C.デムーロ騎手馬券攻略のカギはノーザンF生産馬 外国人騎手のプラス条件、マイナス条件を調査

東大ホースメンクラブ

C.デムーロ騎手のプラス条件、マイナス条件,ⒸSPAIA

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C.デムーロ騎手が2年ぶりに短期免許を取得

10月27日(日)の東京開催では、2年ぶりの短期免許取得となったC.デムーロ騎手が1日6勝を挙げ、大活躍だった。このように秋競馬でやはり無視できないのが、外国人騎手の存在。今年はエリザベス女王杯の週にT.マーカンド騎手、H.ドイル騎手も来日予定である。

そこで、今回はC.デムーロ騎手、T.マーカンド騎手、H.ドイル騎手の「プラス条件」、「マイナス条件」をテーマにデータ分析を行う。なお、データは2019年11月2日〜2024年10月27日のものを参照する。

ダートの末脚自慢に騎乗で勝率90%オーバー

C.デムーロ騎手のプラス条件,ⒸSPAIA


<C.デムーロ騎手の「プラス条件」>
芝×ノーザンファーム生産【23-18-12-47】
勝率23.0%/連対率41.0%/複勝率53.0%/単回収率112%/複回収率101%
中山芝【2-4-4-5】
勝率13.3%/連対率40.0%/複勝率66.7%/単回収率108%/複回収率182%
京都ダート【2-1-1-2】
勝率33.3%/連対率50.0%/複勝率66.7%/単回収率156%/複回収率98%
ダート×上がり3F最速【19-1-1-0】
勝率90.5%/連対率95.2%/複勝率100.0%/単回収率300%/複回収率142%

この章ではまず、C.デムーロ騎手の「プラス条件」について検討する。

C.デムーロ騎手の芝での全体成績は【30-23-16-67】で勝率22.1%、単回収率99%と高水準。これを「ノーザンF生産馬」に限定すると、【23-18-12-47】勝率23.0%、単回収率112%とプラス域に突入する。

また、勝率27.5%、単回収率126%と大得意にしている阪神芝コースが現在改修中なのは残念であるが、中山芝コースも【2-4-4-5】複勝率66.7%、複回収率182%と妙味十分。期間内では先週の騎乗分しかないが、京都芝も【0-3-2-1】複勝率83.3%、複回収率110%と期待できる。

一方、ダートの全体成績は【27-16-11-51】で勝率25.7%、単回収率85%と妙味の面で芝にやや劣る。ただし、来日初週だった先週の京都ダートでは【2-1-1-2】勝率33.3%、単回収率156%、1日4回馬券に絡む活躍を見せた。どうやら京都ダートと相性がいいようなので、この秋は積極的に狙っていこう。

ほか、ダートでは末脚自慢の馬と相性が良く、上がり3F最速を記録した場合は【19-1-1-0】で単回収率300%と圧倒的。前走上がり3Fが最速だった馬をベタ買いするだけで、【3-5-0-2】複勝率80.0%、複回収率105%とプラス域だ。

C.デムーロ騎手のマイナス条件,ⒸSPAIA


<C.デムーロ騎手の「マイナス条件」>
新馬戦×ノーザンファーム生産【2-6-2-7】
勝率11.8%/連対率47.1%/複勝率58.8%/単回収率28%/複回収率90%
芝×距離延長【5-6-5-22】
勝率13.2%/連対率28.9%/複勝率42.1%/単回収率80%/複回収率96%
東京、中山ダート【3-4-5-10】
勝率13.6%/連対率31.8%/複勝率54.5%/単回収率28%/複回収率80%

次に、C.デムーロ騎手の「マイナス条件」について検討する。

ノーザンF生産馬とのコンビは単回収率100%超えを記録しているが、新馬戦での妙味はかなり薄い。平均人気が2.6人気であるのに対して、平均着順は3.5着。人気を裏切ることも多く、単回収率はわずか28%となっている。少なくとも単勝馬券では逆らう余地がある。

芝コースでは、前走からの距離延長に該当する馬が【5-6-5-22】で勝率13.2%、単回収率80%。十分高水準であるのだが、距離短縮組【8-3-2-13】勝率30.8%、単回収率144%や同距離組【12-8-5-22】勝率25.5%、単回収率110%に比べるとやや寂しい数字になっており、割引が必要だ。

そのほか、関東のダート戦で勝ち切れない競馬が目立っており、東京ダートは【3-2-4-8】勝率17.6%、単回収率37%、中山ダートでは【0-2-1-2】と1勝もできていない。一方、関西圏のダートでは好成績であるため、この秋は京都や中京を中心に狙っていこう。

C.デムーロ騎手の好条件など,ⒸSPAIA


夫婦そろって芝よりダートが狙い目

この章では、T.マーカンド騎手とH.ドイル騎手の「プラス条件」、「マイナス条件」を見ていく。

T.マーカンド騎手とH.ドイル騎手のプラス条件,ⒸSPAIA


<T.マーカンド騎手、H.ドイル騎手の「プラス条件」>
マーカンド騎手×東京芝【8-7-9-42】
勝率12.1%/連対率22,7%/複勝率36.4%/単回収率92%/複回収率104%
マーカンド騎手×東京ダート【9-4-5-33】
勝率17.6%/連対率25.5%/複勝率35.3%/単回収率119%/複回収率74%
ドイル騎手×ダート×距離延長【4-1-3-16】
勝率16.7%/連対率20.8%/複勝率33.3%/単回収率134%/複回収率95%
ドイル騎手×中京ダート【5-1-2-8】
勝率31.3%/連対率37.5%/複勝率50.0%/単回収率134%/複回収率76%

まずはT.マーカンド騎手の「プラス条件」について。同騎手は芝ダート問わず、東京競馬場で騎乗した際が狙い目だ。

東京芝は複回収率が104%とプラス域。なかでも、芝2000mは【3-0-1-9】勝率23.1%、単回収率189%、次いで芝1600mが【4-3-3-12】勝率18.2%、単回収率120%と妙味たっぷりだ。

東京ダート成績も優秀で、トータルの単回収率で119%もある。特に1600mでは【6-2-4-14】で勝率23.1%、単回収率159%とさらに数字を上げてくる。

次はH.ドイル騎手の「プラス条件」について見ていく。ドイル騎手は芝よりダートが狙い目だ。芝【5-6-10-87】勝率4.6%、単回収率27%に対し、ダートは【9-9-6-76】勝率9.0%、単回収率56%と成績に大きな差がある。

ダートで前走からの距離延長に該当する場合は【4-1-3-16】で勝率16.7%、単回収率134%と妙味十分。距離短縮組の【2-2-0-22】勝率7.7%、単回収率26%や同距離組の【3-4-2-30】勝率7.7%、単回収率45%と比較しても抜群の成績となっている。

また、中京ダートでは【5-1-2-8】で勝率31.3%、単回収率134%。超得意条件と言っていい。そのほか、福島ダート【1-1-2-9】勝率7.7%、単回収率104%も現状、プラス域だ。

T.マーカンド騎手とH.ドイル騎手のマイナス条件,ⒸSPAIA


<T.マーカンド騎手、H.ドイル騎手の「マイナス条件」>
マーカンド騎手×芝重賞【0-0-0-14】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回収率0%/複回収率0%
マーカンド騎手×2100m以上【2-2-2-21】
勝率7.4%/連対率14.8%/複勝率22.2%/単回収率19%/複回収率34%
ドイル騎手×芝3勝クラス以上【0-0-0-24】
勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回収率0%/複回収率0%
ドイル騎手×東京ダート【1-2-1-24】
勝率3.6%/連対率10.7%/複勝率14.3%/単回収率9%/複回収率24%

まずはマーカンド騎手の「マイナス条件」から。

芝重賞では14回騎乗してまだ一度も馬券に絡めていない。芝では新馬戦【6-4-3-16】勝率20.7%、単回収率120%、1勝クラス【4-1-1-13】勝率21.1%、単回収率174%など、下級条件の方が好成績だ。平場で積極的に狙っていこう。また、2100m以上【2-2-2-21】で勝率7,4%、単回収率19%と妙味も薄く、芝ダート問わず、長めの距離では割引が必要だ。

最後にドイル騎手の「マイナス条件」を確認する。

芝の上級条件における信頼度は低く、3勝クラス以上では馬券に絡んでいない。下級条件で狙っていこう。芝の未勝利戦では【1-0-4-18】と勝ち切れないものの、複勝率21.7%、複回収率108%と狙える条件だ。また、ドイル騎手はダートが狙い目と前述したが、東京だけは例外。【1-2-1-24】勝率3.6%、複勝率14.3%、単回収率9%、複回収率24%に留まっている。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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