【大阪杯】タスティエーラなど4歳よりローシャムパークら5歳が優勢 近7年で5勝の前走距離を発見

勝木淳

2024年大阪杯に関するデータ,ⒸSPAIA

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5歳優勢のレースだが

大阪杯はGⅠ昇格から8年目を迎える。初代王者はご存じキタサンブラック。二代目スワーヴリチャード、三代目アルアインと種牡馬入りした馬たちが並ぶ。今年に関してはドバイと日程が重なり、春の盾へ向かうステイヤーが寄りづらい2000mという距離からちょっと評価があがらないGⅠになりつつあるが、こうして勝ち馬をあげてみると満更でもない。

やはり中距離本流2000mのGⅠを勝てば種牡馬として箔がつく。スピードと持続力、器用さをあわせた総合力がなければ勝てない舞台であり、その分、勝った馬は前途洋々だ。歴史が浅くGⅡのイメージに引っ張られがちではあるが、それも年を重ねていくことで変わっていくのではないか。データはGⅠになった過去7年分を使用する。

大阪杯の人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【2-1-2-2】勝率28.6%、複勝率71.4%、2番人気【2-1-1-3】勝率28.6%、複勝率57.1%と上位人気はまずまずで連軸向きだ。一方で8、9番人気1勝ずつなど、すんなり上位人気同士で決まるほどではない。6、7番人気の好走もあり紛れのあるレースだ。カギは1コーナーまでのポジション争い。1コーナーでごちゃついて位置を下げてしまうと、最後の直線は内回りで短く挽回が難しい。

大阪杯の年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別は明白で、4歳【2-3-5-22】勝率6.3%、複勝率31.3%、5歳【5-3-2-28】勝率13.2%、複勝率26.3%と若い組が圧倒的。とりわけ5歳が強く、4歳は2、3着までといったケースが目立つ。ここ2年の勝ち馬はポタジェ、ジャックドール。遅れてきた晩成タイプが5歳春にようやく充実期に入ったといった感じだ。今年でいえば、プラダリア、エピファニー、ローシャムパークあたりがイメージに近いか。

狙うなら前走2000m 距離にこだわれ

実績的には4歳タスティエーラ、ソールオリエンスだが、どちらも3歳秋以降連敗中。この世代の牡馬は今年に入り、中距離以上のJRA重賞を勝っていない。牝馬はここに駒を進めたミッキーゴージャス(愛知杯)と中山牝馬S勝ち馬のコンクシェルがいる。4歳牡馬ははたしてGⅠでイメージを払拭できるだろうか。ただでさえ5歳が強いレースだけに、その点も強気になれない。

大阪杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別はまず海外【1-0-0-3】について。すべて前走は暮れの香港Cで、23年ジャックドールが7着から巻き返してみせた。8着だったローシャムパークも今度は違うはず。昨年は3連勝でGⅡ制覇。直線が短い2000mはベストだろう。いかにも大阪杯っぽい一頭だ。

前走国内GⅠは【1-2-1-10】勝率7.1%、複勝率28.6%。有馬記念は【1-1-0-5】勝率14.3%、複勝率28.6%。出走例は全て9着以内馬で、6着タスティエーラは悪くない。問題は皐月賞以来の2000m戦だろう。レース巧者であり好位で流れに乗っていけるタイプだが、ここのところ長い距離でゆったりした序盤を経験している点は気になる。もっとも調教でしっかり作ってくる厩舎なので心配ないかもしれない。ダービー馬、まだまだ終わっていない。

4歳牝馬ハーパーも有馬記念9着。こちらはさすがに牡馬相手で2500mは長かったか。リバティアイランド相手に完敗も三冠4、2、3着。2000mはベストの舞台。ハイレベルなクラシック経験がそろそろ生きそうだ。今年の古馬牝馬限定重賞は4歳が3戦3勝だ。

大阪杯の前走GⅢ、GⅡレース別成績,ⒸSPAIA


GⅠ以外の重賞では前哨戦の金鯱賞が【3-2-1-21】勝率11.1%、複勝率22.2%。掲示板以内【3-1-1-10】。4着ハヤヤッコは悪くはないが、どうも中京巧者っぽい。遅れ差しで着順をあげるタイプであり、阪神内回りは厳しそうだ。

関東の前哨戦の中山記念は【1-1-2-9】勝率7.7%、複勝率30.8%。1、2着馬の成績がよく、3、4着は【0-0-0-2】。4着だった4歳ソールオリエンスは3着だった5歳ジオグリフを逆転するだろうか。ペースが速くなりそうもなく、ジオグリフが優位そうには思える。

京都記念は【0-2-1-14】複勝率17.6%。京都芝2200mはコース形態もゆったりしており、中距離といっても問われる適性は長めの距離に近く、それがこの数字にあらわれている。5歳プラダリアは全4勝2200~2400mで、2000mは昨夏新潟記念4着。終いの脚が少し鈍る。ならば、同舞台チャレンジCを優秀な内容で勝った4歳ベラジオオペラに期待したい。4歳勢のなかでも勢いを感じる。

小倉大賞典は【0-0-1-9】複勝率10.0%。22年アリーヴォが小倉大賞典1着から好走した。ハイペースを中団から押し上げて勝ったエピファニーは昨秋当舞台でオープン勝ちがあり、適性はある。

大阪杯の前走距離別成績,ⒸSPAIA


クラスは一切関係なく一律で前走距離をとると、前走2000m【5-3-1-24】勝率15.2%、複勝率27.3%と距離にこだわった馬が強い。7回中5回は前走も2000mだった馬が勝っており、重視したいデータだ。登録馬で当てはまるのはハヤヤッコ、ミッキーゴージャス、リカンカブール、ローシャムパーク、ロードデルレイの5頭だ。

注目は除外一番手だが、6戦5勝のロードデルレイだろう。2000mは【3-0-0-0】と負けなし。2年前のジャックドール(4歳時5着)に重なる部分があり、GⅠの壁に当たる心配もあるが勢いならこの馬だ。白富士Sは+12キロと明らかに成長中。じっくり成長に合わせて勝たせていく中内田充正厩舎の得意パターンでもある。

大阪杯に関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。

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