【東京新聞杯】参考レース振り返り 好相性の「牝馬」マスクトディーヴァやマイルCS組ジャスティンカフェが優勢か

三木俊幸

2024年東京新聞杯、注目馬マスクトディーヴァ

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

後のGⅠ馬を数多く輩出しているマイル重賞

リスグラシューやインディチャンプなど、近年優勝馬からGⅠホースも誕生している東京新聞杯。加えて、過去10年では牝馬が4勝と活躍している。フルゲート16頭のところ今年は22頭が登録、出走予定馬の主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。

マイルCS【データ:A メンバーレベル:A】

過去10年の成績【2-0-1-11】勝率14.3%、連対率14.3%、複勝率21.4%

2020年プリモシーン、2023年ウインカーネリアンが勝利。今回登録がある馬たちの前走レースでは、唯一複数勝利をあげている。

好スタートからセルバーグが逃げるかと思われたが、最終的に外から気合をつけてバスラットレオンがペースを握った。前半800m通過は46.5と平均ペース、直線はずらっと横に広がる展開となる中、道中後方から3番手を追走していたナミュールが外から上がり33.0の末脚で豪快に差し切りGⅠ初制覇。勝ちタイムは1:32.5だった。

2023年マイルチャンピオンシップの最終直線の様子,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ジャスティンカフェは道中9番手を追走。直線は馬群を縫って伸びてきたが、勝ち馬からは0.1秒差の3着。それでも一旦は突き抜けるかと思わせるほどの見せ場を作った。先着を許した2頭は次走香港マイルでも3、4着と好走している。加えて自身も東京コースに実績があることから上位争いできる存在だ。

秋華賞【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【0-1-0-0】勝率0.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%

秋華賞からの参戦は過去10年で2022年ファインルージュのみだが、2着好走を果たしている。

レースはコナコーストが逃げ、2番手にミシシッピテソーロという隊列で前半1000mを1:01.9で通過。勝負所で進出開始し、4角では3番手の外までポジションを押し上げたリバティアイランドが早め先頭からそのまま押し切り、牝馬三冠を達成した。馬場状態は稍重、勝ちタイム2:01.1での決着だった。

2着マスクトディーヴァは道中、中団よりやや後ろから運んだ。直線では外に持ち出すまでにモタついたが、上がり最速の末脚でただ一頭リバティアイランドに詰め寄り、1馬身差まで迫った。また、2走前のローズSでは後にエリザベス女王杯を制するブレイディヴェーグを破ってレコード勝ち。初のマイル戦となるが、春の大舞台を目指すうえでもここはあっさり突破してほしい。

京都金杯【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年の成績【1-2-3-28】勝率2.9%、連対率8.8%、複勝率17.6%

過去10年のレース別では最多の34頭が京都金杯をステップに参戦するも、2017年ブラックスピネルを最後に優勝馬は出ておらず、率で見ても低調な成績となっている。

2024年JRA最初の重賞として行われた京都金杯。先行争いを制したドルチェモアが後続を引き離して、前半800m45.3というハイペースを刻んだ。ゴール前は残り200mで先頭に立ったセッションとトゥードジボンによる争いかと思われたが、最内を突いたコレペティトールが差し切って重賞初制覇を飾った。

3着トゥードジボンは3番手からロスなくレースを進めたが、セッションにアタマ差競り負けた。展開が向いたという側面はあるが、着実に力をつけて重賞でもやれるところは見せた。

4着アヴェラーレは9番手からレースを進め、直線は外から伸びるも0.3秒差の4着。当日は内を通った先行馬有利の馬場だったことからも、厳しい条件で、着差以上の評価をしていい。加えて、今回の東京マイル戦という条件替わりもプラス材料だ。

フリームファクシもアヴェラーレと並んで直線に向いたが、さらに0.1秒遅れた5着。切れる脚が使えるタイプではないので今回が適条件とは言えないが、こちらも外枠で展開は向かなかった。

8着ダノンタッチダウンは、トゥードジボンの直後を追走していたが、直線では伸びを欠いた。マテンロウオリオンは後方3番手追走から外に持ち出したが、着順を押し上げることはできずに16着に終わった。

ドルチェモアは7走前のニュージーランドT以来となる逃げの競馬を試みるも、直線で失速して18着。様々な距離を使われるも不振が続いている。

ターコイズS【データ:C メンバーレベル:C】

過去10年(OP時代を含む)の成績【0-1-0-4】勝率0.0%、連対率20.0%、複勝率20.0%

ターコイズSからの参戦は過去10年で5頭。2019年レッドオルガの6番人気で2着という成績が最高着順となっている。

抜群のスタートからハナを奪ったのはフィールシンパシー、2番手にサーマルウインドがピッタリつける展開で前半800mを46.8で通過する。道中4番手追走から直線でスムーズに外へと持ち出したフィアスプライドが突き抜け、勝ちタイム1:32.7で決着、重賞初制覇を飾った。

14番人気と低評価だったライトクオンタムは6番手から運び、0.5秒差の5着。コナコーストは15番枠からスタートして中団の外を追走するも、直線でも前との差を詰めることはできず0.6秒差10着。ルージュリナージュはスタート直後にバランスを崩してダッシュがつかず、後方2番手からの競馬、上がり最速タイの33.7の末脚で追い込むも0.7秒差11着。3番手を追走していたサウンドビバーチェは、直線で失速して1.4秒差の15着という結果だった。

メンバーレベルが高いとは言えないが、この中では休み明けを使われて上積みがありそうなサウンドビバーチェの変わり身に期待したい。

ターコイズSからの変わり身が期待されるサウンドビバーチェ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)



ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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