【WASJ】馬券的にも面白い騎手対抗戦 狙うべきは「関西代表騎手」と「7・8枠」

SPAIA編集部

ワールドオールスタージョッキーズ、アイキャッチ,ⒸSPAIA

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馬券の狙いは関西代表騎手

8月27、28日に札幌競馬場でワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)が行われる。先日イギリスで開催されたシャーガーカップのように世界各国の騎手たちを招待し、個人部門はもちろんのこと、チーム対抗戦も繰り広げる。4チームに分かれるシャーガーカップとは異なり、WASJではJRA所属騎手7名の「JRA選抜」と、海外・地方騎手7名の「WAS選抜」に分かれ、計4レースでポイントを争奪する。

秋に行われていた前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)の後をうけ、2015年から夏季競馬を盛り上げる試みとして札幌で行われているが、2020、2021年はCOVID-19の影響で取りやめになっていた。

第6回目の今年は、短期免許で来日中のC.ホー騎手や、昨年のフランスリーディングで3位のT.バシュロ騎手、WSJS時代を含め10度目の参戦となるC.ウィリアムズ騎手、フランスの女性騎手・C.パコー騎手ら6名が招待されている。地方からは2020年に地方競馬通算4000勝をマークした愛知の岡部誠騎手が、予選にあたる「2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」を勝ち抜いてきた。

国内外の名手たちの手綱さばきに注目が集まるところだが、騎手対抗戦という性質のレースならではの独特の傾向が見られ、予想の上でも楽しみの大きいシリーズだ。今回はWASJを馬券でも楽しむために、抑えておきたいデータを紹介していく。

WASJの騎手所属別成績,ⒸSPAIA


<過去5回のWASJ・騎手の所属別成績>
美浦【1-2-5-47】勝率1.8%/連対率5.5%/複勝率14.5%
栗東【9-10-10-59】勝率10.2%/連対率21.6%/複勝率33.0%
地方【2-1-0-25】勝率7.1%/連対率10.7%/複勝率10.7%
外国【8-7-5-87】勝率7.5%/連対率14.0%/複勝率18.7%

ビッグネームの海外騎手にも目移りするところだが、過去5回のWASJでは栗東所属騎手が他より優勢。単回収率110%、複回収率103%で、こちらも海外からの招待騎手を上回る。

なかでも武豊騎手は【1-9-1-9】連対率50.0%。2着が多い特徴的な成績だが、人気問わず好走している。今年もドウデュースで日本ダービーを制して出場権をゲット。確実にマークしておきたい存在だ。

気になるのはわずか1勝の美浦所属騎手。その1勝は2017年の第2戦で戸崎圭太騎手が挙げたものだが、騎乗馬クロコスミアは次走で府中牝馬Sを勝ち、その後エリザベス女王杯で3年連続2着する実力馬だったので評価しにくいところ。馬券的には見送りが正解だろう。今年は横山武史騎手と柴田善臣騎手が出場予定。横山武騎手にとって札幌は、昨年リーディングをとって、今年も14勝をあげるなど得意舞台だ。関東代表として奮起に期待したい。

地方代表は人気薄での2勝があって単回収率は111%と上々だが、好走確率を考えれば推しづらい。ちなみに3連対いずれも芝で、「乗り慣れたダートなら」という考え方は通用しないようだ。

海外騎手は一見して悪くない成績だが、8勝のうち4勝は日本でもおなじみの“マジックマン”ことモレイラ騎手によるもの。それを除くと2・3着の穴候補、という扱いが妥当か。ただし、モレイラ騎手と同様に香港拠点だったティータン騎手も2019年に12着、1着、2着、9着で3位に入っており、両者と同じく香港を拠点とするC.ホー騎手は侮れない。

内枠は締められる?

人気や馬齢、脚質などのデータで大きな偏りはないが、枠順には興味深い特徴が見られた。

WASJの枠順別成績,ⒸSPAIA


<過去5回のWASJ・枠別成績>
1枠【0-0-1-19】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率5.0%
2枠【0-3-0-17】勝率0.0%/連対率15.0%/複勝率15.0%
3枠【3-1-2-33】勝率7.7%/連対率10.3%/複勝率15.4%
4枠【1-5-5-29】勝率2.5%/連対率15.0%/複勝率27.5%
5枠【1-0-3-36】勝率2.5%/連対率2.5%/複勝率10.0%
6枠【2-5-4-29】勝率5.0%/連対率17.5%/複勝率27.5%
7枠【9-4-2-25】勝率22.5%/連対率32.5%/複勝率37.5%
8枠【4-2-3-30】勝率10.3%/連対率15.4%/複勝率23.1%

全20戦中、7枠からは9頭の勝ち馬が出ており、複勝率は37.5%もある。単回収率202%、複回収率107%で馬券妙味もある好枠だ。8枠も4勝をあげており、明らかに外枠が有利な傾向にある。また、7・8枠で4角2番手以内の馬は【6-3-2-8】連対率47.4%、複勝率57.9%。外枠の、先行馬やまくるタイプの馬が狙い目だ。

1・2枠はどちらも0勝。WASJの開催週はCコース替わり2週目とはいえ連続開催5週目にあたり、内側の芝が傷んでいることが多い。まずはこれが不振の一因として考えられる。

しかし、ダートで行われた3戦を見ても6~8枠が【3-1-2-12】に対し、1~3枠は【0-0-1-11】。馬場のバイアスだけでなく、外を通る騎手が内側の馬を抑え込んでいる影響もありそうだ。実際、過去の映像を見ても、内枠の馬が馬群から抜け出せず直線で伸びあぐねる場面が何度かあった。技術の高い騎手が揃うとそうした駆け引きが発生し、それが内枠不利というデータに現れているのだろう。今年も例年とほぼ同じ条件で開催され、7・8枠有利と予想される。

以上に挙げたポイントを意識して、名手たちの騎乗を楽しみながら、馬券も的中と行きたいところだ。

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