【スプリングS】実績馬オールパルフェに迫る昇級先行馬たち! ホウオウビスケッツとハウゼに好データ

勝木淳

スプリングSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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皐月賞の穴馬探し

エアシャカールが皐月賞を勝った2000年以降、皐月賞で前走スプリングSは最多7勝をあげている。ところが、最近は2位共同通信杯6勝の猛烈な追い上げにあい、18年エポカドールが最後。そのエポカドーロは7番人気の伏兵で、最後に馬券に絡んだコントレイルが勝った20年3着ガロアクリークも8番人気。いまやスプリングSは皐月賞の穴馬を発掘するレースへと変わった。であれば、素直にその傾向を利用するまで。皐月賞で穴を開けそうな馬をレース結果から探していこう。データは過去10年間のものを使用する。

過去10年スプリングS人気別成績,ⒸSPAIA


春は中山記念、中山牝馬S、スプリングS、フラワーCと中山芝1800m重賞が続くが、どれもひとひねり必要で、ここも1番人気【2-4-2-2】勝率20.0%、複勝率80.0%で馬券圏内は堅実も単勝狙いはやや心もとない。2番人気も【0-2-2-6】複勝率40.0%で1、2番人気の勝率が低いことも特徴のひとつ。6番人気以内の勝率は互角も、7番人気以下の伏兵が大駆けする場面はさほど多くなく、6番人気以内の組み合わせの妙を狙ってみたい。

過去10年スプリングSキャリア別成績,ⒸSPAIA


次にキャリア別成績。前走新馬にあたる1戦【0-0-0-3】、2戦は【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%で3戦【1-5-1-21】勝率3.6%、複勝率25.0%、4戦【3-3-4-28】勝率7.9%、複勝率26.3%、5戦【3-1-2-13】勝率15.8%、複勝率31.6%。少ないキャリアでここを目標に定めた組か、ある程度経験を積み、ここで出走権を狙うような馬が好走像にあたる。


注目はホウオウビスケッツとハウゼ

上位人気拮抗、キャリア2~5、6戦といったところに好走ゾーンがあることがわかった。では具体的にどの馬が候補に残るのか、ここからは前走別に探っていく。

過去10年スプリングS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走GⅠは【2-3-2-7】勝率14.3%、複勝率50.0%なので、やはり格上位のレースから来た馬が強い。今年は朝日杯FS6着で重賞ウイナーのオールパルフェが当てはまる。その前走朝日杯FSは【2-2-1-9】勝率22.2%、複勝率55.6%と好成績だが、6着以下は【0-0-0-1】で好走が条件になり、オールパルフェはやや微妙。それでも重賞ウイナーであり、朝日杯FSでは前半600m34.1、前後半800m45.7-48.2のハイペースを逃げて6着。距離延長のここはペースを落とす公算が高く、再度粘り腰を発揮する可能性は高い。

過去10年スプリングS前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


難しいのはここからだ。前走GⅢ【2-3-1-32】勝率5.3%、複勝率15.8%は共同通信杯【2-1-0-15】勝率11.1%、複勝率16.7%が好走を占める割合が高い。今年は4着タスティエーラが弥生賞ディープインパクト記念へ行き、ここは該当馬がいない。3着セブンマジシャンら複数出走予定の京成杯は【0-1-0-11】複勝率8.3%。昨年2番人気2着アライバルは05年8番人気2着ウインクルセイド以来17年ぶりの好走だった。2頭は京成杯8、4着から巻き返した。今年でいえば、シーウィザード、グラニットが似た戦歴だ。

過去10年スプリングS前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


こうなると前走1勝クラス【6-4-2-37】勝率12.2%、複勝率24.5%に注目したくなる。前走1勝クラスの距離別成績は1800m未満【1-1-0-9】勝率9.1%、複勝率18.2%、1800m【2-0-0-11】勝率、複勝率15.4%、1800m超【3-3-2-17】勝率12.0%、複勝率32.0%と1800m以上だった馬がどちらかというと優勢だ。

前走1勝クラス1800mはセントポーリア賞【0-0-1-4】複勝率20.0%からべラジオオペラ、若竹賞【1-0-0-3】からパクスオトマニカ。距離短縮はフリージア賞【0-1-1-4】からホウオウビスケッツ、水仙賞【1-1-0-5】からハウゼが出走予定だ。

いずれも前走はペースを作る競馬をしたが、なかでも東京芝2000mだったホウオウビスケッツは1000m通過1:01.6のスローだったが、後半1000mは11.8-11.6-11.2-11.2-11.9とすべて11秒台。1800m地点まで上昇ラップを描いており、価値が高い。ハウゼが2番手から抜け出した水仙賞は残り800m11.8-11.4-11.3-12.6。最後は時計を要し、2着メイテソーロに追いつめられた。むしろ1800mへの短縮は歓迎だろう。

過去10年スプリングSのデータ,ⒸSPAIA

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。



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