【セントライト記念】最大タイム差はダイゴウシュール1.2秒 遅生まれの優勝馬など「記録」を振り返る
緒方きしん
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7馬身差の圧勝、道悪の鬼ダイゴウシュール
9月18日(月)にセントライト記念が行われる。キタサンブラックをはじめ、ナカヤマフェスタやイスラボニータといった数々のGⅠ馬が勝利してきた一戦だ。古くはトサミドリやキタノオー、サクラショウリ、メジロティターンが制しており、歴史と伝統ある一戦でもある。
そんな当レースは接戦が多く、昨年は1着ガイアフォース、2着アスクビクターモアがタイム差なしのアタマ差決着だった。2016年1着ディーマジェスティ、2着ゼーヴィントや2004年1着コスモバルク、2着ホオキパウェーブなど、タイム差なしの決着は過去にも多くある。
本レースにおける最大タイム差は1988年のダイゴウシュール。タイム差は1.2秒、着差は7馬身差と見事なまでの圧勝劇だった。歴代2位のホワイトストーン(1990年)が0.7秒、歴代3位のローゼンカバリー(1996年)が0.5秒というなかで、圧倒的な着差を誇る。
1988年は、雨の降る不良馬場での開催だった。道悪巧者のダイゴウシュールは、セントライト記念の2走前に、条件戦(東京ダ1400m)を重馬場のなかで上がり最速の快勝。その次走しゃくなげ賞(福島芝1800m)でも不良馬場のなか1.7秒差の大差勝ちを収めた。
その年のセントライト記念はダービー3着馬コクサイトリプル、スプリングSの3着馬シンボリマルタンなど、ハイレベルなメンバーが揃っていた。7馬身差の2着となったキクカロイヤルは菊花賞で5着。そこを完勝したダイゴウシュールは非常に才能豊かな馬だったことは間違いない。しかし、怪我などで順調に使うことができず、セントライト記念の次走は翌年の安田記念だった。
ただ、その安田記念も稍重馬場での開催。ダイゴウシュールは久々の実戦で12番人気と人気を落としていたものの、堂々たる競馬を披露。勝ち馬バンブーメモリーから0.2秒差の2着に入った。キャリア数戦でも、多くのファンの記憶に刻み込まれる馬だった。
南半球生まれで3歳重賞を制したロックドゥカンブ
そのダイゴウシュールは6月6日生まれ。上述したローゼンカバリーも6月1日生まれと、完勝劇を見せた馬は遅生まれが多い。ただ、最も遅くに生まれた勝ち馬といえば、ロックドゥカンブだ。
南半球生まれのロックドゥカンブは9月29日生まれ。国内産馬よりかなり遅くに生まれた。しかし3月の新馬戦で勝利すると、500万円以下(現1勝クラス)、ラジオNIKKEI賞と連勝し、無敗のままセントライト記念に参戦。好位から危なげなく抜け出すと、2着ゴールデンダリアの猛追を余裕で退け、デビュー4連勝を達成した。
菊花賞本番では神戸新聞杯組のアサクサキングスと、京都大賞典から参戦したアルナスラインの3着に敗れた。その後、有馬記念4着など実力を示し、引退後は故郷のニュージーランドで種牡馬となった。
セントライト記念の勝ち馬で最も早生まれなのはフェイトフルウォー(1月11日生まれ)。父ステイゴールド×母父メジロマックイーンのいわゆる黄金配合の一頭でもある。それ以降はしばらく1月生まれの馬がセントライト記念を制することはなかったが、2018年ジェネラーレウーノ、2019年リオンリオンと、2年続けて1月生まれの馬が勝利をあげた。今年は1月生まれのドゥラエレーデが参戦を予定しているが、果たしてどのような走りを見せてくれるだろうか。
ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
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