【函館スプリントS】3歳勝ち馬は全て「桜花賞組」 重賞馬ブトンドールが古馬撃破だ

門田光生

2023年函館スプリントステークスの前走クラス別成績,ⒸSPAIA

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桜花賞組に注目

2023年6月11日に函館競馬場で行われる第30回函館スプリントS。北海道シリーズが始まると、いよいよ夏の到来、という気分にさせてくれる(といっても、現実はまだ梅雨真っ只中ではあるが)。

現在の函館スプリントSという名前になったのは1997年の第4回から。勝ち馬は、のちにGⅠ高松宮記念を制するマサラッキ。GⅠはその1勝のみだが、ファンの多い馬だった。条件戦を走っていた頃から坂路で時計が出ていた馬で、ゴムまりのように弾むような走りで、私も大好きだった。

第1回は1994年に札幌競馬場で行われ、レース名も「札幌スプリントステークス」。勝ち馬は、のちに香港に遠征したゴールドマウンテン、2着には名牝ベガの姉ニュースヴァリュー。今日の昼ごはんを思い出せなくても、ひと昔前のことはよく覚えているのは、なぜなんでしょうね?

さて、そんな函館スプリントSにはどのような傾向があるのか。過去10年の傾向を基に検証していこう。

2023年函館スプリントステークス出走馬の所属別成績,ⒸSPAIA
2023年函館スプリントステークス出走馬の性別成績,ⒸSPAIA
2023年函館スプリントステークス出走馬の年齢別成績,ⒸSPAIA


☆所属、性別と年齢
北海道は東西中立の地となるが、このレースの出走馬は美浦49頭、栗東97頭と、栗東所属馬がほぼ倍となっている。成績は美浦3勝(4連対)、栗東7勝(16連対)。勝率に大きな差はないが、連対率では栗東所属馬が約2倍の数字を出している。特にここ3年は、連対した6頭がすべて栗東所属馬だった。

性別は牡馬・セン馬が94頭、牝馬が52頭出走し、前者が7勝(14連対)、後者が3勝(6連対)。勝率、連対率は牡馬・セン馬が少し上回っている。勝った牝馬3頭はいずれも栗東所属の3歳馬で、2着の3頭も栗東所属馬。つまり、美浦所属の牝馬から連対馬が出ていないことになる。また、4歳以上の牝馬は勝っていないことになる。

年齢別で見てみると、最も連対馬を出しているのは5歳(3勝、6連対)。勝ち馬だけなら、3歳馬も3勝を挙げている(2着は2回)。3歳馬は出走頭数が4~6歳よりも少ないので、勝率、連対率で比較すると最も優秀な世代となっている。また上記で書いたように、3歳馬の勝ち馬3頭はすべて牝馬である。

2023年函館スプリントステークス出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
2023年函館スプリントステークス出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
上はGⅠ、下は3勝クラスまで、まんべんなく勝ち馬が出ている。その中で、前走GⅠ組が5勝と抜けた数字。ただし、出走頭数も前走オープン・L組に次いで多く、勝率、連対率で抜けているわけではない。

GⅠで勝ち馬が出ているのは、桜花賞(3勝)と高松宮記念(2勝)。過去に勝った3歳牝馬は、いずれも前走で桜花賞を走っていたことになる。距離適性の関係でオークスをあきらめ、すぐさま短距離路線に矛先を向けたのがいい方に出ているのかもしれない。GⅡの京王杯SCからも2頭の勝ち馬が出ているが、今年はこの路線からの参戦はない。

2023年函館スプリントステークス出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走5着以内と好走した馬は57頭いて、4勝、2着6回。このうち、前走2、4、5着から勝ち馬が出ておらず、また前走5着からは連対馬すら出ていない。

2023年函館スプリントステークス出走馬のその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったのは、前走馬体重。前走458キロ以下だった馬は【0-2-1-20】と、勝ち馬が出ていない。平坦の函館コースを思えば、意外なデータなのかもしれない。


ブトンドールが古馬を撃破

函館SSの傾向をまとめてみよう。

【好走データ】
A「栗東所属」
B「3歳馬、特に牝馬」
C「前走が桜花賞もしくは高松宮記念」

【勝ち馬なし】
D「4歳以上の牝馬」
E「前走2着or4着」
F「前走馬体重458キロ以下」

【連対馬なし】
G「前走5着」

プラスデータC「前走が桜花賞」を満たせば、自動的にB「3歳牝馬」もクリアすることになる。さらにA「栗東所属」なら完璧。今年はA~C全てに該当するブトンドール、ムーンプローブの2頭が登録。両者はローテーションをはじめとして似ているところが多いのだが、相違点を探してみる。

まず前走着順は、ブトンドールは9着でムーンプローブは17着。桜花賞からこのレースを勝った3頭の前走着順を調べてみると、17、9、3着で、両馬とも過去の勝ち馬と一致していた。続いて実績だが、同じく過去の勝ち馬3頭は、それまでに重賞勝ちしていた。これに当てはまるのは、函館2歳Sを勝っているブトンドールのみ。よって、今回はこちらを上に取りたい。

2番手としたムーンプローブも、2走前にフィリーズレビューで連対→桜花賞→函館スプリントSというのは、2016年1着馬ソルヴェイグ、2022年1着馬ナムラクレアと同パターン。逆転があっても不思議はない。

以下は横一線になるが、桜花賞の次に相性がいい高松宮記念組のウォーターナビレラ、トウシンマカオは入れておきたい。

押さえ候補だが、近3年の傾向を調べてみると、まず目立つのが栗東所属馬の6連対。続いて前走3着馬が3勝しているが、残念ながら今回は該当馬なし。あとはロードカナロア産駒が3連対と相性のよさを見せている。今回、ロードカナロア産駒は4頭登録しているが、うち栗東所属馬はジュビリーヘッドとテイエムトッキュウの2頭。これが押さえとなる。

◎ブトンドール
◯ムーンプローブ
▲ウォーターナビレラ
△トウシンマカオ
×ジュビリーヘッド
×テイエムトッキュウ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。先週の金曜日、台風と梅雨前線の影響で、日本各地で大雨となりました。この日は園田競馬場でナイター競馬。電車が止まると困るからということで、いつもより1時間ほど早く家を出発して万全と思いきや、現地に到着すると「開催中止」の一報。どうやら移動中に中止が決まったようで、まさか家を早く出たことが裏目に出るとは……。

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