【ユニコーンS】前走クラスと末脚を重視 東大HCの本命はペリエール

東大ホースメンクラブ

2023年ユニコーンステークス 脚質別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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2年連続で波乱、難解に

日曜日、東京競馬場でGⅢ・ユニコーンSが行われる。昇竜Sを一気の末脚で突き抜け勝利したグレートサンドシー、鳳雛S3着ジャスパーバローズ、2勝クラス(2勝C)で4馬身差をつけ逃げ切ったニシノカシミヤ、ここまで全レースで馬券に絡むブライアンセンス、UAEダービー4着のペリエールなどが出走を予定している。

20年までは上位人気馬の勝ちが続いていたが、一昨年は1着スマッシャー(7番人気)、2着サヴァ(14番人気)で馬連が50,600円つき、昨年も1、2着がペイシャエス(7人)、セキフウ(9人)で馬連は23,180円ついた。今年もこの波乱傾向は続くのか。過去10年のデータから検討する。


軸は前走2勝C以上組から

ユニコーンSの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<過去10年のユニコーンS・前走クラス別成績>
1勝C【0-0-5-50】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率9.1%
2勝C【1-0-0-2】勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率33.3%
OP・L【6-9-5-53】勝率8.2%/連対率20.5%/複勝率27.4%
重賞【1-0-0-9】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率10.0%
地方【2-0-0-5】勝率28.6%/連対率28.6%/複勝率28.6%
海外【0-1-1-5】勝率0.0%/連対率14.3%/複勝率28.6%

まず前走クラス別成績から確認すると、勝ち馬はすべて2勝C以上のレースから臨んでいた。波乱傾向といっても前走1勝C組は3着止まりで、単勝5番人気以内だった馬に限っても【0-0-1-5】。過剰人気に気を付けたい。

最も連対例が豊富な前走OP・L組についても成績の内訳を見る。まず目につくのは、前走ダートで6着以下に敗れた馬が【0-1-0-15】と不振なことである。OPで大敗しているようでは、よりメンバーレベルの上がるここで巻き返すのは難しい。唯一馬券に絡んだのは先述のサヴァ(伏竜S9着)だった。

またダ1400mのOPを使ってきた馬も【1-2-0-13】と比較的不調で、唯一の勝ち馬がスマッシャー(端午S3着)。昨年はリメイクがスマッシャーと同じ端午Sから出走し1番人気に推されたが、6着に敗れている。距離延長はマイナス材料の一つと言えそうだ。

ユニコーンSの脚質別成績,ⒸSPAIA


<過去10年のユニコーンS・脚質別成績>
逃げ【1-1-0-8】勝率10.0%/連対率20.0%/複勝率20.0%
先行【5-3-2-32】勝率11.9%/連対率19.0%/複勝率23.8%
差し【3-3-5-45】勝率5.4%/連対率10.7%/複勝率19.6%
追込【1-3-4-38】勝率2.2%/連対率8.7%/複勝率17.4%

続いて脚質別成績を軽く振り返ると、若干ながら前で進めた馬に有利な傾向が見られる。ペイシャエスやサヴァなど穴馬の活躍もあって、4角4番手以内だった馬の複勝回収率は130%と優秀である。特に上がり3Fが3位以内だと【5-0-0-0】とパーフェクト。19年に逃げ切ったワイドファラオも上がり3F37秒1、メンバー中3位でまとめていた。

また3勝を挙げている差し馬も、上がり3Fが3位以内だと【3-3-2-1】で複勝率は88.9%に達する。この中にはスマッシャーに加え、20年に11番人気ながら3着に入る激走を見せたケンシンコウも含まれている。とにかくキレ味を重視すべきだ。

OP勝ちの舞台なら力示せる

◎ペリエール
UAEダービーは距離の問題もあってか4着確保が精一杯だったが、今回はヒヤシンスSと同じ東京ダ1600mに戻る。そのヒヤシンスSでは次走で鳳雛Sを制すエクロジャイトや、今回も対戦するグレートサンドシーらを退けて勝っている。それだけでなく、2着ゼットリアンは4角3番手、3着エクロジャイトは4角先頭で進めており、かつ最後の3Fのラップは12秒4-12秒4-12秒4と前も止まっていない。これを捉え切ったのは見事と言え、同舞台のここでもいい結果を残してくれるだろう。

◯ニシノカシミヤ
前走は約3ヶ月ぶりかつ古馬に混じってのレースとなったが、4馬身差をつけ難なく逃げ切ってみせた。52kgという斤量にも恵まれたが、メンバー中2位の上がり3F35秒3(重馬場)を計時しているように、直線でもうひと伸びする力がある。また芝発走のレースを前走含め何度も経験していることも心強い。デビュー戦から乗る永野猛蔵騎手に初重賞をプレゼントできるか。

▲ブライアンセンス
2戦連続で東京ダート1600mの1勝Cを使われており、抜けた1番人気に支持された前走は2馬身半差の差し切り勝ち。1分36秒5という勝ちタイムも優秀だが、上がり3Fは37秒0(良馬場、メンバー中1位)をマークしていて、高く評価できる内容と言えるだろう。ただ前述の通り前走1勝C組は3着止まりのデータがあるため▲評価とした。

以下サンライズジーク、グレートサンドシー、ラフエイジアンまで印を回す。グレートサンドシーの昇竜Sでの突き抜け方は一見派手だが、ラスト1Fが13秒1と極端に遅く、他馬が止まっているだけの可能性もある。ここが試金石と見て、相手で押さえる程度にとどめたい。買い目は◎軸、◯以下相手の3連複とする。

▽ユニコーンS予想▽
◎ペリエール
◯ニシノカシミヤ
▲ブライアンセンス
△サンライズジーク
×グレートサンドシー
☆ラフエイジアン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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