【ユニコーンS】Cアナライズは「前走不利データ」を持つグレートサンドシーを推奨  打倒ペリエールの一番手

貴シンジ

ユニコーンステークス(過去10年)の主な前走クラス別成績,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

函館スプリントSではトウシンマカオと複軸としてキミワクイーンを推奨し、前者は3着、後者は1着だった。評価が逆であれば100点満点だったが、まずまずの内容だったのではないのだろうか。さて、今回は6月18日(日)に東京競馬場で行われるユニコーンSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった17頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。


重要データ:前走OP組や兵庫CS、UAEダービー組を警戒

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


来年からは地方競馬のダート三冠にJRA所属馬が出走可能になる。ローテーションも様変わりするかもしれないが、今年まではユニコーンSがJRAの3歳ダート馬にとって、現時点の最強馬を決める一戦と言えるだろう。

UAEダービーや兵庫CSなど重賞級のレースは地方や海外が中心となっていて、JRAで走ってきたトップ戦線のダート馬はOPクラスのレースを使っていることが多い。

前走クラス別データでは1勝クラス【0-0-5-50】、2勝クラス【1-0-0-2】、OP【6-9-5-54】、GⅢ【0-0-0-1】、GⅡ(JpnⅡ含む)【2-1-1-9】、GⅠ【1-0-0-6】となっている。なおGⅡには兵庫CSとUAEダービーも含んでいる。GⅢ、GⅠの好走率が低くなっているのは、JRAでの3歳世代のダート重賞はユニコーンSが最初で、必然的に芝のレースからの臨戦だった馬が多いからだろう。

極端に母数の少ない2勝クラスを除いて、勝率や複勝率で考えれば、UAEダービーと兵庫CSを中心とした前走GⅡ組や、OP組が抜けて良い数字だ。

もう少し深掘りすると、前走GⅡ組の勝ち馬2頭はいずれも兵庫CSの2着馬。複勝圏内なら前走着外からもきているが、あくまで勝ち馬を狙うということで言えば、兵庫CSとUAEダービー3着以内が加点ラインだろう。そう考えると今回人気が予想されるペリエールはデータ的には割引となる。

OP組だと、勝ち馬は全て前走5着以内から出ており、ここから狙っていくのがいい。

【前走兵庫CSかUAEダービー3着以内の出走予定馬】
該当馬なし

【前走OP組で5着以内の出走予定馬】
・グレートサンドシー
・ジャスパーバローズ


前走不利データ:昇竜Sのグレートサンドシー

グレートサンドシーの前走は昇竜S1着。同レースは中京開催に変わった14年以降、スパイラルカーブの影響で大外ぶん回しでは差し届かない。4角12番手以下の位置取りだった馬は過去10年で【1-0-0-12】となっている。

ちなみに勝利したのは19年のデュープロセス。同馬は1枠1番からの発走で4コーナーも内を回り、直線だけ外に持ち出す形。3~4コーナーで大外を回して後方から差し切ったのは、近10年でグレートサンドシーだけだ。確かにレース自体はハイペースで後方にも展開は向いたが、上がり2位のモズアカボスより0.8秒速い上がりを記録したことから、後方勢の中でも突出して強かった。

4着マニバドラが次走2勝クラス勝ち、6着スマートフォルスが端午S勝ち、13着ニシノカシミヤが2勝クラス勝ちと、レースレベルも非常に高かった。


血統解説:グレートサンドシー、ブライアンセンス、ペリエール

・グレートサンドシー
米国産馬で母Game for Moreは重賞こそ手が届かなかったが、現役時4勝を挙げステークス競走でも上位争いをした馬。祖母以前はそれほど活力のある牝系ではなかったが、母が抜群に優秀な繁殖だった。本馬の甥にあたるSkellyがカウントフリートスプリントH(GⅢ・ダート6F)、半兄IsothermはサンマルコスS(GⅡ・芝10F)をそれぞれ勝利。ほかにも兄弟がエイコーンSやBCジュヴェナイルなどで好走しており、まさに牝系に勢いが出てきた一族と言えるだろう。

本馬はInto Mischiefを父に迎えた。配合次第では芝も走らせることができるであろう母だが、Into Mischief産駒となるとダートに適性が寄るのは自然な流れ。ここまで1400mで2勝、1600mのヒヤシンスSでは4着と敗退していることや、同産駒は短い距離を得意とする馬も多いことから、距離不安がささやかれるかもしれない。しかし、母のスタミナをしっかり受け継いでいて、馬体的にも1600mは全く問題ない。中京であの末脚が使えるなら、東京への舞台替わりは上積みだ。

グレートサンドシーの血統表,ⒸSPAIA


・ブライアンセンス
日本での牝祖は祖母オリジナルスピン。競走馬としてはそこまでの実績を残すことができなかった同馬だが、繁殖としては重賞6勝のインカンテーションをはじめ、複数勝利馬を多数輩出した実績がある。本馬の母ヒラボクビジンも、現役時はダート中距離を中心に4勝を挙げた。母系にあるMachiavellianがいい仕事をしていて、長くいい脚を使えるのが特徴だ。

本馬はホッコータルマエ×ブライアンズタイムという組み合わせだけに、ダート中距離が主戦場になるのは必然。ホッコータルマエ産駒だけあって、先行していい脚を使えるタイプに出た。東京コースは悪くないが、もう少し距離があっても良いかもしれない。

ブライアンセンスの血統表,ⒸSPAIA


・ペリエール
3代母スキーパラダイスが日本での牝祖。同馬といえば自身は現役時ムーラン・ド・ロンシャン賞(GⅠ・芝8F)を勝利。繁殖としては阪神牝馬S勝ちのエアトゥーレを輩出し、そこから皐月賞馬キャプテントゥーレやステイヤーズS勝ちのシルヴァーソニックが出ている。

本馬の祖母はエアトゥーレの半妹アスピリンスノーで、フローラS3着の実績がある。しかし牝系の枝としてはどうしてもエアトゥーレ系に見劣る。

スタミナ豊富なファミリーから徐々にスピードタイプに変化してきた枝で、本馬もヘニーヒューズ×フジキセキでどちらかといえばスピードタイプのダート馬に出た。UAEダービーは初の海外遠征や若干距離が長かったこともあり負けてしまったが、今回は完勝したヒヤシンスSと同じ舞台に替わる。間違いなく適性通りのコースで、ここでも当然勝ち負けだろう。

ペリエールの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではグレートサンドシーを推奨

今回のCアナライズではグレートサンドシーを推奨する。2走前のヒヤシンスSではペリエールに敗北しているが、この時はスタートで後手を踏み、直線でも狭いところを通らざるをえなかった。前走不利データも持ち合わせていて、ヒヤシンスSを走った馬の中でペリエールを逆転できるとしたらこの馬しかいないだろう。一方で同馬は遠征帰り初戦が気になるだけに、こちらが一番人気になるなら相手筆頭という評価に留めたい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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