボ産駒であり、現役時代の勝ち鞍はベルモントS(12ハロン)、トラヴァーズS(10ハロン)などむしろ中距離型だった。代表産駒ビーチパトロールも北米芝GⅠ・3勝。セクレタリアトS、アーリントンミリオンSなど2000m、2400mで活躍した。マイルまでということはないだろう。ハンデとの戦い次第ではないか。


シリウスSに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。


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