【ホープフルS】すべての好データに該当したクロワデュノール GⅠ制覇に向け視界良好

門田光生

ホープフルSの前走人気別成績(過去7回),ⒸSPAIA

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前走レースがポイント

2024年12月28日に中山競馬場で行われる第41回ホープフルS。2014年に現在の名称となってGⅡへ昇格。2017年にGⅠ格付けとなってからはサートゥルナーリアやコントレイルなど後の活躍馬を輩出しており、クラシックへつながるレースとしても定着しつつある。

1年のしめくくり、ホープフルSにはどのような傾向があるのか。今回はGⅠ昇格後の7年の成績を基にして検証していく。

☆所属
美浦1勝(2連対)、栗東6勝(12連対)。勝率、連対率、複勝率も、栗東所属馬が圧倒している。昨年は美浦所属馬のレガレイラが勝利をあげたが、果たして今年はどうか。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬で馬券に絡んだのは、2023年のレガレイラだけ。といっても、過去7年で4頭しか出走していないので、このデータに関しては、何ともいえない。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
勝率はキャリア4戦、連対率ならキャリア2戦が上位。ここでは9頭の連対馬を出しているキャリア2戦(キャリア4戦は連対馬2頭)が優位とみる。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
前走1勝クラス組は2着が最高で、新馬戦、未勝利戦組からは連対馬が出ていない。リステッド(L)組は8頭出走して【2-2-1-3】連対率50.0%、複勝率62.5%と優秀な成績を残している。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
東スポ杯2歳S(GⅢ時代を含む)から3頭の勝ち馬が出ている。7回で3勝だから、結構な確率だといえる。

アイビーS組は4頭が出走して【1-1-1-1】。好走率で東スポ杯2歳S組を上回っており、リステッド昇格後に出走した3頭は、いずれも馬券に絡んでいた。

ただ、全体的にサンプル数が少ないので参考記録とする。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
3勝、2着6回の前走1着馬、そして連対率、複勝率が37.5%の前走2着馬が優勢。前走4着馬は勝率25%だが、該当馬が4頭しかいないので参考記録とする。

また、前走5着以下から連対馬は出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走で1番人気だった馬が【6-4-2-18】勝率20.0%、複勝率40.0%。2番人気以下【1-3-5-68】勝率1.3%、複勝率11.7%と比べて優秀だ。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走距離
勝ち馬7頭は、すべて前走で1800m以上を走っていた。特に、1800m組からは6頭の勝ち馬を出している。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータは2つ。まずは場所。前走で中山を走っていた馬は17頭いるが、3着が1頭いるだけ。当地経験が全くアドバンテージになっていないとは、これいかに。

続いてローテーション。中2週以内で挑んできた馬は19頭いるが、これも3着が1頭いるだけだ。

その他のデータ,ⒸSPAIA


クロワデュノールがデータで満点

ホープフルSのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「栗東所属馬」
B「キャリア2戦」
C「前走がリステッドかオープン、または東スポ杯2歳S」
D「前走1着か2着」
E「前走1番人気」
F「前走1800m」

【勝ち馬なし】
G「前走が1勝クラス」

【連対馬なし】
H「前走が新馬、または未勝利」
I「前走5着以下」
J「前走が中山」
K「中2週」

登録馬19頭中11頭が、連対馬が出ていない「H~K」のいずれかに該当していた。残る8頭から本命馬を探していく。

プラスデータ「A~F」を、勝率のいい順に並べていくと、C(リステッド)=D(前走2着)>C(東スポ杯2歳S)>E>F>B>A>D(前走1着)の順となる。

実は、プラスデータ「A~F」まで、すべて満たしている馬がいる。それがクロワデュノール。これまで東スポ杯2歳Sから3頭の勝ち馬が出ているが、うち2頭が、今回のクロワデュノールと同じ2戦2勝馬。うち一頭は、三冠馬のコントレイルだ。クロワデュノールも、ここを勝てば将来が楽しみになるのは間違いない。

ピコチャンブラックもBCDEFの5つを満たしており、本来なら本命になってもいい馬。参考記録ながら、好走率が非常に高いアイビーS組というのも魅力だ。

これに続くのが、マジックサンズ(ABDF)、マスカレードボール(BCDF)。この2頭の比較では、ピコチャンブラックと同じくアイビーSを経由したマスカレードボールを上に取る。

連対馬なしデータに該当せず、プラスデータが3つある馬はヤマニンブークリエだけ。勝ち馬なしデータG「前走1勝クラス」に該当しているが、連対率が37.5%あるD「前走2着馬」であることから押さえておく。

◎クロワデュノール
◯ピコチャンブラック
▲マスカレードボール
△マジックサンズ
×ヤマニンブークリエ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
ホープフルSはJRAのトリを飾るGⅠですが、いまだ「最後は有馬記念」という声も根強いですね。来年は有馬記念が年内最後のGⅠとなるようですが、ホープフルSを最後に定着させるつもりがあるなら、ブレたら負け、のような気もします。ちなみに、私は「最後は有馬記念」派です。

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