【阪神大賞典】中心は有馬記念組 ボルドグフーシュ、ディープボンド、積極策ならジャスティンパレス

勝木淳

阪神大賞典インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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阪神大賞典からみる天皇賞(春)

ディープボンドがゴールドシップ以来の阪神大賞典3連覇に挑む。天皇賞(春)は過去2年連続2着だが、ゴールドシップは3連覇を達成した3年目に天皇賞(春)を制した。ディープボンドもここを勝つようなら三度目の正直があっていい。

2000年以降、阪神大賞典から天皇賞(春)を勝った馬は6頭、そのうち連勝だった馬が5頭。阪神大賞典で負けて本番で巻き返したのはオルフェーヴルが出走した12年ビートブラック1頭しかいない。阪神大賞典は天皇賞(春)を勝つためにも勝たなければいけない。

直近で連勝を決めたのは18年レインボーラインが最後。ついで15年ゴールドシップ、そこから間があいて08年アドマイヤジュピタ、06年ディープインパクト、00年テイエムオペラオーまで遡る。思ったより多くないのはそれだけ3000m級の重賞連勝が難しいことを示す。巻き返しも連勝も容易ではない。それが天皇賞(春)の格というものだろう。データは過去10年分を使用する。

過去10年阪神大賞典人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【7-0-1-2】勝率70.0%、複勝率80.0%はさすが阪神大賞典。勝ち馬はすべて3番人気以内で人気薄はがんばって複勝圏まで。もっといえば、5番人気【0-3-2-5】複勝率50.0%以下はぐっと確率が下がる。基本的には上位人気同士の決着と考えよう。

過去10年阪神大賞典年齢別成績,ⒸSPAIA


上位人気がはっきり強いレースらしく年齢も4歳【4-3-3-10】勝率20.0%、複勝率50.0%、5歳【4-4-3-18】勝率13.8%、複勝率37.9%と若い組が優勢。ディープボンドの6歳は【2-3-3-21】勝率6.9%、複勝率27.6%。確率的には一段落ちるもチャンスはある。


有馬記念では流れが向かなかったジャスティンパレス

今年の4、5歳といえば、有馬記念2着ボルドグフーシュ、菊花賞3着ジャスティンパレス、アルゼンチン共和国杯Vブレークアップなどが候補となる。この3頭はいずれも前走有馬記念。ローテーション的にはどんな傾向があるだろうか。

過去10年阪神大賞典前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走GⅠ【6-5-2-7】勝率30.0%、複勝率65.0%のなかでも、有馬記念は【5-5-1-5】勝率31.3%、複勝率68.8%とさらにいい。着順内訳は3着以内【4-0-0-0】、6~9着【1-3-1-1】、10着以下【0-2-0-2】。どこからでも入れるが、最有力はボルドグフーシュだ。ジャスティンパレス、3連覇がかかるディープボンドも可能性は残る。穴ならブレークアップだろう。

前走有馬記念の年齢別成績は4歳【2-1-0-1】、5歳【3-2-1-0】、6歳【0-2-0-2】。ゴールドシップ6歳時はAJCC経由だった。ブレークアップも気になるが、やはり単勝はボルドグフーシュ、ジャスティンパレスが狙いだ。

昨年の有馬記念はイクイノックスが勝利したレースだが、タイトルホルダーがゆったりとしたペースを演出し、1000m通過1:01.2(推定)。中山芝2500mは前半が抑え気味だと、中距離型の出番になる。そんななかでマクって2着まできたボルドグフーシュは力上位。ハイペースだった菊花賞といい、差し脚は確実。前哨戦だけに差して届かずという場面も考えられるが、菊花賞と同舞台で凡走はないか。

中距離型優勢の流れになったことを考えれば、先行して残れなかった7着ジャスティンパレスも悲観しなくていい。菊花賞では先に動いたアスクビクターモアを追いかけて3着に残り、4着ドゥラドーレスには5馬身差つけた。積極策ならボルドグフーシュに一矢報いる場面までありそうだ。

過去10年阪神大賞典前走GⅡ組レース別成績,ⒸSPAIA


次にいいのは前走GⅡ【3-1-3-22】勝率10.3%、複勝率24.1%。その内訳は上記ゴールドシップを含むAJCC【2-0-0-6】勝率、複勝率25.0%、日経新春杯【1-0-1-6】勝率12.5%、複勝率25.0%と続く。日経新春杯組は10着サンレイポケットがいる。今年2頭いるステイヤーズSは【0-1-0-1】。昨年5番人気2着アイアンバローズはステイヤーズS2着だった。5着メロディーレーン、8着ユーキャンスマイルはやや厳しいか。

最後に前走GⅢ【1-1-3-22】勝率3.7%、複勝率18.5%から大半を占めるダイヤモンドS【0-1-3-17】複勝率19.0%を検討する。9着メイショウテンゲンが登録しているが、着順内訳では6~9着は【0-0-1-5】。長距離戦常連のベテランは抑え程度でいい。

ディープボンドの3連覇も含め、今年は有馬記念組を軸に考えてよさそうだ。

阪神大賞典のデータ,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。



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