【香港国際競走】ロマンチックウォリアーが香港カップ3連覇達成 リバティアイランドなど2着も日本勢は今年も勝利ならず

三木俊幸

2024年香港カップの勝ち馬ロマンチックウォリアー,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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香港カップ 絶対王者を前に着差以上の完敗

今年の香港国際競走4レースには日本から9頭が参戦。ヨーロッパやオーストラリアからの遠征馬も多く、全体的に多彩で好メンバーが揃った。レースは地元の香港勢が3勝とまたしても日本馬は高い壁に跳ね返される結果に終わった。

芝2000mで争われたメインレースの香港カップは、JRA発売のオッズでも単勝1.2倍と断然の人気を集めたロマンチックウォリアーが勝利し、同レース3連覇を達成した。

ロマンチックウォリアーは1番ゲートから好スタートを切るが、序盤は各馬が牽制する展開となり、最初の800m50.45(26.34-24.11)というスローペースで、道中は4番手からレースを運んだ。

抜群の手応えで3番手までポジションを押し上げ迎えた最後の直線、2番手追走から先に抜け出したタスティエーラの外から馬体を併せて伸びると残り200mで先頭へ。

さらに外からリバティアイランドも迫ったが、ラスト50mは鞍上のJ.マクドナルド騎手が後ろを振り返りながら後続の手応えを確認するほど余裕は十分だった。

日本勢はリバティアイランドが1.1/2馬身差の2着、タスティエーラ3着と上位に好走したが、香港の絶対王者を前に今回も“完敗”と言わざるを得ない結果となった。

2024年香港カップ2着リバティアイランドと3着タスティエーラ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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香港マイル 2番手からヴォイッジバブルが勝利

前走のマイルチャンピオンシップでGⅠ初制覇を飾って参戦したソウルラッシュ、春のNHKマイルカップを制して以来の実戦となった3歳馬ジャンタルマンタルの2頭が出走した香港マイルは、前哨戦のジョッキークラブマイルを制して挑んだヴォイッジバブルが勝利した。

レースは今年の香港チャンピオンズマイルの勝ち馬ビューティーエターナルが外枠から逃げ、前半800m通過47.02(24.70-22.32)というペースを刻むところ、ヴォイッジバブルは2番手を追走。残り300mを切ったあたりで先頭に立つとそのまま押し切った。

2024年香港マイル1着のヴォイッジバブル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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10番ゲートからスタートしたソウルラッシュは後方3番手から運び、4角から直線に向くところでは大外を回される形となった。ラスト400m地点では内で他馬と接触する場面もありながらも22.51(10.96-11.55)の末脚で追い込んだが、展開にも泣き1.1/4馬身及ばなかった。

2024年香港マイル2着のソウルラッシュ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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2024年香港マイル13着のジャンタルマンタル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ジャンタルマンタルは勝ち馬のすぐ外の3番手から運んだものの、直線では両サイドの馬と強く接触する場面もあり13着。休み明けの一戦でもあり、力を発揮できずに終わったが今後の巻き返しに期待したい。

香港スプリント 新星カーインライジングが勝利

芝1200mで争われた香港スプリントは、前哨戦のジョッキークラブスプリントをレコードタイムで制し、JRAと香港での発売オッズともに単勝1.1倍の支持を集めた地元の新星カーインライジングが勝利した。

スタートして鞍上のZ.パートン騎手は強引にハナを主張しようとしたが、内からカリフォルニアスパングル、外からビクターザウィナーに挟まれつつ3番手を追走。厳しい展開にも映ったが残り200mで先頭に立った。

ゴール前は4角10番手だったヘリオスエクスプレスに迫られたが、最後は流す余裕もあった。ここも単なる通過点で、今後は香港スプリント路線を引っ張る存在となっていくだろう。

2024年香港スプリント1着のカーインライジング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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日本勢では中団のインから最内をロスなく立ち回ったサトノレーヴが3着で最先着を果たした。


2024年香港スプリント3着のサトノレーヴ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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香港ヴァーズ イギリスから参戦ジアヴェロットが勝利

芝2400mの香港ヴァーズは、イギリスから遠征したO.マーフィー騎手騎乗のジアヴェロットが勝利した。

レースは日本馬のプラダリアが引っ張り、1200mの通過が1:16.08(25.64-24.58-25.86)というペースで流れたが、道中は中団のインをジアヴェロットは追走。直線は進路が開かず、徐々に進路を外に求めながら追い出す形となったが、残り200mで馬群を捌いて伸びると、2着ドバイオナーに2.1/2馬身差をつけた。

2024年香港ヴァーズ1着のジアヴェロット,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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JRAと香港ともに1番人気だったステレンボッシュは道中最後方を追走。勝負所で早めに進出を開始して4角3番手まで押し上げ、直線で見せ場は作ったが3着まで。結果的に動いたタイミングが早すぎたとも感じる内容で、決して力負けではないだろう。

2024年香港ヴァーズ3着のステレンボッシュ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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プラダリアもうまくマイペースに持ち込んだが、最後の直線では手応えがなくなり11着という結果だった。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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