【2歳馬ジャッジ】ついに大物が出現! クラシックを狙えるエクラノーブル

山崎エリカ

2021年7月2週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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目指せ「2歳戦で大儲け」

このコラムでは「2歳戦で大儲け」を目指して、古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は函館でエクラノーブルが5馬身差の逃げ切り勝利を収め、小倉では良血馬グランディアがデビューした7月2週目の2歳戦について指数と評価を掲載する。

※指数算出に時間がかかるため、評価対象は1週前のレースまで



7月10日(土) 函館1R 優勝馬 ブッシュガーデン 指数-2 評価B

6月札幌開幕日のカイカノキセキが勝利した新馬戦は、なかなかの好素質馬が揃っていたが、その中で外枠から出遅れて外を回り、最後に猛追して3着。メンバー最速の上がり3Fタイムを記録していたのがブッシュガーデンだった。デビュー2戦目の未勝利戦も完全に前が残る流れ、4角で外を回らされるロスもあり、馬券圏外かと思わせる瞬間もあったが、最後に猛追し2着に届いた。

そして迎えた今回がデビュー3戦目。今までよりも前目でレースを進め、ゴール前の激戦を制して勝利した。レース内容の着実な良化は高く評価できる。そしてデビュー戦で見せた高い素質の片鱗。次走はオープン以上のレースに挑戦することになりそうだが、キャリアの豊富さを生かして十分に好走が計算できる馬だ。



7月11日(日) 函館5R 優勝馬 エクラノーブル 指数-6 評価AAA

エクラノーブルは好ダッシュを決めるとそのままハナに立ち、そこから折り合ってマイペース。4角手前から後続に一気に迫られたが、そこから加速開始。ラスト2Fを11秒7-11秒7と最後まで減速することなく、5馬身差の圧勝だった。

函館の馬場は時計が掛かっており、馬場状態を考えると2歳新馬戦としては超スローペースだったわけではない。高速馬場であっても新馬戦で最後まで減速せずに勝利することは困難なこと。たまに北海道シリーズの新馬戦で逃げて独走で勝利し、その後人気になって凡退を繰り返す馬が出現することがあるが、それらの馬たちは着差をつけて勝利しても最後の1Fで失速する形のレースになっていることが共通点。エクラノーブルは逃げて最後まで伸び続けたのだから、レースぶりとしては満点だ。

ちなみに昨夏の北海道、芝中距離の新馬戦の勝ち馬のラスト2Fの数字は以下の通り。アランデルは11秒6-12秒2。ソダシは11秒7-11秒6。ピンクカメハメハは11秒8-12秒1。バスラットレオンは11秒0-11秒2。バニシングポイントは11秒4-12秒1。オーソクレースは11秒2-11秒4。

最後まで加速するレースをすることがいかに難しいかということと、減速度の小ささがおおよそ素質の高さを示していることがわかる。エクラノーブルは今回が減量騎手起用でのものだった点が減点材料になりうるが、それでも最後まで伸び続けた走りは高く評価できる、無事ならば大きいところを狙えるだろう。



7月11日(日) 小倉5R 優勝馬 ピースオブエイト 指数-4 評価AA

ピースオブエイトはスタートがあまり良くなかったが、そこからスッと好位に取りついて行き、折り合う。レースが動き出したのは4角手前から。その時点ではまだそこまで加速感のある走りをしていなかったが、ラスト200mから急加速。結果ラスト2Fの数字は11秒6-11秒2。ラスト1F目が2F目と比較して0.4秒もアップする数字になったことは高く評価できる。いくら小倉の馬場が速いと言っても、かなり価値の高いラスト1Fの数字だ。

このレースは勝ち馬のピースオブエイトが高く評価されるのは当然として、2着馬グランディアもかなり強そう。そして3着馬ヴェローナシチーまでは強い可能性を感じる。今年の関西圏で行われた2歳新馬戦ではもっとも高評価すべきレースだ。



7月10日(土) 福島2R 優勝馬 ベルウッドブラボー 指数-5 評価B

新馬戦ではあの白毛馬ハイアムズビーチとの直線での叩き合いで敗れる形の3着だったベルウッドブラボー。今回は新馬戦での着順が悪い馬ばかりの相手関係で圧倒的な1番人気に支持されたが、しっかりと勝利した。相手は弱かったが、4着以下は離されており、走破タイム自体もまずまず、意外と悪くない指数となった。レースぶりも新馬戦から進化しており悪くない。昇級以降も渋い活躍をしてくれそうな馬だ。



7月10日(土) 福島5R 優勝馬 オンリーオピニオン 指数-3 評価B

スタートしてから気合をつけマイペースの逃げに持ち込んだオンリーオピニオン。4角からその外2番手でレースを進めた馬との追い比べになったが、内から最後までしっかりと脚を使って3馬身差の勝利だった。例年、福島の芝中距離の新馬戦では、マイネル軍団の馬がなかなか良い指数、内容で勝利することが多い。それらの馬はそのあとすんなり上昇とは行かないが、使われながら地力を強化し、後には重賞戦線で名脇役になる馬が多い。オンリーオピニオンもそういうタイプになりそうだ。



7月11日(日) 福島5R 優勝馬 トーセンクレセント 指数-3 評価B

かなり時計の掛かる馬場で行われた新馬戦。好位で流れに乗ったトーセンクレセントは前を見ながらの競馬だったが、4角手前では前を行く馬たちがバテ始め、4角で早くも先頭に立ち、結果2馬身差の完勝だった。同馬はなかなか大きなフットワークで素質を感じさせる。

ラスト2Fは11秒7-12秒3とやはり減速。福島のタフな馬場で行われる新馬戦はどうしてもバテ比べで競走馬に目一杯の走りを強いることになりやすい。よって高い指数を記録して素質を感じさせたとしても、疲れが残ってしまい、その後すんなりと上昇しないことが多くなる。しかし、その疲労を克服した馬は、後々に出世していくことが多い。トーセンクレセントもこの後すんなりとは上昇しないかもしれないが、後に軌道に乗ればかなり上に行く馬と見る。



2021年7月2週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA



※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)エクラノーブルの指数「-6」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも0.6秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。


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