【有馬記念】穴馬激走のカギは“超長距離GⅠ実績” データから浮上した狙うべき2頭
逆瀬川龍之介
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穴馬激走のカギは“超長距離GⅠ実績”
「有馬記念と相関関係があるレースは?」この問いに多くの競馬ファンから挙がる答えは天皇賞(秋)、ジャパンCだろうか。確かに間違いではない。しかし、グランプリで高配当を狙うのであれば、他の路線に目を向ける必要がある。そして、そこで注目すべきは3000m以上のGⅠ、天皇賞(春)と菊花賞で好成績を収めている馬なのだ。
面白いデータがある。15年以降の有馬記念において、単勝オッズ10.0倍以上で馬券に絡んだ馬は7頭。そのうち牡馬の5頭には意外な共通点がある。
実は「前年以降の天皇賞(春)か菊花賞」で3着以内の実績があったのだ。
これは決して偶然ではない。有馬記念は古馬の王道路線で結果を出した馬が人気を集めるレース。ただ、東京の天皇賞(秋)、ジャパンCでは「高速決着への適性」「瞬発力」が問われるのに対し、中山の有馬記念では「持久力」が求められる。
そのギャップに苦しむのか、19年のアーモンドアイのように人気馬がコロッと負けることもしばしばある。対照的に天皇賞(春)や菊花賞で「持久力」を証明済みの馬は、人気薄でも侮れない。
今年の登録馬のうち、昨年以降の天皇賞(春)か菊花賞で3着以内があるのはアーバンシック、ジャスティンパレス、ディープボンド、ブローザホーンの4頭。このうち、アーバンシックとジャスティンパレスは「穴馬」とは言い難い。となると、狙うべきはディープボンドとブローザホーンの2頭だ。
ディープボンドは今年の天皇賞(春)の3着馬。前走の京都大賞典でも2着に健闘している。京都巧者のイメージが強いが、3年前の有馬記念ではエフフォーリアの2着。舞台適性に不安はない。当レースで7歳以上の馬が馬券に絡んだのは09年3着エアシェイディが最後というデータは気になるが、ヒモでは押さえておきたい。
もう1頭のブローザホーンは今年の天皇賞(春)の2着馬。続く宝塚記念ではドウデュースやベラジオオペラを下し、GⅠ初制覇を果たしている。その後の秋2戦は大敗しているが、京都大賞典の11着は体調に問題があったようで参考外。ジャパンCにしても適性外の超が付く上がり勝負で、12着は致し方ない。いや、それどころかこれらの着順が嫌われて人気を落とすようなら、有馬記念で狙いたいというものだ。
上位人気が想定される昨年覇者のドウデュースや今年の菊花賞馬アーバンシックはその実績からも好勝負必至。ただし、滅多に人気馬同士で決まらないのが有馬記念。ディープボンド、ブローザホーンの2頭をヒモに入れて、好配当ゲットといこう。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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