【中山金杯】新春恒例ハンデ重賞は今年も混戦! データからはアラタ、ラーグルフ、カレンルシェルブルらが浮上

勝木淳

2023年中山金杯データ,ⒸSPAIA

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混戦ハンデ重賞も、うさぎ年は2回連続1番人気勝利

中央競馬、年のはじめは中山金杯。騎手、調教師らの成績もリセットされ、我々の馬券収支もゼロに戻る。晴れやかな気分で迎える縁起物の重賞だが、これが冷静に状況を考えると、ひと筋縄ではいかない。寒中競馬、中山芝2000m、GⅢのハンデ戦。正月ボケから強制的に目を覚まさせてくれるパンチの効いた重賞だ。データは過去10年間のものを使用する。

人気別成績,ⒸSPAIA


うさぎ年の中山金杯は1999年サイレントハンター、2011年コスモファントムと2回連続で1番人気が勝利。過去10年でも1番人気は【3-1-4-2】勝率30.0%、複勝率80.0%と信頼度は高く、軸はとりあえず1番人気でもよさそう。2番人気【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%、勝ち馬は5番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%まで。複勝率でもほぼここまでが横一線。人気がアテにならないイメージもあるが、案外素直に人気順を信頼していい。

年齢別成績,ⒸSPAIA


それぞれ1歳年を取ってすぐなので、前年3歳の4歳が優勢かと思いきや、4歳は【2-3-2-19】勝率7.7%、複勝率26.9%、5歳が【3-3-2-18】勝率11.5%、複勝率30.8%と好成績。6歳【3-4-3-33】勝率7.0%、複勝率23.3%、7歳【2-0-3-34】勝率5.1%、複勝率12.8%まで年長馬優勢。4歳はこの時期、ハンデ戦であっても3歳時より斤量差が少なくなる。春に向けて休養している馬も多く、少しレベルが下がるのも要因のひとつだろう。

ポイントはなんだかんだと重賞好走

今年も4歳は世代限定重賞勝ち馬のフェーングロッテン、マテンロウレオなど上位人気評価を受けそうな馬がいるので、ここはよく検討したい。そこで前走クラス別成績から具体的に好走パターンを探ることにする。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走がGⅠだった馬は【1-1-1-19】勝率4.5%、複勝率13.6%とやや物足りない。好走はマイルCS【1-1-0-0】、天皇賞(秋)【0-0-1-6】。フェーングロッテンの前走菊花賞は【0-0-0-8】。2番人気3頭、3番人気3頭と上位人気でみんな負けている。エリザベス女王杯だと【0-0-0-3】。クリノプレミアム、ウインキートスは微妙だ。

GⅡ【4-1-0-17】勝率18.2%、複勝率22.7%はかつて12月施行だった金鯱賞【2-1-0-6】が含まれるので、取り扱いに注意。これを除くとレインカルナティオが当てはまる前走アルゼンチン共和国杯【1-0-0-3】勝率、複勝率25.0%ぐらい。勝ったのは18年セダブリランテス。アルゼンチン共和国杯3着。ハンデは54から55キロに増えての好走だった。ハンデ据え置きは【0-0-0-3】。執筆時点でハンデ未確定だが、レインカルナティオの斤量増は考えにくいか。

前走GⅢ・レース別成績,ⒸSPAIA


次に前走GⅢ【2-5-5-46】勝率3.4%、複勝率20.7%も検討しよう。有力はチャレンジC【1-4-4-15】だが、今年は有力馬不在。また同距離のハンデ戦である福島記念は【1-1-1-15】勝率5.6%、複勝率16.7%。こちらは4着以内【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%、5着以下【0-0-0-8】。福島記念組からは3着だったアラタを買いたい。さらに福島記念から斤量が増えると【1-1-0-3】勝率20.0%、複勝率40.0%。56キロだったアラタのハンデには注意しょう。

マテンロウレオらが当てはまる前走中日新聞杯は【0-0-0-10】。もっとも出走は中日新聞杯3着以下ばかりで、8頭は6着以下。2着だったマテンロウレオを消す材料にするのはどうだろうか。

昇級組はレッドランメルトよりラーグルフ、カレンルシェルブル

重賞組はアラタが好走候補に浮上。逆に言えば、これ以外は怪しく、オープンや3勝クラスからここに来る馬にも可能性はある。この2クラスは距離で好走候補を絞る。

前走オープン・L・距離別成績,ⒸSPAIA


前走オープン・L組は前走2000m出走が【1-1-1-8】勝率9.1%、複勝率27.3%で絞りやすい。アンドロメダS10着ヒュミドールはどうだろうか。中山は悪くない。もっともアドマイヤビルゴが当てはまる前走2000m未満も【1-1-1-28】勝率3.2%、複勝率9.7%で来ないわけではない。

前走3勝クラス・距離別成績,ⒸSPAIA


ラーグルフ、レッドランメルトの4歳勢やカレンルシェルブルが当てはまる前走3勝クラスは、延長になる2000m未満【0-0-0-7】、2000m【1-1-2-2】勝率16.7%、複勝率66.7%とさらに対照的。昇級で即通用するには距離変化がない方がいい。レッドランメルトではなく、ラーグルフやカレンルシェルブルを買いたい。登録数が多く、除外の心配もあるが、出走できれば注意だ。

2023年中山金杯に関するデータ,ⒸSPAIA



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。

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