【ユニコーンS】登録馬の過半数が連対なしデータに該当 本命は最多のプラスデータを持つグレートサンドシー
門田光生
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1勝クラス組は連対なし
2023年6月18日に東京競馬場で行われる第28回ユニコーンS。第1回は1996年に中山競馬場で行われ、1着入線のバトルラインが10着に降着するという、波乱の幕開け。繰り上がって1着となったシンコウウインディは、のちにフェブラリーSを制してGⅠ馬となった。
以降も第2回タイキシャトル、第5回アグネスデジタル、第10回カネヒキリ、第21回ゴールドドリーム、第25回カフェファラオなどの著名馬が出ているように、一流馬になるための登竜門にもなっている。そんな注目のユニコーンSにはどのような傾向があるのか。過去10回の成績を基にして検証していきたい。なお、2013年に3着同着が発生しており、3着の合計回数が「11」となっている。
☆所属、性別
美浦所属馬が8連対(4勝)、栗東所属馬は12連対(6勝)。勝率、連対率でも栗東所属馬がわずかにリードしている。
性別では極端な結果が出ていて、勝ち馬すべてが牡馬。牝馬は2着が2頭いるだけで、2014年のコーリンベリー以来、連対馬が出ていない。
☆キャリア
勝ち馬のうち、キャリア最少は2020年カフェファラオの2戦で、最多は2014年レッドアルヴィスと2021年スマッシャーの7戦。最も連対馬が出ているのはキャリア6戦(3勝、2着3回)で、出走頭数も最多。キャリア8戦以上から勝ち馬が出ておらず、9戦を超えると連対馬がいなくなる。
☆前走クラスと前走
前走オープン・L組から6頭の勝ち馬が出ており、2着馬は9頭もいる。そのオープン・Lのレースで相性がいいのは、6連対の青竜S、3連対の端午Sと伏龍S、そして2連対の鳳雛S。なお、連対した牝馬2頭は、いずれも端午S経由だった。また、兵庫CS組は6頭いて、2頭が1着。これも相性のいいレースといっていいだろう。
連対馬が出ていないのは1勝クラス、国内GⅡ、GⅢ組。特に1勝クラス組は55頭が出走して連対馬が出ていないのだから、基本的に力が足りないのだと思われる。また、前走で芝を走っていた馬は13頭いるが、連対したのは2019年の1着馬ワイドファラオ(前走NHKマイルC)だけ。ちなみに、ワイドファラオはこのレースが初のダート戦だった。
☆前走着順
連対馬を最も多く出しているのは前走1着馬と同2着馬で、ともに6連対。ただし、前走1着馬の勝率2.6%、連対率7.9%に対して、同2着馬は勝率21.4%、連対率42.9%と、かなり開きがある。
また、前走4着馬(3連対)は該当馬が8頭と少ないが、勝率25.0%、連対率37.5%と、同2着馬に続いて高水準。なお10着以下だった場合、連対馬は出ていない。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみよう。まずは外国産馬。16頭が出走して2勝、2着2回と高い連対率を残している。ダートの本場・米国生まれが大半だが、2019年の2着馬デュープロセスは英国産だった(ちなみに、父はダイワメジャー)。
続いてマイナスデータの方だが、5月生まれの馬は17頭出走して、なぜか1頭も連対馬が出ていない。
登録馬の半分以上が連対なしのデータ持ち
では、ユニコーンSのデータをまとめてみよう。
【好走データ】
A「栗東所属馬」
B「前走がオープン・L or 兵庫CS」
C「前走2 or 4着馬」
D「外国産馬」。
【勝ち馬なし】
E「キャリア8戦」。
【連対馬なし】
F「キャリア9戦以上」
G「前走が1勝クラス」
H「前走10着以下」
I「5月生まれ」。
今回の注目データは、過去10年で連対馬がいないG「前走が1勝クラス」。対象馬が7頭登録しているが、過去に55頭が出走して1回も連対馬が出ていないのだから、データ的にはノーマークでいいだろう。同じく連対馬が出ていない、F「キャリア9戦以上」、H「前走10着以下」、I「5月生まれ」のどれかに該当する馬も消す。
残ったのは、半分以下の6頭。このうち、最多のプラスデータ(3つ)を持つのが、グレートサンドシー(ABD)だけ。よって、本命はグレートサンドシーで決まりだ。ほかの重賞に比べて前走1着馬の勝率はよくないが、1勝クラスを勝ってユニコーンSで負けた馬が55頭と、大半を占めているのが大きい。前走1着からここを制した2頭は、オープン・Lからの臨戦で、過去の好走例にも合致する。
続いて2つのプラスデータを持つカレンアルカンタラとベンダバリラビア。ともに鳳雛Sで負けているが、過去10年で同レースを経て馬券に絡んだ3頭はいずれも前走で負けていた。押さえはプラスデータが1つのペリエールとラフエイジアン。
ペリエールは昨年の2着馬セキフウと同じUAEダービー組。海外組は【0-1-1-5】とサンプルが少ないが、日本調教馬がこれだけサウジアラビアやドバイで好成績を残していれば、これからこのパターンがどんどん増えていくと思われる。ラフエイジアンは最多の連対馬を出している青竜S組ということで、印は回しておきたい。
◎グレートサンドシー
◯カレンアルカンタラ
▲ベンダバリラビア
△ペリエール
×ラフエイジアン
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
先週、同業の記者さん、そして実況アナウンサーさんと夕食をご一緒させていただきました。各自SNS用と思われる写真を撮っている中、SNSの類を全くやっていない私はピースして他人の写真に収まるだけ。こんなところでも世代格差を感じました(笑)。
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