【2歳馬ジャッジ】リューベックは全姉ディアドラを超えるような国際的な名馬となれるか?

山崎エリカ

2歳戦PP指数ジャッジ,ⒸSPAIA

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目指せ「2歳戦で大儲け」


このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は函館で良血馬リューベックが逃げ切り勝利を収め、福島ではミッキーブンブンが3馬身差で勝利した7月3週目の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで



7月17日(土) 小倉6R 優勝馬 スリーパーダ 指数-1 評価A
好スタートを決めて出脚も良かったが、行きたい馬を行かせて4番手からレースを進めたスリーパーダ。こう書いてしまうと平凡に見えるが、競馬は好位から勝利することが一番難しく、高い能力が要求される。

ラスト2Fを11秒7-11秒7と同ラップを刻んだあたりも余裕を感じさせ、奥があることがわかる。スリーパーダの兄姉は活躍馬がズラリと揃っている。新馬戦のラスト2Fで11秒4-11秒0という破格のタイムを記録した姉シンハライトは別格としても、他の兄姉たちにはそこまで見劣らない新馬戦の内容だった。順調ならばスリーパーダも上のクラスでの活躍が期待できそうだ。


7月18日(日) 小倉2R 優勝馬 コナブラック 指数-5 評価B
前へ行く3頭を見ながら、2列目外の位置でレースを運ぶことができたコナブラック。クビ差2着のアランヴェリテが後続を引き離し、この時期の未勝利戦としてはなかなか良い指数を記録した。デビュー戦からの着実な前進を見せたことは評価できる。

コナブラックはレースを理想的に進めての1着だっただけに、昇級後即通用となると微妙なところ。ただ順調に使い込めそうなタイプで、後々の活躍が期待できそうだ。2着のアランヴェリテの指数も未勝利クラスだと明らかに上位で今後も活躍が期待できそうだ。


7月18日(日) 小倉5R 優勝馬 グーデンドラーク 指数-3 評価B
グーデンドラークはスタート直後に内の馬を怖がり少し外にヨレたが、そこから楽に前につけ好位でレースを進めた。直線半ばでは先頭に立ち、そこからもジワジワと後続を引き離しての勝利だった。

ラスト2Fは11秒7-11秒9とマズマズだが、上がり3Fのタイム35秒4と同日の芝中距離のレースと比較してもなかなかの好タイム。全兄に京都2歳Sを勝利したベルラップ、全姉に現在活躍中のカセドラルベルがいる。兄姉以上の活躍が期待できそうだ。


7月18日(日) 函館1R  優勝馬 アウトパフォーム 指数-6 評価B
新馬戦では好スタート、好ダッシュを見せたためにオーバーペースとなり、失速してしまったアウトパフォーム。今回は折り合いながらのマイペースの逃げで、そのままメンバー最速の上がり3Fタイムを記録しての完勝。前走で厳しいペースを経験したことが今回に繋がった。

走破タイムは前日の函館2歳Sよりも速く、同日古馬1勝クラスよりも速かった。ただこのレースは1レース目で、馬場状態が午後のレースよりも良かった。よってそこまで高い指数とはいかないが、キャリア2戦目の2歳馬としては高評価できる内容。順調に使われてしぶい活躍をしてくれそうだ。


7月18(日) 函館5R 優勝馬 リューベック 指数-4 評価AAA
国際的な名馬ディアドラの全弟ということで圧倒的な1番人気に支持されたリューベック。マイペースの逃げからラスト2Fを11秒6-11秒6と最後まで減速せずに勝利した。数字上はかなり優秀、文句なしだ。ただ最後の直線でヨレたのは多少苦しくなったからで、その点はマイナス。

しかし、北海道芝中距離の新馬戦で最後までラップを落とさず勝利することはかなり難しい。これをクリアできた馬はほとんどが出世している。例外は明確に覚えているところで2011年札幌の新馬戦でラスト2Fを11秒4-11秒3だったマカハくらい。

ただマカハが勝利した新馬戦で2着だったグランデッツァはその後出世しており、マカハはかなりの例外だったのだろう。リューベックはディアドラの全弟と言う血統背景で、大きな期待をしても良さそうだ。


7月18日(日) 福島1R  優勝馬 シゲルファンノユメ 指数-3 評価A
新馬戦では4角で外を回されながらもよく追い込んで2着だったシゲルファンノユメ。今回も道中しっかり折り合い、直線で鋭い末脚を発揮して勝利した。

最後の直線で他馬を交わす時に見せた加速力には数字以上のものを感じた。これでデビューから2戦連続メンバー最速の上がり3Fタイムを記録。次走は上のクラスでのレースになるが、十分通用する素質を秘めている。


7月18日(日) 福島5R 優勝馬 ミッキーブンブン 指数-5 評価AA
スタートがあまり良くなく、後方からのレースとなったミッキーブンブン。3角過ぎから徐々にポジションを上げると、最後まで長く良い脚を使い2着に3馬身、3着に9馬身もの差をつけて勝利した。

ラストの2Fは12秒3-11秒9と最後まで加速している。福島のタフな馬場でこのラップでは後続が離されてしまうのも当然。とにかく強かった。ただ、今回は差しでの勝利、勝ちに行く競馬をすると意外な脆さを出す可能性はあるので、まだ全幅の信頼は置けない。それでもスタミナはかなり秘めているので、条件が揃った時に大仕事をしてくれそうなタイプだ。

2歳戦PP指数ジャッジ,ⒸSPAIA



※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)リューベックの指数「-4」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.4秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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