【2歳馬ジャッジ】アルレッキーノが現2歳芝部門の最高値を記録 カワキタマナレアは重賞で楽しみな一頭

山崎エリカ

8月1週目の2歳馬ジャッジ,ⒸSPAIA

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8月1週目の2歳戦

このコラムでは古馬のレースと比較しながら2歳戦の指数を算出し、出走馬を評価していく。今回は新潟でアルレッキーノが現2歳世代芝部門の指数最高値を記録、札幌では同週の芝で最速の上がり3Fタイムを記録したカワキタマナレアなどが出た、8月3日、4日の2歳戦について指数と評価を掲載する。

8月3日(土) 新潟2R 優勝馬 アルレッキーノ 指数-12 評価AA
4番枠からスタート。ひとつ内の馬が大きく立ち上がった影響もあり、ゆっくりゲートを出していったが、スピードの違いで先頭に立つ形となった。道中はコントロールしながらの逃げで2番手と1馬身差で直線へ。ラスト2Fで追われると2列目に3馬身差。ラスト1Fでさらに差を広げて7馬身差で圧勝した。

本馬は6月の東京新馬戦では、勝利したクロワデュノールが強すぎたことで好指数を記録しながらも2着。逃げてマークされる苦しい形となりながら、好指数を記録しての2着は高く評価できるものだった。今回はデビュー2戦目。勝利は当然としてどのくらいの指数を記録するかが見どころだった。

結果は7馬身差の圧勝。指数は前年の半姉チェルヴィニアがデビュー2戦目の未勝利戦で記録したものと同等となった。よって、前年で言うなら新潟2歳Sで勝ち負けとなる指数を記録したことにもなる。

また今回の指数は先に行われた函館2歳Sを上回り、現2歳世代芝部門のNo.1となった。今後の重賞戦線での活躍がとても楽しみだ。

8月3日(土) 新潟3R 優勝馬 シンビリーブ 指数-7(ダート) 評価A
10番枠から好スタートを決め、じわっと内に切れ込み好位の内を追走。向上面で2番手に上がり、逃げ馬と3馬身差で3角へ。3~4角では我慢させ、直線序盤で促されると一気に先頭。ラスト1Fでは突き放す一方で5馬身差の圧勝だった。

上がり3Fタイムは39秒3。これは平凡に見えるが、同日同距離の古馬3勝クラス勝ち馬の上がり3Fタイムが37秒8だったことを考えれば、実は悪くない。ラスト2F13秒1-13秒0も悪くないだろう。

この馬は前週の新潟新馬戦を2勝した森秀行厩舎の管理馬。OBSマーチセールの出身という点も同じ。フットワークになかなかの大物感を感じる。日本競馬に新しい風を吹かせてほしい馬だ。

8月3日(土) 新潟4R 優勝馬 シンフォーエバー 指数-4 評価A
7番枠からまずまずのスタート。二の脚が速く、ハナを主張して先頭に立った。そこからはコントロールしてマイペースの逃げ。3角で2番手と1馬身差。3~4角でじわっと2番手を離して、4角でやや外に膨らみながらも2番手と2馬身差。直線序盤でまたやや外にヨレたが踏ん張って3馬身差。ラスト1Fで2着馬に少し差を詰められたが、3着に6馬身差をつけて完勝した。

上がり3Fタイム33秒3はまずまず。ラスト2F10秒7-11秒0もなかなか良いと言えるだろう。筋肉の張りがとても良い馬ではあるが、逃げ戦法が合っているようには見えず。次走、差す競馬でどのくらい上積みを見せるかが注目点となりそうだ。

この馬も同日3R同様に森秀行厩舎OBSマーチセールの出身馬。これだけコンスタントに活躍馬が出るようだと、来年以降は同セールの注目度がグンと上がりそうだ。

8月4日(日) 新潟3R 優勝馬 ジェゼロ 指数-2 評価B
6番枠から五分のスタートだったが、そこから控えて後方2番手からゆったりとした追走。道中も折り合い重視で我慢させ、3角手前で一列上がり後方2列目の外。3~4角で外に行き、4角出口で大外に出た。直線序盤はふらついていたが、立て直すとすっと3番手に上がり、ラスト1Fで先に抜け出したスカイタワーを差し切ってハナ差で勝利した。

きょうだいにマイルCSを勝利したステルヴィオを筆頭に活躍馬が揃い、セレクトセールでは超高額で取り引きされた馬。今回は鞍上が川田騎手だったこともあり、単勝オッズ1.3倍の圧倒的な支持を集めてのデビュー戦となった。

結果的に指数はそこまで高いものとはならなかったが、上がり3Fタイム33秒0は評価できる。秘めた瞬発力はありそうだ。今後も人気先行となりそうなので辛目の評価としたが、完成度が低く、何戦か使われるうちにグンと上昇する可能性を感じさせた。

8月3日(土) 札幌1R 優勝馬 ソロモン 指数-3 評価B
6番枠からまずまずのスタートを切り、軽く内の馬と接触する場面もあったが、積極策で2番手を確保。道中は逃げ馬の半馬身外を追走。3角から外に張り気味だったが、4角でも逃げ馬と半馬身差を維持。直線では逃げ馬を捉えられる展開だったが、外にややモタれてなかなか伸びず、ラスト1Fでも逃げ馬と半馬身差。それでも最後にハナ差だけ交わしたところがゴールだった。

本馬は全姉に何かと注目を集めて大活躍したメイケイエールがいる血統馬。堀厩舎ということもあり、前走の東京新馬戦でも1番人気の支持を集めていた。しかし、好位の外から直線で伸びそうなところから伸びあぐねての4着だった。

今回は勝利したが指数は高くない。それでも前走時よりも勝ちにいく競馬で勝利したところは指数以上の価値がある。ここまでの2走は期待ほどの結果とは言えないが、血統馬は昨年のアイビーS時のホウオウプロサンゲのように、突如大きな上積みを見せることもある。次走以降での覚醒に期待したい。

8月3日(土) 札幌5R 優勝馬 カワキタマナレア 指数-7 評価AA
9番枠から五分のスタートだったが、ダッシュがつかず置かれ、そこから押して中団まで挽回していく形。3~4角でじわっと押し上げていったが、ラスト2Fの4角でも前とは差があった。しかし、直線に向くと一気に前を飲み込み、ラスト1Fで先頭に立つと、そのまましっかりとした脚で2着馬に3馬身半差、3着馬に7馬身半差をつけて圧勝した。

走破タイムの1分9秒0はこの開催の札幌芝1200mとしては非常に優秀。上がり3Fタイム33秒8はこの週の札幌芝では古馬を含めて最速で、これはかなり評価できる。ラスト2F11秒8-11秒5も悪くなく、指数も優秀なものとなった。

今回が強すぎる内容だったため、疲れが残るかやや心配だが、能力を出し切れるコンディションなら重賞勝ちを十分に期待できる。

8月4日(日) 札幌1R 優勝馬 ベルベルコンパス 指数-12 評価A
10番枠から好スタート。じわっと先頭に立とうとしたが、1角でケイアイブイスリーが外から行き2番手に控える形。2角で砂を被り、一瞬は下がる場面もあったが、その後はスムーズな競馬。3~4角半ばで持ったまま同馬に並びかけ、直線序盤で先頭に立つと前を潰して独走。ラスト1Fで1馬身半のリードを5馬身まで広げて圧勝した。

前走の札幌ダ1700mの新馬戦は、勝利したナチュラルライズが古馬3勝クラス通用級の驚異的な指数で勝利した一戦。そこで逃げて1秒差の2着にとどまったのが本馬だ。2着ではあったが指数は1勝クラスで勝ち負けが期待できるレベル。今回は前走通りに走れれば楽勝が期待できた一戦で、単勝オッズは1.1倍に支持されていた。

新馬戦はコーナーでやや外に張り気味だったが、今回は改善されており、しっかり人気に応えた。指数は前走比でわずかに上昇、1クラス上の指数を記録した。今後は2歳ダート路線での活躍が期待できる。

2024年8月1週目の2歳馬PP指数,ⒸSPAIA


※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)アルレッキーノの指数「-12」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.2秒速い

ライタープロフィール
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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