【スプリングS】6勝をあげる「前走1勝クラス」 データ満点ベラジオオペラ、無敗でいざ本番へ
門田光生
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皐月賞トライアル
2023年3月19日に中山競馬場で行われる第72回スプリングステークス(スプリングS)。1~3着馬に皐月賞の優先出走権が与えられる。
スプリングSを使った馬の皐月賞成績はというと、ここ10年では2013年ロゴタイプ、そして2018年エポカドーロがこのレースを経て戴冠。近年は共同通信杯やホープフルS組に押されているとはいえ、本番に向けて重要な一戦であることは間違いない。そんなスプリングSにはどのような特徴があるのだろうか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。
☆所属
翌週に同距離の3歳限定戦、毎日杯が阪神競馬場で行われることもあって、出走数は美浦所属馬が倍近い。結果は美浦7勝、栗東3勝で、2着は5回ずつ。勝率はやや美浦有利だが、連対率はほぼ同じ。特にどちらが有利とはいえない。
☆キャリア
勝ち馬が出ているのは、キャリア2~6戦の範囲。キャリア1戦、または7戦を超えると、勝ち馬はおろか連対馬すら出ていない。キャリア3戦、もしくは4戦から最多となる6頭の連対馬が出ているが、ここで取り上げたいのはキャリア2戦の栗東所属馬。7頭が該当して2勝2着1回、42.9%の高連対率を残している。
☆前走着順
前走1着馬が6勝2着6回。また、連対馬20頭はすべて前走4着以内で、3着馬でもこれに該当しないのは2022年のサトノヘリオス(前走14着)だけ。
☆前走クラスと主な前走
連対馬が出ているのは、前走で1勝クラス、もしくはGⅠ、GⅢを走っていた組。特に1勝クラスは6勝(10連対)している。一方、新馬、未勝利、オープン、そしてGⅡ組から連対馬が出ていない。
1勝クラスから挑んで連対した10頭中、8頭は美浦所属馬。GⅠを経由して勝った2頭も、いずれも美浦所属馬。対照的に、前走GⅢ組の連対馬5頭中4頭は栗東所属馬だった。
相性のいいステップレースは勝ち馬が2頭出ている朝日杯FSと共同通信杯だが、今回共同通信杯組の登録はなかった。
☆前走人気
勝ち馬が出ているのは、前走1~3番人気か、6~9番人気。前走4番人気は勝利なし、5番人気または10番人気以下だと、馬券に絡んだ馬すらいなくなる。
☆その他
前走コンマ7秒以上で負けていた27頭は、すべて連対を外していた。
満点はベラジオオペラ
スプリングSのデータをまとめてみよう。まず好走確率が上がるパターンはA「キャリア2戦の栗東所属馬」B「前走1着馬」C「前走が1勝クラス or 美浦所属馬で前走GⅠ or 栗東所属馬で前走GⅢ」。
好走確率が下がってしまうのはD「前走4番人気」。連対がないのはE「キャリア1戦、または7戦以上」F「前走5着以下」G「前走が新馬、未勝利、オープン、GⅡ」H「前走5番人気、または10番人気以下」I「前走がコンマ7秒以上の負け」。
今回はE~Iまでが連対がないデータで、これに当てはまらないことが大前提。連対なしのデータを持たず、かつプラスデータを2つ以上持つ馬はアイスグリーン、ジョウショーホープ、ハウゼ、パクスオトマニカ、ベラジオオペラ、ホウオウビスケッツ、メタルスピードの7頭。このうち、パクスオトマニカは好走率が下がるD「前走4番人気」に当てはまるので、優先順位が下がる。
残った6頭のうち、A~Cのプラスデータすべてを満たすのがベラジオオペラ。セントポーリア賞を経て馬券に絡んだのは2014年のクラリティシチー(3着)だけだが、そもそもサンプル数が少なく、そこまで気にしなくていいだろう。これといった減点材料もなく、今回はこの馬を本命とする。
2番手以下の順番づけをどうするか。上記でサンプル数が少ないと書いたが、残る5頭で違う点となると前走レースぐらいなので、ここにすがるしかない。
まずはあすなろ賞を勝ったアイスグリーン。過去に2016年マウントロブソン(1着)、2018年エポカドーロ(2着)が連対。あすなろ賞組は全部で5頭しかおらず、サンプル数は少ないながら確率は高いといえる。エポカドーロはここを経て皐月賞を制しており、今後に期待の意味も込めて対抗評価。同じく勝ち馬を出している平場の1勝クラス(500万下含む)のメタルスピード、そして水仙賞組のハウゼも入れておきたい。特に水仙賞はここ3年で2頭の連対馬を出しており、勢いのある前哨戦となっている。
残ったジョウショーホープとホウオウビスケッツの前走はひいらぎ賞とフリージア賞。特にひいらぎ賞からは2017年の2着馬アウトライアーズがいるだけだが、このローテーションを通ったのはこの馬しかいない。一応、連対率は100%ということで、これにも印を入れておく。
◎ベラジオオペラ
◯アイスグリーン
▲ハウゼ
△メタルスピード
×ジョウショーホープ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
ノムさんが監督を辞めてから久しく野球は見ていなかったんですが、現在開催中のWBCはちょいちょいテレビで観戦。ゲームのようにすごい選手を並べても、なかなかかみ合わないものですが、今回における打線のつながりは本物。このまま優勝まで突っ走れ!
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