【セントライト記念】前走ダービー組から実績を素直に信頼 東大HCの本命はソールオリエンス
東大ホースメンクラブ
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3枚の切符を懸けて
今週月曜日、中山競馬場でGⅡ・セントライト記念が行われる。菊花賞トライアルとして重要な東の前哨戦で、皐月賞馬ソールオリエンス、ラジオNIKKEI賞3着レーベンスティール、ホープフルS3着馬で2勝クラスを勝ち上がってきたキングズレイン、すみれS勝ち馬シャザーンをはじめ好メンバーが集結した。
およそ1ヶ月後に迫った三冠ロード終着点への3枚の切符を懸けたレース、どんな熱戦が繰り広げられるか期待したい。中山で行われた過去9回(13、15〜22年)のデータから検討する。
格を重視、条件戦組は着差次第
<セントライト記念 前走クラス別成績>
条件戦【3-3-2-59】勝率4.5%/連対率9.0%/複勝率11.9%
OP・L【0-0-1-4】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率20.0%
GⅢ【2-1-1-10】勝率14.3%/連対率21.4%/複勝率28.6%
GⅡ【0-0-1-5】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率16.7%
GⅠ【4-5-4-22】勝率11.4%/連対率25.7%/複勝率37.1%
セントライト記念は前走クラスが重要なファクターとなる。まず連対率、複勝率が最も高いGⅠ組は、そのほとんどが前走ダービー組【4-5-3-19】。また、そこで10着以下に負けていても本レースで【3-3-2-10】複勝率44.4%、複勝回収率153%の成績を残している。ダービー組は着順を問わず軽視禁物だ。
条件戦組、いわゆる「上がり馬」については、数字を見てわかる通り出走数が極めて多いため、好走、凡走どちらの例も多い。この両者を分かつのは前走着差で、0秒3以上勝ちならば【2-2-1-11】複勝率31.3%だが、それ以外ならば【1-1-1-48】複勝率5.9%と厳しい。今年の条件戦組に0秒3以上離して勝ってきた馬はおらず、いずれも後者に当てはまってしまう。
ちなみに前走が1勝クラスか2勝クラスかの差については1勝クラス【2-0-2-37】、2勝クラス【1-3-0-21】であり、2勝クラス組の方が連対率、複勝率が若干高いものの、あまり大きな差はなかった。
逆らえない存在
◎ソールオリエンス
皐月賞では1枠1番から大外一気の形となったが、末脚はメンバー中唯一の上がり3F35秒台をマークし、直線半ばで力強く抜け出したタスティエーラをあっさりと差し切って見せた。まさに鮮烈という言葉が似合う勝ち方だった。ダービーでも難しいスローペースのなか2着を確保。今回のメンバーでは抜けた実績の持ち主で、素直に信頼してよいだろう。ここは是非勝ち切り、次のステップへと駒を進めてほしい。
◯レーベンスティール
全5戦で馬券圏外が1度もない安定感の持ち主。ラジオNIKKEI賞では初めて中団後方での競馬となり、直線では進路取りに苦労する面もあった。しかしながら上がり3Fは最速で、ゴール前でみせたキレ味にも目を見張るものがあった。デビュー以来一貫して1800mを使われており、2000m以上への挑戦は初だが、このメンバーでも見劣りしない能力の持ち主。条件戦時代のように前々で勝負できれば十分戦える。
▲シャザーン
クラシックでは皐月賞6着、ダービー9着といずれも掲示板外に敗れているものの、着差は1秒以内に収まっており、勝負になっていないわけではない。3走前のすみれSは前半5Fが64秒4のスロー、最後の3Fが11秒3-11秒1-11秒4という瞬発力比べのなか、少し離れたシンガリ追走から上がり3F33秒1(最速)を繰り出し、止まらない前の馬を一挙に差し切った。その末脚が一級品なのは疑いなく、展開が向けば上位争いは確実だ。
以下、3歳ながら宝塚記念に挑戦し、それ以来の実戦となるドゥラエレーデ、ラジオNIKKEI賞2着のシルトホルンまで押さえる。馬券は◎1着固定の馬単で勝負する。
▽セントライト記念予想▽
◎ソールオリエンス
◯レーベンスティール
▲シャザーン
△ドゥラエレーデ
×シルトホルン
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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