【セントライト記念】ソールオリエンスなど4頭に勝機あり 注目は日本ダービーで負けた馬
門田光生
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前走日本ダービーが好相性
2023年9月18日に中山競馬場で行われる第77回セントライト記念。ご存じの通り菊花賞のトライアルレースで、3着内に入れば優先出走権が与えられる。その菊花賞だが、ここ10年で関東馬が勝ったのは3回だけ。セントライト記念からも3頭しか菊花賞馬が出ておらず、西のトライアルレース・神戸新聞杯の6頭と比べると半分に留まっている。
とはいえ、本番に向けて重要なレースなのは間違いない。2021年タイトルホルダー(13→1着)、2022年アスクビクターモア(2→1着)と、2年連続で菊花賞馬を輩出している。そんな本レースにはどのような傾向があるのか。今回も過去10年の傾向を基にしてデータを調べていきたい。
☆所属
来週に関西でトライアルが控えていることもあり、栗東に比べて美浦所属馬の出走頭数が多く、また連対馬も多く出している。勝率、連対率で比べるとほぼ同じ。所属別ではほぼ差なしとみたい。
また、過去10回で牝馬の出走はなかった。なお、1992年の1着馬レガシーワールドのようにセン馬の出走は可能だが、3着内に入っても菊花賞には出走できない。
☆キャリア
勝ち馬が出ていないのは、キャリア2、3、8戦、そして10戦以上。勝ち馬が複数出ているのはキャリア5~7戦。勝率、連対率ともに悪くなく、キャリア5~7戦の馬を好走パターンに入れておく。
☆前走クラス
最も勝ち馬を出しているのは前走GⅠ組。1着馬が5頭、2着馬も6頭いて連対数最多。勝率、連対率でも上位となっている。
☆前走レース
前走GⅠ組で連対した11頭は全て前走が日本ダービー。成績は【5-6-4-22】勝率13.5%、連対率29.7%で、これが最も相性のいいローテーションとなる。続いてGⅢラジオNIKKEI賞組。こちらは【2-1-1-11】勝率13.3%、連対率20.0%と、日本ダービー組に及ばないとはいえ、悪くない数字を残している。
☆前走着差
前走1着馬の成績は【3-3-3-39】と、ほかのレースと比べて特に成績がいいわけではない。ただ、前走0.4秒以上で勝った馬の成績は【3-1-1-8】で、0.3秒差以内の【0-2-2-31】と比べて非常に優秀だということが分かる。
☆前走距離
今回と同じ2200mを走っていた馬の成績は【0-0-0-10】。意外にも好走馬が出ていない。相性のいいレースで挙げた日本ダービーなどの2400mが【5-6-5-33】、ラジオNIKKEI賞などの1800mが【4-1-2-24】と結果を出している。また、1700m以下からの距離延長で馬券に絡んだ馬はいない。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まずは前走1番人気【5-3-2-21】。ほかの人気だった馬に比べて好走率が高くなっている。続いて前走4~11着は【0-5-5-40】と、サンプル数が多いにもかかわらず、最高着順は2着となっている。
4頭にチャンスあり
セントライト記念の傾向をまとめてみよう。
【好走データ】
A「キャリア5~7戦」
B「前走が日本ダービー、もしくはラジオNIKKEI賞」
C「前走1着馬で、0.4秒差以上勝ち」
D「前走1番人気」
【勝ち馬なし】
E「前走1着馬で、0.3秒差以内勝ち」
F「前走が4~11着」
【連対馬なし】
G「前走が2200m」
今回で中心としたいデータはB「前走が日本ダービー、もしくはラジオNIKKEI賞」。特に日本ダービー組は、連対馬の半分以上を占めており、有力だ。同レースを経てセントライト記念を制した5頭は、日本ダービーで2、14、3、16、15着。好走か大敗か、という結果だが(1着馬が出ていないF「前走が4~11着」というデータがあるので、ある程度は予測できる)、前走で大敗していても十分狙えるということになる。
今年の日本ダービー組はグリューネグリーン(15着)、シャザーン(9着)、ソールオリエンス(2着)。人気的にも、そしてデータ的に考えてもグリューネグリーンが一番面白そうで、プラスデータのA「キャリア5~7戦」にも当てはまる。よって、これを本命とする。
ソールオリエンスはキャリア4戦で、プラスデータのA「キャリア5~7戦」に該当しない。しかし、キャリア4戦馬の成績は【1-0-2-5】と悪いわけではなく、日本ダービーで好走した馬の成績も悪くない。よって対抗評価でいいだろう。残るシャザーンは、勝ち馬が出ていないF「前走が4~11着」に該当し、日本ダービー組から無理に3頭を選ぶ必要もないので、ノーマークにする。
もう1つの好相性レース、ラジオNIKKEI賞組のシルトホルンとレーベンスティールからは、A「キャリア5~7戦」とD「前走1番人気」のプラスデータを持っている後者の方を指名する。
6頭いる前走1着馬のうち、C「0.4秒差以上の勝ち」を満たしているのは、前走1勝クラス勝ちのフレーヴァードだけ。過去に1勝クラスからセントライト記念を制した馬は2頭いるが、ともに前走で0.4秒以上の差をつけて勝っていた。ここにも印を入れておきたい。
ほかで気になる存在なのは、前走が宝塚記念(10着)だったドゥラエレーデ。宝塚記念組の出走は初のケースだが、同レースはこれまで連対馬が出ていないG「前走が2200m」。1着馬が出ていないF「前走が4~11着」にも該当するので、ノーマークとしたい。
今回は印をつけた4頭に勝つチャンスがあるとみて、4頭BOXをおすすめする。
◎グリューネグリーン
◯ソールオリエンス
▲レーベンスティール
△フレーヴァード
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週末、久しぶりに旧友と再会。まったく変わっていなくてひと安心。この業界での数少ない同期の生き残り。お互い、切磋琢磨していきたいものです。
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