【関屋記念】逃げ馬の複勝率50%と意外なデータ 奇襲が決まれば面白いラインベック

佐藤永記

過去10年の関屋記念 脚質別成績,ⒸSPAIA

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ゆるやかに下る新潟外回り1600m

新潟外回りといえば、直線競馬を除くと一番長い658.7mの最終直線を持つことから、差し追込が届くイメージが強いコースだ。もちろん、他の競馬場と比べたらその通りなのだが、関屋記念の傾向を見ると「そうでもない」数字が出てくる。

関屋記念 脚質別成績,ⒸSPAIA


過去10年における脚質別成績だが、逃げ【2-2-1-5】なら2頭に1頭、先行馬の【3-3-3-26】でも4頭に1頭が馬券に絡む。上位着順の数こそ変わらないのだが、好走率で考えれば案外前々の馬が頑張っているのが関屋記念の傾向だ。

3コーナーまでゆるやかに上り、そこからゴールまでゆるやかに下る新潟外回り1600mというコース形態もあって、前半はそこまで激戦にならず、長い直線で追い込もうと脚をためるのが基本の戦い方なのだが、それが逃げ馬の脚をしっかりためてしまうのかもしれない。

さらに、その逃げ馬の成績を見てみると、前走で逃げていない馬が結構いる。昨年逃げて12番人気2着だったシュリの前走メイSは、スタート後7番手から4角先頭というマクリの競馬で、それまでも逃げたのは1度だけであった。2018年3着のエイシンティンクルは逃げ馬だが、前走豊明Sでは逃げられず、4番手からのレース(1着)だった。さらに2015年1着のレッドアリオンも、それまでの逃げは3度のみ。前走の中京記念は4角13番手で8着だった馬である。

共通するのは「逃げたことはある」けど「逃げるとあまり思われていない」馬のノーマーク激走である。そんな馬が今年もちらほらいる。その中から、迷ったら馬券に入れておきたい馬たちをピックアップしておこう。


去勢後から成績安定で注意したいラインベック

ラインベックは前走米子Sで先行策から2着。基本は2~4番手で折り合う競馬で勝負している馬だ。これまで逃げたのは条件戦で2度のみ。いずれも逃げ切っている。昨年に去勢してからはリステッド競走ではあるが安定しており、ここで通用しても驚かない。

また、近況リステッド競走で好走している馬ならサクラトゥジュールもいる。前走メイSを先行策で勝利。逃げは2勝クラス時代に1度経験し、勝利している。

一変候補だとフォルコメンだ。前走の巴賞は11着、前々走の小倉大賞典も13着といずれも大敗しているが、洋芝や重馬場等、なにかと理由はつけられそうではある。昨年はダービー卿CTで2着など、不安定ながら結果を出している。これまで2度逃げて、1着1回と、「もしかしたら」を感じる馬だ。

最後に触れておきたいのがコンシリエーレだ。これまで8戦すべてダート。前走は交流重賞のさきたま杯5着だ。白嶺Sで逃げた経験があり、今回注意したい条件を一応は満たしているのだが、果たして初芝でどこまでやれるのか。個人的にはオッズ次第で買うかを決めたいところだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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