【日経新春杯】サンライズアースに「2戦2勝のデータ」 メイショウタバルは重賞勝ち舞台で逆襲を期す

三木俊幸

日経新春杯に出走予定のサンライズアース,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

今年の舞台は中京競馬場

1月19日(日)に中京競馬場で行われる日経新春杯(GⅡ・芝2200m)。昨年の優勝馬ブローザホーンはその後、宝塚記念を勝利するところまで飛躍した。

2年ぶりの中京開催となる今年は18頭が登録。過去10年のデータとともに、出走予定馬の主な参考レースを振り返っていく。

先週までAコースが使用された芝コースはイン有利の馬場状態だった。今週からBコースに替わり、仮柵が移動することで伸びていたコースが3m無くなることになる。傾向に変化があるのか注視する必要がある。

日本ダービー【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【2-0-0-0】勝率100.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%

過去10年で前走日本ダービーから参戦したのは、2015年アドマイヤデウスと2022年ヨーホーレイクの2頭。いずれも勝利を挙げており、単回収率も885%と抜群の成績を誇る。今年はサンライズアースがこのデータに該当する。

レースは大外枠からスタートしたエコロヴァルツが逃げ、1000m通過1:02.2というスローペースに。それを嫌ったサンライズアースが捲って3角で先頭へと並びかけるという展開のなか、3番手のインで脚を溜めていたダノンデサイルが直線も最内から伸び、皐月賞馬ジャスティンミラノの追い上げを封じた。勝ちタイムは2:24.3だった。

15番人気だったサンライズアースは、レース序盤では最後方を追走していた。しかし、道中でペースが遅いとみた池添謙一騎手は一気に捲る戦法に出た。

結果的にはダノンデサイルから0.7秒差の4着だったが、レース上がりが33.8と瞬発力勝負になったため、切れる脚が使えるタイプではないサンライズアースにとっては捲ったことが吉と出たと言える。

今回はそのダービー以来、休み明けの復帰戦となるが、速い上がりを求められない今の中京コースは合いそうだ。

菊花賞【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【2-1-2-10】勝率13.3%、連対率20.0%、複勝率33.3%

2017年ミッキーロケット、2019年グローリーヴェイズが優勝を果たし、前走レース別成績では最多タイの2勝を記録。直近は2年連続で3着以内の好走馬を送り出しており、相性は良い。

昨年の菊花賞もスタートからエコロヴァルツが逃げる展開となったが、スローペースとなり1周目のゴール板を通過するところでメイショウタバルがハナを奪う。

しかし、すぐさまピースワンデュックがそれを交わし、さらに3角ではシュバルツクーゲルに加えて後方にいたアドマイヤテラも先頭へと並びかけていくなど、入れ替わりの激しいレースとなった。

それらを見ながら中団で脚を溜めていたアーバンシックが勝負所から徐々にポジションを上げ、最後の直線で外から伸びると、後続に2馬身半差をつけて快勝した。

ショウナンラプンタは道中、中団馬群で脚を溜めていた。2周目の3角ではアーバンシックの直後につけ、ロスなく立ち回るも4着。それでも2着ヘデントールからはタイム差なしで、敗れはしたが能力は発揮したと言える。

メイショウタバルは2周目の4角で一杯になり16着。先行勢にとっては展開が向かないレースで、そもそも3000mの距離は長かったか。今回は神戸新聞杯を制している舞台。距離短縮で見直したい。

日経新春杯に出走予定のメイショウタバル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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中日新聞杯【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-1-15】勝率0.0%、連対率5.9%、複勝率11.8%

計16頭が17回出走し、2018年ロードヴァンドールの2着が最高成績。中京開催では2022年にヤシャマルが9番人気で3着に好走している。

スタンド前の先行争いを制してハナを奪ったのは、斤量58kgで出走したデシエルト。1000m通過58.8のマイペースで飛ばし、隊列は縦長となった。そのまま直線に向くと、坂を駆け上がっても脚色は衰えず、後続に影を踏ませぬ強さでそのまま逃げ切り重賞初制覇を飾った。

このレースで2着に入ったのが斤量57.5kgのロードデルレイだ。中団追走から終始外を回る展開で、直線はジリジリと前との差をつめたがデシエルトには2馬身及ばなかった。どちらかといえば瞬発力を求められる展開で強さを発揮しているが、2400mだった神戸新聞杯を除くと、条件を問わず全て2着以内に好走という堅実さは強みだ。

同じく斤量57.5kgのキングズパレスは後方2番手から直線で大外を回して伸びたが、流石にこの展開では前に届かず0.5秒差の5着。今回は流れに乗りたい。

トップハンデ59kg、前走海外(サウジアラビア)からの休み明けで出走したエヒトは2番手を追走するも、先行勢には向かない流れで9着に終わった。相手強化となるが、ひと叩きされた上積みで前進を期待する。

斤量55kgのマイネルメモリーは後方3番手追走で直線に向いたが、伸びきれず13着だった。2走前のアルゼンチン共和国杯では勝ち馬から0.4秒差5着という成績もあるだけに、200mでも距離延長は歓迎となるはずだ。

エリザベス女王杯【データ:C メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-0-0-4】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

レースの主導権を握ったのはコンクシェル。後続を3馬身ほど引き離し、前半1000mを59.6で通過した。

勝ち馬スタニングローズは4番手追走から機動力を生かし、4角で前との差を詰め、直線に向いて馬場の真ん中から早め先頭へ。そのまま後続を寄せ付けずに勝ち切り、勝ちタイムは2:11.1。2着ラヴェルには2馬身差をつけた。

そこから3/4馬身離れた3着に入ったのが、今回出走を予定しているホールネス。道中は勝ち馬から半馬身差の5番手のインを追走。切れる脚はないものの、最後までしぶとさを見せた。牝馬ながら馬体重530kgを上回るパワータイプ。左回りも4戦4勝、そのうち3勝が芝2200mと好走条件はそろっている。

日経新春杯に出走予定のホールネス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


道中後方4番手を追走していたサリエラは直線で外へと持ち出され、上がり最速タイの33.9の末脚で伸びてきたが、勝ち馬とは0.7秒差の7着だった。こちらは瞬発力が持ち味で、今の中京芝をこなせるかがカギとなる。

比叡ステークス【データ:B メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-0-0】勝率0.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%

マイルCS当日の11月17日に京都競馬場で行われた芝2400mの比叡S(3勝クラス)は、斤量55kgで出走したヴェローチェエラが勝利した。

スタートしてからの先行争いは気合いをつけていったイヤサカが主導権を奪い、1角までの600mが34.5(12.2-10.9-11.4)と速くなった。そこからペースを落としたところでメイショウゲキリンが並びかけ、前2頭が並ぶ展開で1000mを1:00.0で通過する。

中団10番手を追走していたヴェローチェエラは、3〜4角の下り坂を利用して徐々にポジションを押し上げ、直線は馬場の真ん中よりもやや外に進路をとると早め先頭へ。そのまま後続を寄せ付けることなく押し切り3連勝でオープン入りを果たした。

勝ちタイムは2:24.5。外が伸びる馬場状態だったとはいえ、力でねじ伏せたレースぶりは評価したい。この馬も3歳春の京都新聞杯で3着に入るなど堅実な走りをみせており、今回のメンバーで通用するだけの能力は秘めている。

日経新春杯に出走予定のヴェローチェエラ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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