【大阪杯】タスティエーラ、ソールオリエンスは揃って消し ハイブリッド式消去法

藤川祐輔

過去7回の大阪杯『美浦所属馬』かつ『前走馬体重476kg以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の高松宮記念ではルガル、テイエムスパーダの2頭が「凡走データ」を免れたが、どちらも馬券には絡まなかった。また、勝利したマッドクールは最後に消去対象としており、悔しい結果となった。

今週は3月31日に阪神競馬場で行われる大阪杯(GⅠ)を予想する。登録馬20頭の内、除外対象となる4頭(バビット、ファルコンビーク、モリアーナ、ロードデルレイ)を除いた16頭から絞り込みを行う。GⅠ昇格以降の過去7年(17~23年)のデータから、複勝率10%未満の凡走データを5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。

『前走6着以下』×『前走6番人気以下』 ★0.0%★

前走の着順別成績をみると、5着以内に善戦していた馬が【6-5-6-56】(複勝率23.3%)と馬券圏内の大半を占めていた。一方の6着以下に惨敗していた馬は【1-2-1-24】(同14.3%)と苦戦気味だ。

さらに、この組の中でも前走6番人気以下だった馬は【0-0-0-12】(同0.0%)と1頭も好走できていない。層が厚い2000mのGⅠだけあって、前走で人気薄かつ結果が伴わなかった馬が巻き返すことは難しいようだ。

今回は3頭がこのデータに該当している。一昨年の秋華賞馬スタニングローズも含まれるが、当馬は古馬になってからの3戦では成績が低迷している。加えて、今回が約10ヶ月半の長期休養明けである点も含めて好走は期待できないと判断する。

【今年の該当馬】
・カテドラル
・スタニングローズ
・ハーパー

『前走ハンデ戦』×『前走上がり3位以下』 ★0.0%★

前走がハンデ戦だった馬は【0-0-1-15】(複勝率6.3%)と振るっていない。GⅠや別定重賞組のメンバーレベルが高く、ハンデ戦からの転戦組がほとんど通用しない結果となっている。

唯一の好走例は22年3着のアリーヴォだが、当馬は前走で上がり2位の末脚を使っていた。この組のうち、前走上がりが3位以下だった馬に限定すると【0-0-0-9】(同0.0%)と好走馬が出ていない。

このデータには4頭が該当している。どの馬も前走で快勝しているが、今回は一気の相手強化となる。GⅠ級の面々に通用するとは思えず、極端なデータが出ていることからも消去する。

【今年の該当馬】
・エピファニー
・ステラヴェローチェ
・ミッキーゴージャス
・リカンカブール

『美浦所属馬』×『前走馬体重476kg以上』 ★0.0%★

各馬の東西所属別に成績を見ると、栗東所属馬が【7-6-6-56】(複勝率25.3%)と馬券圏内のほとんどを占めている。一方の美浦所属馬は【0-1-1-24】(同7.7%)と低迷している。

美浦所属で好走した2頭は20年3着ダノンキングリーと23年2着スターズオンアース。どちらも前走馬体重が475kg以下で比較的小柄だった点も共通している。

前走馬体重が476kg以上だった美浦所属馬は【0-0-0-21】(同0.0%)と全く好走できていない。この中には上位人気馬も含まれており、19年1番人気6着ブラストワンピース、22年1番人気9着エフフォーリアといったグランプリホースでさえも馬券に絡むことができていない。

このデータには新たに5頭が該当し、昨年のダービー馬タスティエーラも含まれる。当レースは関東馬には鬼門となっており、1番人気馬が4頭全て敗れていることからも当馬に厚い信頼は置きにくい。馬券的な妙味も踏まえて、今回は軽視する。

【今年の該当馬】
・ジオグリフ
・タスティエーラ
・ハヤヤッコ
・ルージュエヴァイユ
・ローシャムパーク
・(エピファニー)

『前走3角13番手以下』×『牡馬』 ★0.0%★

前走で3角13番手以下と、極端に後方からレースを進めた馬は【0-1-0-8】(複勝率11.1%)と多くが凡走している。好走したのはスターズオンアースのみであり、この組で唯一の牝馬だった。牡馬に限ると【0-0-0-8】(同0.0%)となり、好走馬はいない。

当レースは直線の短い阪神内回りが舞台で、差しや追込での好走には馬場や展開の助けが必要となる。加えて勝負どころの3~4角である程度ポジションを取れるか否かが結果に直結する。追い込み一辺倒の馬だと当レースでも苦しい展開になることがデータにも表れている。

ここではソールオリエンスが新たに該当。これまでのレースぶりから先行することは難しそうで、後方から馬群を縫うような器用さにも欠ける。過去の傾向やコース形態からも苦戦は免れないと判断して消去対象とする。

【今年の該当馬】
・ソールオリエンス
・(カテドラル)

『1~2枠』×『父ディープインパクト系以外』 ★0.0%★

ここまでで3頭が凡走データを免れているが、最後は枠順と血統に関するデータから絞り込みを行う。

枠順別成績をみると、1~2枠に入った馬が【0-1-1-18】(複勝率10.0%)と低調。また、この組から好走した2頭はいずれも父がディープインパクト系種牡馬であった。この系統以外の産駒に限ると【0-0-0-12】(同0.0%)と全く好走できていない。

残る3頭のうちキラーアビリティ、プラダリアはいずれもディープインパクト産駒。ベラジオオペラのみ該当する可能性がある。枠順次第ではデータに従って評価を下げたい。

【今年の該当候補馬】
・ベラジオオペラ

全ての条件を終えて凡走データに該当しない馬は、キラーアビリティとプラダリアの2頭となった。なかでも今回はプラダリアを推奨する。

昨年の宝塚記念ではそうそうたるメンバー相手に6着と善戦しており阪神内回りコースへの対応は問題ない。また、京都大賞典、京都記念の快勝ぶりを見ても、充実期を迎えた印象で、超一線級がドバイ遠征で不在の今回ならGⅠでも十分勝負になる。

当馬は先行力と粘り強さが最大の武器であり、Bコース替わり初週となる今回は馬場も味方するはずだ。さらに、明確な逃げ馬も不在でペースが落ち着きそうな点も好材料だ。

血統面でも父ディープインパクト系×母父ノーザンダンサー系は【2-3-1-14】(複勝率30.0%)と好相性だ。母父をクロフネに限ると【1-2-0-0】と全て連対。馬券の中心にふさわしい1頭といえる。

《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。

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